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「It´s小(ショウ)タイム」
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週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」新党日本代表・田中康夫コーナー掲載より
2008.04.28
先手必勝の先例を
2008.03.31
いまだOS転換できぬ与党
2008.03.03
隠ぺい、冤罪、閣僚失格
2008.02.04
求められるのは発想の転換
2007.12.31
高速料金即時無料化を
2007.12.03
ねじれこそ民主主義のバネ
2007.11.05
ホントの政権担当能力
2007.10.08
福田がけっぷち内閣
2007.09.10
オンリーワンの国際支援
2007.08.13
「ヤッシー」ゲリラ活動開始
2007.07.09
安倍改憲論に対抗する
2007.06.11
本当の100年安心
2007.05.14
本末転倒! 3連発
2007.04.16
安倍ちゃんマジックにご注意
2007.03.19
超えよ!数値マニフェスト
先手必勝の先例を
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」4月28日号】
揮発油税等の暫定税率が失効し、ガソリン1リットル当たり25円「減税」が4月1日から実現しました。その後、参議院では16日の本会議で、道路特定財源を10年間維持する道路整備費財源特例法改正案の趣旨説明が行われ、財政金融委員会に付託、審議する運びとなりました。
自民、公明の両党は、衆議院では国土交通委員会で審議したのに、民主党が委員長を握る財金委での審議は恣意的だと騒いでいます。が、前例踏襲のオツムでは解決不能なのが、参院で与野党逆転した現在の政治。財政に関わる法案なのですから財金委で話し合う新たなルールを設定したまで。江田五月参院議長も、民主的ルールの多数決で議院運営委員会が付託先を決定した話、と取り合いませんでした。
寧ろ問題なのは、以下の恣意的「対策」です。暫定税率問題を巡って政府与党は、ガソリンスタンドの経営悪化に対応すべく、数十億円の税金を全国石油協会に投入して基金を創設し、特別利子補給制度を開始すると述べているのです。
ちょっと、待ってください。今回の25円は「減税」分。元々、税金として国庫に納付されていた25円です。石油会社や販売会社の利益が削られた訳ではありません。なのに、どうして、数十億円もの税金を全国石油協会に投入するのでしょう?
繰り返しますが、今回の減税で利益が減少した訳ではないのです。仮に経営難のガソリンスタンドが有れば、全国8ヶ所に位置する経済産業省の経済産業局と各都道府県の商工部門が連携して、経営改善の指導・支援を行うのが筋です。
おっと、謎が解けてきました。全国石油協会は長年、自民党に多額の献金を行ってきた団体だったのです。夜陰に乗じて、税金から“キックバック”を画策しているのかも知れません。
供給側の都合ではなく、消費側の希望に根ざして、より良き社会を実現していくのが、政治です。であればこそ、野党は今回、不透明・不特定財源として遊行費にも“流用”していた、羊頭狗肉な道路特定財源の暫定税率分を減税し、25円を消費者に還元したのです。
公共交通機関が衰退している地域に暮らす世帯にとって、ガソリン代が家計に占める割合は、都会とは比較にならぬ程に高いのです。一家に1台ならぬ1人1台の自動車通勤だからです。
今回の減税で、家族で食事に出掛ける余裕も生まれました。春の新作ブラウスが欲しいわ、と愛する妻にせがまれても笑顔で応える余裕も少し生まれました。何れの出費も、地域経済が元気を確実に取り戻す効果を創出します。
中央搾取の利権政治から地域還元の福祉政治へと大転換する切っ掛けが、今回の25円減税なのです。にも拘らず、行政の無駄も省かぬ儘、「何も決められない政治の責任は野党にある」と自民党の大島理森国対委員長は、天に唾する発言を繰り返しています。
それは福田康夫首相も同様です。「何時まで下げているんですか?」と明後日ならぬ一昨日の方角に向かって愚痴り、「物価は上がるものなんです」と聴衆の前で大言壮語する迷走振りです。更に大島氏は、「参院の意思を早く示せ」と挑発も行う始末です。
暫定税率復活に反対する世論は明白。ならば、与党が再議決をする前に、参院で野党が法案を否決する“先手必勝”を敢行してこそ、国民の意思を反映する参院の面目躍如というものではないでしょうか。これまた、新しい先例の誕生です。
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いまだOS転換できぬ与党
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」3月31日号】
この原稿がお手元に届くのは3月31日。揮発油税の暫定税率に関して、何らかの結論が出され、私の考えとは異なる“着地点”に不時着しているかもしれません。が、実業の世界に携わる経済界のビジネスリーダーも数多く定期購読する「日経ビジネス」3月3日号に掲載の読者世論調査では76%もの人々が、「道路特定財源の使途に対するチェックが不十分で無駄が多い」と廃止を望んでいます。
民意は明らか。にもかかわらず、政府・与党にとどまらず、全国知事会も「安値のガソリンスタンドに人が殺到しパニックになる」と、“そのまんま自民党”“そのまんま国交省”な発言を繰り返しているのです。現職知事だった時分に議論となっていたなら、私だけは廃止を主張していたでしょうに、いやはや。
実は、パニックなど起こりようもないのです。新党日本が参院で統一会派を組む民主党は2月末に「道路特定財源制度改革関連3法案」を提出しています。3月末に期限切れとなる揮発油税の暫定税率以外の“日切れ税率”継続を認める法案です。オフショア市場の利子非課税措置をはじめ経済に影響を与える税率を継続させ、道路特定財源問題と切り離したのです。
加えて3月21日には「ガソリンスタンド対策法案」も提出しました。揮発油税は製油所の出荷時に課税されます。3月末までに全国のスタンドに納品された分は暫定税率の課税対象。4月1日の午前0時以降に販売する場合も論理上、暫定税率を上乗せした価格で購入してもらうことになります。そこで、現場での混乱を防ぐべく、暫定税率分なしの価格で販売可能とし、税額の差額をスタンドの還付する内容です。供給側の都合ではなく、消費者と現場で働く者の視点に立っての思いやりです。
ボールは福田康夫首相側に投げられているのです。31日の23時59分までに「対策法案」を衆参両院で可決するだけで、混乱は防げるのです。
暫定税率が切れると地方自治体の税収が激減し、歳入不足の激震に見舞われる、と恐怖をあおる発言を繰り返す政府高官こそ、おおかみ少年です。“なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ改革”で強行された「三位一体の改革」なる羊頭狗肉(くにく)な施策を振り返れば、今回の暫定税率はノー・プロブレムと得心していただけるでしょう。
「構造改革」の美名とは裏腹に、わずか5年間で250兆円も借金を増大させた小泉内閣は、地方交付税を毎年9500億円も削減していったのです。とりわけ2003年度の地方交付税は、02年度よりも1兆5000億円近くも激減。しかも、総務省と財務省から各自治体に通達されたのは、当初予算の審議を行う2月議会直前の1月末でした。福祉・医療・教育・農業・商業とすべての領域に影響を与える大パニックです。なのに、“小泉マジック”に酔いしれていた大半の首長や議員は「この詐欺師め」と拳を振り上げるどころか、倒錯したSMの世界のごとく交付税額を組み替えた予算案を提出、可決したのです。
今回の地方減収分は往時よりも少ない金額の9000億円。しかも、影響は道路に限定されています。暫定税率を死守せねばと、息巻く政府・与党と自治体長は、国破れて道残る日本を目指しているのでしょうか?
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隠ぺい、冤罪、閣僚失格
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」3月3日号】
海上自衛隊のイージス艦衝突事故で、石破茂防衛相が自分のところへ連絡が入るまでに1時間半もかかったことについて「なぜこんなにかかったのか」などと、まるで人ごとのような発言をしていますが、石破氏は民間に例えれば社長の立場。社員が不祥事を起こしたり、組織として上げるべき情報を上げてこなかったりしたら、それはすべてトップの責任なのです。
防衛相就任からすでに6カ月がたち、かつて防衛庁時代も長官を務めたこともある。もっと言えば、自由民主党は50年以上も政権を運営する中で、何らリーダーシップを発揮してこなかった。海上幕僚長の更迭で済まされる話ではないはずです。
社会保険庁による年金記録の不備問題も根本は同じ。職員がちゃんと働かなかったり、不祥事や失態を隠したりしてきた原因は、それを政府、与党が許してきたからにほかなりません。
緊急・重大事案が発生時には、第1報が陸海空幕僚長から防衛相に直接入るように通達を出したと言いますが、もはやそんな次元の話ではありません。第3管区海上保安本部への事故連絡も発生から約20分が経過してから。隠ぺい体質と批判されても仕方がないでしょう。
それ以前に、大中小の船舶が行き交う東京湾で、夜明け前に自動操舵(そうだ)だった。手動操舵というマニュアルすら策定してなかった。これだけで論外。しかも艦長はようとして姿を現さず。キャプテンとして失格。海の男の風上にも置けません。
一流といわれる料理店では、責任者が還暦を過ぎても現場に立ち、盛り付けにはじまり、料理とは何か、接客とは、サービス業とはどうあるべきかを店の人間に厳しく指導するからこそ、そこで働く人間も育つわけです。「人さまに喜んでいただいてナンボ」と、嗅覚(きゅうかく)という勘所を養成しているわけです。
鳩山邦夫法相が鹿児島の選挙違反事件の無罪について「冤罪(えんざい)と呼ぶべきではない」と発言したのも言語道断。
冤罪の被害に遭った中山信一さんらとは何度も会って話を聞いていますが、中山さんは金も酒も配っていない。それどころか、わずか20所帯のその集落で会合すら開いていない。冤罪以上にタチの悪い捜査権力によるでっち上げです。捜査の過程で、親族の名前を書いて踏ませる「踏み字」で自白を強要さえしている。検察に、そんな捜査をやるべきではないと言うならいざしらず…。鳩山法相は、きちんと取り調べの際の音声や様子を任意聴取の段階から全て記録する可視化≠早急に図るべきです。
国会に石破防衛相の問責決議案を出そうという動きがありますが、鳩山法相の責任についても追及していくべきでしょう。「友人の友人がアルカイダ」といった“前科”も多いのですから。
政治家は「冷酷さ」と「冷徹さ」の違いを認識すべきです。政治家は有権者や暮らしている人のためには、冷徹でなければいけません。小沢一郎代表以外の大半の野党幹部は、自民党との大連立には反対を表明していたはず。政府、与党に何の遠慮が要るでしょう。“永田町ムラ”の甘チャン政治では、まっとうに働き暮らす人々は蚊帳の外に留め置かれたままです。
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求められるのは発想の転換
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」2月4日号】
34年間も「暫定」を放置し続けた上に、さらに今後10年間は「暫定」を堅持し続けねば、と自らの発言に疑問も抱かずに唱和する皆さまのオツムの中を、CTやMRIで検査してみたいですね。そんなに必要不可欠な税金なら、政府与党は「恒久」税率として今国会に提出すべきでしょ。安全保障は恒久法を制定せねば、と施政方針演説で語ってるんですから。
にもかかわらず「暫定」なのは、当の本人たちも後ろめたいんでしょうね。与党が3分の2を占める衆院で再議に掛けてでも、などと数の論理を持ち出す。でも、各種世論調査では国民の3分の2以上が廃止を望んでいる。国会と国民の間で「3分の2」に関して、明らかに乖離(かいり)が生じてるんですね。
だから、特定の支持政党がない、と答える国民が5割を超えているんです。「真に必要な道路」と情緒的な言葉が繰り返されていますが、冷静に考えてみれば、日本の面積は増える訳じゃない。逆に、1年間に世田谷区と同じ80万人ずつ減少、面積当たりの道路密度は既に、アメリカの3倍、イギリスやフランスの2倍に日本は達している、と日本道路協会も認めている。
戦後62年を経て、すべての分野において日本は、漫然と造り続けるのでなく、直し始めねばならぬ局面に差し掛かっているのです。50歳を過ぎて弱くなった骨や歯を大切にするのと同じです。なのに政府は、新たな市町村道の建設には5割以上の補助金を手渡す一方で、維持・補修は自治体が自前でどうぞ、と予算措置を講じていない。財政難を理由に、道路だけでなく橋梁や隧道(ずいどう)の点検や修繕も怠れば、アメリカの悲劇と同じ事態に陥りかねません。新党日本は従来から、こうした維持・補修へと公共事業費を振り向けるべき、と提唱してきました。こうした作業こそ、直ぐには構造転換出来ない地域の土木建設業者が担当可能。地域経済の活性化にも役立つのです。
なのに、人口減少社会における公共事業の在り方を議論すべき与野党とも、労使交渉と同じ次元の25円の攻防戦に終始しています。ガソリンが120円台に下がると自動車の利用が増えて地球温暖化が進み、北海道洞爺湖サミットの開催国として恥ずかしい、などと息巻く北海道選出の官房長官にいたっては、寒冷地の人々の苦しみも判らぬあなたこそ恥ずかしいでしょ。福田内閣は環境内閣だ、と胸を張るのなら、「温暖化と高齢化に対応すべく、超低床式のLRT(次世代型路面電車)を市街地に積極的に導入しよう」と提案したはいかがか。
首相のおひざ元の群馬県で8000億円も投じて建設予定の八ツ場ダム計画を中止するくらいの決断もほしいですね。日本は国土の7割が森林なのに、林野庁の予算は4000億円にも満たない。しかも、間伐をはじめとする森林整備に投じているのはわずか400億円。巨大なダム1個の建設費用の20分の1にすぎないのですよ。戦後に造林されたスギやヒノキの人工林は、その半分以上が間伐も行われぬまま、荒れ果てています。地球温暖化を防ぐ上でも、これこそは急務なのに、不要不急の公共事業体質な日本の政治を、既存政党は誰も変えられないでいます。新党日本は今年も奮闘します。
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高速料金即時無料化を
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」12月31日号】
自民、公明両党は、2008年度税制改正で、道路特定財源に関し揮発油税などの本来より高い暫定率を10年間維持し、道路整備などの財源を確保すると決めました。新党日本は、仮に暫定税率を存続させるなら、その8割に当たる年間2兆円を用いて高速道路各社の通行料金を即時無料化すべきと考えます。
1g当たり25円もの暫定税率を維持する理由は「真に必要な道路整備を計画的に進める」からだと政府、与党は述べていますが、「真に必要な」という文言は余りにも抽象的、情念的。一体、誰がどういう基準で判断するかがまるで不透明。際限なく道路を造り続ける方便にすぎません。
他方で、国土面積は変わらないのに日本は今後、世田谷区と同じ規模の80万人もの人口減少が毎年続き、わずか40年後には現在の3分の2となるのです。道路問題に限らず、量の拡大から質の充実へと、発想と選択、そして仕組みを変えねば日本は破滅してしまいます。
新党日本が経済評論家の山崎養世氏とともに提唱する、高速道路の通行料金無料化の方策を以下にお示しします。
まずは旧道路4公団が抱える約43兆円の債務を国が引き取ります。すると、民営化後の各社が通行料金を取り続ける根拠が消滅します。年間2.5兆円を超える暫定税率分の8割に当たる年間2兆円の財源を充当すれば、金利分も含めて30年間で完済できます。
逆に各社は45年後に無料化すると“約束”していますが、東京オリンピックに合わせて開通した首都高速も30年で無料化するはずが、プール料金制を導入していまだに有料。既得権益をむさぼる官僚が、天下り先を確保するために悪知恵を働かせた結果です。ちなみに、米国とドイツの高速道路は無料。民営化後も有料のイタリアとて、ローマ-ミラノ580`間の通行料金は3500円弱。同距離の東京-神戸が1万3000円近い日本は、3倍もの高さです。
通行料金が高いから、物流関係の車両は一般道を走行せざるを得ず、通学の児童が事故に遭遇する悲劇が後を絶ちません。無料化すれば、福島-新潟を結ぶ磐越道といった閑散道路にもトラックが通行し、時間短縮と事故軽減が実現します。
片道3000円の東京湾アクアラインも無料化すれば、羽田空港から20分の千葉県木更津市に経済効果が生まれます。ソウル、上海に加えて近く北京からも旅客便が飛来し、昭和50年代のジャルパックよろしく観光客が“ビジットジャパン”する昨今、都内や川崎、横浜よりも地価が安い木更津に摘価な宿泊料金のホテルが建設されれば、地域雇用の増大と地元自治体への固定資産税も見込まれます。
とまれ、現在でも暫定税率2.5兆円とほぼ同額の計2.6兆円もの通行料金を高速各社にわれわれは支払っているのです。つまりは高速道路無料化は消費者の負担を半分に軽減し、全国津々浦々に張りめぐらされた高速道路の有効活用と、地域間格差の解消に寄与する“打ち出の小づち”なのです。
「おかしいことは、おかしいと言う」。新党日本は2008年も引き続き、脱しがらみ・脱なれ合いの社会を実現すべく奮闘を続けます。
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ねじれこそ民主主義のバネ
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」12月3日号】
マスメディアは国会の状況を「ねじれ」「ねじれ」と言い立てますが、ブッシュ米大統領が共和党出身の米国も、議会は民主党が多数派。ねじれているのです。今回の「大連立」構想は大政翼賛会の再来だ、と懸念を示す向きもありますが、ドイツ初の女性首相によるメルケル政権も、保守のキリスト教民主・社会同盟と左派の社会民主党による大連立政権です。
「ねじれ」「大連立」の惹句(じゃっく)には否定的な響きが強いのですが、冷静に見れば、衆参両院共に自公で過半数を占めていた今までの国会の方がアリバイ作りの審議時間が経過するや、数に任せて強行採決が横行する「翼賛」でした。新党日本は地球が壊れても自民党と一緒になることはないと述べてきましたが、“予定調和”の、事前に結果が見えている各会合に慣れ親しんできた「談合列島ニッポン」の島国意識を改める好機ととらえるべきです。
自民党は引き続き政権を維持したい一心で“クリンチ”大連立を目指したのに対し、民主党の小沢一郎代表は具体的な政策を実現するために大連立を考えたのでしょう。55年体制下の不透明な料亭政治とは異なり、白昼堂々と政策協議を行う。「ねじれ」はむしろ、新しい民主主義のステージへと移行するためのバネだと考えたいですね。
大連立を組むと小選挙区制度の下では候補者調整ができないから選挙が成り立たない、という理屈も矛盾しています。中選挙区制度の時代には自民党が派閥ごとに3人も4人も同じ選挙区に候補者を出して戦っていたではありませんか。現にドイツではかつて、社会民主党のブラント党首がキリスト教民主党のキージンガー政権で副首相を務め、その後の選挙で勝利して首相に就任しました。
同様に、大連立を組んでも結局、自民党に振り回されるという論にも疑問符です。自社さ連立や自自連立の時代には、自民党は過半数を辛うじて維持すれば良いとの思いで、野党第1党の新進党や民主党でなく、少数派の社会党や新党さきがけ、自由党を数併せの論理で選びました。故に、政権内での自民党の優位は変わらず、連立を組んだ政党が自民党の主張に従わざるを得なかったのです。
ところが「7・29」以降の参院は、仮に自民党が国民新党、社民党の両党と連立を組んでも過半数に至りません。連立すべき相手はもはや、参院第1党の民主党しかおらず、政治状況は一変しているのです。
小沢さんは、トロイの木馬を装って政権の中に入り、若手議員に政権担当の実践的訓練を積ませ、その間に既得権益に生きる自民党を蚕食(さんしょく)しようと企てたのでしょう。連立を組まなければ、福祉や教育を充実させる野党案を可決しても結局は、自民、公明両党の“お手柄”で終わります。連立を組めば対等。よしんば自民党の反対で政策が実現できなければ、民主党は連立を解消し、どちらの判断が真の国民益ですかと有権者に問えば良いだけの話です。
次期衆院選で民主党が“完全勝者”となる可能性は低いと同時に、自公で3分の2を占める可能性も皆無に近いのです。大連立構想はくすぶり続けるでしょうし、引き続き政局のカードを握っているのは、一連の辞意・慰留・続投で党内基盤をさらに固めた小沢氏なのです。
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ホントの政権担当能力
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」11月5日号】
民主党が「農業者戸別所得補償法案」を参院へ提出しました。農家に対する戸別補償は、最近になって遅れて“個人主義”に目覚め始めた人たちには歓迎される政策でしょう。
遠藤武彦前農相が組合長理事を務めていた農業共済組合が、国からの補助金を不正受給した問題で、現場の農業者も怒りを爆発させたのは、従来、仮にひょうが降って被害に遭っても共済組合段階でお金が止まり、農家には直接お金が届かない状況だったからです。
戸別所得補償制度は、コメや麦などの標準的な販売価格と生産費との差額を単価として、生産面積に応じて交付金を支払う仕組みのようですから、兼業農家の人も専業農家の人も、零細な人、そうでない人にも、直接みんなに支給されます。集団主義から個人主義に目覚め始めた人にとってはありがたい政策だろうし、都会にいる人々にとっても食料自給率が低い日本だから仕方ないかな、と大目に見てもらえる内容ではあります。
でも、中学卒業まで子ども1人当たり月額2万6000円を支給するという民主党の「子ども手当法案」には賛成しかねます。子どもを養育している世帯に所得制限を設けず、支給全額が国庫で負担する子ども手当は年間5兆円以上ものばらまきにしか映りません。
消費税率を1%上げて選挙に負けるぐらいなら一気に二けた台に上げようと政権、与党の幹部が言い放ち、福田康夫首相が注意もせずにいる状況下で、敵に塩を送るようなものだと思えてなりません。増税するならご希望に添えますよ、と与党から“クリンチ”攻撃されちゃう。月額2万6000円というお金も、子どもを車の中で寝かせたままパチンコに興じて殺してしまうような親にとっては、パチンコ代の原資に化けかねません。
だったら、小・中学校の教科書の無償配布をこれからもきちんと維持していくとか、学校給食にお金を出してもっと安心できる地域食材を使うとか、安倍内閣時代に打ち出した教育格差を拡大する「教育バウチャー」ではなく、働いている女性を対象にどこの保育所でも使える「保育クーポン」を配布するとか、こうした歓迎される「戸別」ならぬ「個別」の施策に金を出すべきですよ。
ところが、官僚出身や組合出身の人たち、あるいは今までの政治に慣れ親しんだ人たちはそれでは金額が計算し切れないなどと、たわけた事を言う。月額が決まっていれば、子どもの人数も分かるから予算を確定できるが、そうじゃないと算出できない、と。
民主党は、先の参院選で掲げたマニフェストだからやらなくてはいけないと言っていますが、「手続き民主主義」「スケジュール民主主義」に陥ってはいませんか?よりよい政策・発想が出てくれば、小沢一郎代表も「君子豹変(ひょうへん)す」べしで、それがリーダーシップです。
1人頭いくらという発想を切り替えさえすれば、子どもの福祉向上に役立つ方策はいくらでも編み出せるのです。いったん造り始めたダム計画を止められないのと同じ官僚的発想を改め、5兆円よりも少ない金額でも、国民に歓迎されるよりよい政策を打ち出すことは可能なはず。それこそが真の政権担当能力というものです。
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福田がけっぷち内閣
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」10月8日号】
「不退転の決意でテロ特措法の継続を」と叫びながら、その審議のための国会を1カ月半も開会せず、ようやく論戦スタートかと思いきや、テロと戦うはずの宰相が自ら突如の“自爆テロ”を敢行したのですから、いやはやです。しかも、ひ弱な宰相を支え切れなかった反省もどこへやら、辞任に伴う自民党総裁選で2週間もの“お祭り”騒ぎ。野党が国会で審議拒否すると「税金の無駄遣い」「政権担当能力なし」と批判して、「われこそが責任政党だ」と胸を張っていた自民党も、今回の一件では“無責任政党”ぶりを発揮してしまいました。日本とは「とてつもなく奇っ怪で見苦しい国」だ、と諸外国の目には映った事でしょう。
それだけではありません。自ら招いた政治の空白が原因で、過去60年間、米国との約束はすべて守りますと言い続けてきた日本は今回、インド洋での海上自衛隊による米艦船などへの給油活動を11月以降も継続する「約束」を自ら放棄する羽目に陥りました。繰り返しますが、その原因は迷走を続けた与党の側にあるのです。
さらには今回、権力の空白をも放置し続けました。一国の首相が、いつ退院するのか分からない状況なのに、政府は首相臨時代理を置かないまま。記者会見でただすと政府は、パトカーで先導すれば病院から官邸まで5分で移動可能だと言ってのけました。う〜む、テポドンが発射されても対応可能だと強弁するのでしょうか。責任政党を自任する面々の発想は、理解を超えています。
後継の首相指名選挙に出席後、安倍氏は再び病院へと逆戻り。憲法の規定によれば、福田氏が国会で首相に指名されても、皇居での任命式を終えるまでは、首相は安倍氏のまま。権力の空白ならぬ権力の重複まで生まれてしまったのです。その間に、テポドンが飛来し、大地震が発生したら、一体、誰がシビリアン・コントロールの最高責任者となったのでしょう?
さて、臨時国会での最大の焦点、海上自衛隊の給油活動。安倍内閣当時の与謝野馨官房長官は、「日本の給油活動が国連の安全保障理事会メンバーから高い評価を受けた」と胸を張りましたが、これこそまったくの牽強付会。安保理で採択された決議案には「JAPAN」の文字も「海上給油」も明記されていないのです。
外務省の谷内正太郎事務次官は「自動車でいえば、ハイオクに限定される燃料をパキスタン艦船に提供し得るのは自衛隊の補給艦のみ」と公言しましたが、ぼくが防衛省に問いただしたところ、提供している燃料はナンと、日本や全世界のガソリンスタンドで日常的に売られている軽油2号。特別だと強調している燃料のろ過装置も、他国の補給艦に標準装備されています。
海上自衛隊の給油活動をめぐる法案処理は至難の業。野党との論戦に勝てるかもと、防衛相に石破茂氏を起用しましたが、防衛相から外相に横滑りした派閥領袖の高村正彦氏に傷を付けないための人事では、と勘繰りたくもなります。
所信表明演説も、霞が関の官僚が作成したとしか思えぬ抽象的で総花的な言葉の羅列。「背水の陣内閣」ならぬ「がけっぷち内閣」と命名した方がふさわしいのかな。
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オンリーワンの国際支援
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」9月10日号】
秋の臨時国会では、米軍が中心となってアフガニスタンで実施しているテロリスト掃討作戦を支援するためのテロ対策特別措置法の延長問題をめぐって、与野党間で大きな争点となります。
新党日本は、テロ特措法延長に反対です。昨年来、安倍晋三首相は憲法解釈で集団的自衛権を行使可能とするべく動いてきましたが、考えてみれば既に小泉純一郎前首相は、出掛ける場所が安全な場所などと、へ理屈にもならない発言で煙に巻いて、集団的自衛権に道を開く特措法を成立させてしまったのです。いったんリセットすべきです。仮に日本がインド洋上での米艦船への給油を終了しても、米国は20隻以上の給油艦を保有しているのです。無償で日本が給油してくれるならラッキー、という程度の「貢献」だったのです。給油を止めたら日米同盟にヒビが入るという人もいますが、それは短絡的すぎます。
親米か反米かとか、日米同盟なのか国連主義なのかとか…。そうした不毛な○×式の二項対立ではなく、日米関係の安定こそ外交の基本という認識の上に立って、日本がある時には米国を諫め、日本も米国の助言に耳を傾ける、従米でも嫌米でもない、互いに助言や諫言を行う“諫米”という立場で日米関係を充実させるべきです。
極東の島国で鉱物資源にも恵まれない日本ですが、地政学的にみて、太平洋を挟んで真向かいの米国は、安全保障の観点から日本を無視できないのです。アジアや環太平洋、ヨーロッパなどとの関係を構築する上でも、日米安保は双務的なのだ、という冷静な認識が必要です。
日本のモノ作り産業が世界で評価されているのは「オンリーワン」「ファーストワン」を作り続けてきたからです。アフガニスタンでのテロとの闘いに75カ国も参加しているのだから、日本も“バスに乗り遅れるな論”ではなく、国際貢献も平和主義の日本ならではの支援を構築すべきでしょう。
国連主義にも問題があります。国連は世界で最も官僚が牛耳る、無駄遣いが目立つ組織でもあるからです。一部で語られる国連決議に基づく国際治安支援部隊(ISAF)への参加も、慎重に議論する必要があります。アフガニスタンでは一般市民も巻き込む武力行使が主体となっていて、カンボジアでの国連平和維持活動(PKO)とはおよそ異なり、カナダもイギリスも数十人単位で死者が出ています。
新党日本は、憲法9条1項、2項を堅持した上で、新たに3項を設け、医療支援や住宅再建を行う「国際救援隊」の創設を提案しています。軍隊を後方支援する「兵たん」ではなく、内戦で逃げ惑う人たちを救う「民たん」ともいうべき活動を行うのです。これこそは、国際赤十字をも超える、目に見える形での日本の貢献です。
民主党の小沢さんとの会談の際、シーファー駐日米大使は、機密情報を野党にも公開すると言明しました。小泉前首相が胸を張っていた「強固な日米同盟」の実情が、今後は公開されていく可能性を示したのです。繰り返しますが、日米関係は日本外交の基本です。であればこそ、真の信頼関係を充実させる上でも野党は冷静に、今回の大使提案を活用していくべきです。
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「ヤッシー」ゲリラ活動開始
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」8月13日号】
先の参院選で、組織も資金もないわれわれに177万人もの方々が投票して下さいました。従来の永田町の論理では、想像できない、解説できない話かと思います。が、今回の選挙では取り分け、新橋や有楽町を行き交うサラリーマンの方々が、昼休みや退社時に15分もの間、立ち止まって話を聞いて下さり、握手を求めながら「新しい日本宣言。」のマニフェストを持ち帰って下さるのが印象的でした。
小泉純一郎前首相は自民党をぶっ壊すと息巻いたが、相変わらず古い体質のままじゃないか、民主党をはじめとする野党も、背後に控える大きな組織の代弁者じゃないかと感じている方々が、政党の中で唯一、あらゆる既得権益とは無縁の新党日本に期待して下さっているのだ、と痛感した選挙戦でした。
“国会の内視鏡”になる、と繰り返し申し上げてきました。「鈍感力」だけは長けているのか、混迷する社会に対する感知能力が欠落した政治家が目立ちます。あるいは逆に、内視鏡のレンズに腫瘍が映り込んでいるにもかかわらず、適切な手術を迅速に行わないどころか、その事実すら明かさない問題先送りの事なかれ主義も永田町では横行しています。
「国民対策」ならぬ「国会対策」という言葉の下で、水面下で手を握り合っていた旧態依然たる参院の実態を、そのまま映し出していきます。もともと私自体メディアム(medium)=媒体として発信し続けてきた存在です。「自ら主張し、行動し、変えていく」スタイル。永田町のしがらみ・なれ合いになじんできた方々からすると、価値紊乱なアンファン・テリブル=恐ろしい子供かもしれませんね。東京の世田谷区と同じ80万人ずつ毎年人口が減少していく、超少子高齢社会の日本は、量の拡大から質の充実へと、あらゆる分野で発想を変え、選択を変え、仕組みを変えていかねば、未来はないのです。
「常識をひっくり返すことにこそ、夢がある」。これは新党日本の結党宣言の一節です。参院定数242議席の中の1議席だから何もできない、ではなく、既得権益とは無縁の1議席だからこそ“勘性”が持ち味な田中康夫の発信力を駆使します。質問主意書や、早くも無駄遣いの伏魔殿と化しつつある独立行政法人の視察をはじめ、行動力と調査力に基づき、“参院ゲリラ”の活動を開始します。
が、それにしても「人心一新」と言いながら、自分だけ居座って、茶坊主な部下を全員替える、いわば末期症状の3代目ワンマン経営者に引導を渡す政治家がひとりとして現れないとは驚き。「首相降ろし」に、今回は全員が“見送りバント”。参院の与野党逆転は逆立ちしたって3年間は変わらないし、総選挙に打って出ても、小泉バブルの数を衆院で維持できる訳もないから、誰も火中のクリを拾わない。
いざ、こういう時だからこそ、オレが代わってやってやると言う人が出てこないのは実にふがいない。派閥機能が崩壊したからって理由も、単なる言い訳。みんな保身に走ってるんだ。それだったら政治家やるなよって言いたいね(苦笑)。とまれ、自分が一番かわいい安倍首相と同じ、自己中心的「ミーイズム」がまん延する奇っ怪永田町の“内視鏡”として、情報公開、説明責任を果たしていきます。
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安倍改憲論に対抗する
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」7月9日号】
参議院選挙に向けて各政党とも年金通帳の導入を主張し始めましたが、2年前、毎月の積み立て実績と、将来の支給金額を明確に印字し、国民と国家が信頼の契約を結ぶ年金通帳を最初に提案したのが新党日本です。
新党日本の年金通帳が他党よりも圧倒的に優れている点は、預けた金額を1カ月単位で印字するのに加えて、毎年度末には現在の給付率1・7倍で計算した国費支給分をプラスして、給付開始後に毎月確実にもらえる金額を印字する点です。
わずか7年前に100年安心と称して現役世代の6割給付を約束したのに早くも5割です。他党の年金通帳や年金カードは年金見込み額なる言葉でお茶を濁しています。これでは、国中にまん延する疑心暗鬼な不安・不信は解消されません。
年金通帳の導入を真っ先に提案したのは、伏魔殿と化している年金の資金運用の闇を白日の下にさらす触媒となるからです。政府は、150兆円存在するといわれる年金積立金が果たしていくら残っているか、明かしていません。人口が増加し続けるというねずみ講的前提で、メ財投ヤにまで「資金運用」してきた含み損が一体、どうなっているのか、その点をも明らかにしてこそ、真の年金制度改革へと踏み出せるのです。
参院選公約の記者会見でも言及しましたが、憲法については、9条の1項と2項は堅持した上で、以下の3項を追加します。地震・津波などの天変地異、内戦や飢餓などに直面する地域での救助活動や医療支援、住宅再建へと駆け付ける、富国強兵とは対極の「国際救援隊」の創設です。
訓練を受けた上で、普段は超高齢社会の国内で消防や救急の業務に従事して、海外でいったん緩急が生じたなら、真っ先に飛んでいく。兵たんの国際協力ではなく、民生的な「民站」を他国、他地域の人々のために行うのです。
国家公務員法の改正も、天下りの“ざる”状態をさらに悪化させる改悪以外の何ものでもありません。誰もが指摘するように、各省庁単位であっせんしていた第2の人生を、政府がセンターを新設し、一元化して天下りを合法化するのですから。のみならず、独立行政法人への「転職」は退職直後に可能。そこから民間へと「再転職」するのは個人の自由で制限なしとした「改正」にこそ大問題が潜んでいます。
国立大学や研究所が独法化して、理事をはじめとする数多くのポストが生まれました。文科省が天下り先を確保したと批判されていた莫大な数のポストは今後、各省庁のキャリア官僚の天下り先となります。工学部や農学部、薬学部、さらには土木や農業や薬学の研究所に、国土交通省や農林水産省、厚生労働省から理事として「転職」し、ほどなくして、ゼネコンや農業団体、製薬会社に「再転職」するのは、何らおとがめなし。
無論、才能を有する人物は、その個人の資産形成のためではなく、社会の向上のために、彼らの知識や技術を活用すべきです。それは、政府がエージェントを設けて行うのではなく、学生の就職と同様に個人で門戸をたたいて「転職」先を探すべきなのです。とまれ、こんな悪法を百年の計だと思い込み、成立に向けて国会の会期をも延長したのが現在の日本の政治状況です。
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本当の100年安心
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」6月11日号】
約5000万件に上る年金記録の不備、林道建設をめぐる官製談合事件、いずれも問題も不透明なお金の使い方が根底にあります。
年金問題は、社会保険庁改革ではなく、年金制度改革でなければなりません。社会保険庁を日本年金機構に名称変更すれば解決する、そんな単純な話ではないのです。新党日本は2年前の総選挙時から「年金通帳」の導入を主張してきました。
現在の「年金手帳」には加入した年月日が記されているのみ。いままで年金保険料をいくら払い込んだのか、年金はいつから、いくらもらえるのか、国民の多くは疑心暗鬼です。銀行の通帳は、いくら預金していくら使った、会社からボーナスが入ったとかが一目で分かるから、お金をためたり、働こうという意欲も起きるわけです。毎月の積立実績と将来の支給金額を明確に印字する「年金通帳」にすべきなのです。
なのに、政府がそうしないのは恐らく、180兆円と言われている年金積立金の残高を、明らかにできないからではないですか? 古くは戦費にも、最近では道路公団にも“資金運用”した積立金が一体、いくら残っているのか、国民に公開するのが大前提です。
人口減少に伴って年金の加入者の数が減る一方で、長生きになった分、年金をもらう人は増え、受け取る期間も長くなっています。政府は現役時代の収入の6割を払いますと言っていたのが、5割になり、受け取る年齢も60歳から65歳と先延ばしになっている。イギリスでは収入に連動して掛け金を月2000円から設定しています。毎月1万4000円近くも払い続ける意欲が若者に生まれるはずもない現在の制度を抜本的に改めるべく、年金通帳を導入して国民と国家が信頼の契約を結べなくては、日本に未来は訪れません。
独立行政法人「緑資源機構」が発注した林道整備のコンサルタント業務をめぐる官製談合事件も不透明なお金の問題が背景にあります。
林野庁の年間予算約4000億円のうち、公共事業費は約3000億円。つまり75%がコンクリートや鉄を山に埋め込んだり、山肌を削って林道を建設する公共事業。残りの25%も大半は職員の人件費。森林整備に用いているのは林野庁予算の10%にも満たないのです。なので、戦後に植林した針葉樹の間伐、下草刈りも、その実施率はわずか30%。それでいて、大規模林道は着々と建設している。本末転倒です。ここでもハコモノ行政の発想なのです。
しかも、間伐そのものも森林組合が随意契約で請け負っています。長野県知事時代に、全国に先駆けて競争入札にしましたが、全国47都道府県の半分以上は今でも不透明な随意契約という現状です。間伐に土木建設業の方々も新規参入すれば、中山間地の雇用を新たに創出できます。
ダムとか、道路は、みんなの目に見えるから批判を浴びてきたけど、実は土地改良や治山事業といった林野行政にも不透明な部分が存在しているんです。いままでは公共事業イコール国土交通省というイメージだったけど、実は農林水産省はメ見えない公共事業ヤをやっている。年金に農林行政。ともに抱える不透明なお金の使い方を改めなくてはいけません。
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本末転倒! 3連発
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」5月14日号】
地球温暖化の防止策として二酸化炭素の排出削減に役立てようと、石油代替エネルギー・エタノールの需要が増えていく「らしい」のです。エタノール燃料の原料は、トウモロコシやサトウキビなどの穀物。
こうした中、BRICsと呼ばれるブラジル・ロシア・インド・中国の急成長国でどんな激変が生まれているか?これまで丹精込めてオレンジやグレープフルーツを作っていたブラジルの農地は、手間も掛からぬ割に価格だけは上昇したサトウキビ畑へ一変。さらに作付け場所を確保するべく、森林を伐採する事態に。
他方で人口が多い中国とロシアでは、経済発展に伴って富裕層が果汁飲料を朝食時に飲むようになり、ブラジルからの出荷量減少で、価格が急騰。その影響で日本でも10%近い値上げ率です。
米国でも、シカゴの穀物取引市場でトウモロコシが急騰。その結果、家畜飼料が値上がりし、牛肉や牛乳などの価格も上昇しています。
石油代替エネルギーの実用化自体は誰もが否定できない話とはいえ、農業が投機的になって伝統的な農の営みが崩壊の危機にひんしている。これって勘違いというか、本末転倒っていう感じがします。まして、日本は総合食料自給率が40%と先進諸国で最下位の深刻な状況なのにね。
有害物質が発生しないよう高温焼却するガス化溶融炉も何か変。日本では、ごみ1トン当たりの建設費用が約5000万円。ところが、同じ日本の会社がカナダや韓国で請け負った金額は、日本の2分の1から3分の1。
人件費や土地代が理由ではないんです。だって同じ装置を造る話ですから。ガス化溶融炉を製造・設置している日本の企業は限られていて、ある意味では「談合」と呼び得る状態になっているからなんですよ。でも、環境という美名の下に、高価格落札がまかり通っている。ゴミ焼却場をめぐる贈収賄が全国各地で後を絶たないのも無縁ではないでしょう。
脱物質主義の21世紀は、環境の領域で新たなビジネスを創出すべきです。それに異論はありません。けれども、それが新たな利権の温床と化してしまっては、ダムやトンネルのハコモノ公共事業と変わりません。
その意味では、弱者軽視の都市計画法も奇っ怪そのものですよ。33条では、災害危険区域、地滑り防止区域、土砂災害特別警戒区域等での開発を都道府県知事は許可してはならないとある。ところが29条では、社会福祉施設や医療施設などの開発は規制外と記しているんだから、現代の姨捨山を合法化しているような話。
以前、広島でミニ開発した場所が大雨でがけ崩れが発生し、死者が出た。その教訓から小渕恵三内閣の時に地元の市町村長判断で規制可能とした。ところが多くの首長は、こうしたがけっぷちの土地を保有している農業や建設の組織支援を受けて当選しています。しがらみが邪魔して、規制に踏み込めないのです。
地方分権の意味をはき違えてはいけません。地域住民の安全、安心のために、開発規制は国の責任で行うべきです。なのに、規制を緩和すべきところと、強化すべきところでアクセルとブレーキの踏み方を、残念ながら日本の政治は間違えているのです。
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安倍ちゃんマジックにご注意
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」4月16日号】
政府、与党が検討している公務員制度改革、本当に「改革」たり得るんでしょうか。看板の文字だけ書き換えて、親方日の丸な「勝ち組」が焼け太りしてしまうだけではないですか。
県知事時代に全国知事会で、国の行財政改革をチェックする特別委員会の委員長を務めました。その際に判明したデータは、まさに官僚の焼け太りを示しています。国家公務員の給与を指数100とすると、なんと独立行政法人の平均は107・4と給与が増しているのです。それだけでなく、独立行政法人化した後も、国から支出される予算は、ほとんど変わっていないのです。むしろ、公益法人などへの支出は増加傾向にあります。
一例を挙げれば、2002年には4・16兆円だった特殊法人向け予算は、「構造改革」が進んだ04年には1・41兆円と一見、激減したように見えます。ところが、看板を書き換えた独立行政法人向け予算は2・69兆円と純増。2つ併せて4・10兆円ですから、差額はわずか0・06兆円=600億円。1時間に66億円もの速度で世界最悪の財政赤字を記録し続けるのがニッポンですから、600億円は、その半日分にも満たない「構造改革」の成果でしかないのです。
無論、昼夜を問わず、国民のために奮励努力している多くの地道で誠実な官僚を、私は知っています。が、今回の新人材バンクは、そうした優秀な人材を日本の社会で活かす機構とは成り得ない。残念ながら、そう感じるのです。
青雲の志を抱いて霞が関の門戸をたたく学生が減少し、外資系と称する金融機関を始め、入社時から高所得に恵まれる企業に就職する傾向が強まっています。希望の品物を買い求めるために、コツコツと働いて貯金する。そうした美徳は、いまや「欲しいモノはすぐに・お支払いは後で」のクレジット社会では絶滅寸前状態なのです。
が、こうしたミーイズムの若者ばかりが“増殖”してしまうのは、ゆゆしき事態です。とするならば、真の公務員改革は以下の方針に基づくべきです。
すなわち、8年連続でサラリーマン所得が減少する中、60歳まで安定した人生を送りたい深層心理の下に公務員を目指す者には、国民所得を少し上回る程度の収入を保証する。他方で、寝食を忘れて社会に奉仕する気概を抱いて官僚を目指す者は、それなりの給与とする代わりに5年ごとの再契約とする。ドラスチックな公務員改革を行わねば、優秀な人材が霞が関から逃げ出す一方です。
なのに、今回の「新人材バンク」は、天下り先のあっせんを一元化する機関、と説明しているのだから、暗礁に乗り上げたホワイトカラー・エグゼンプションと同様に、有権者の反発を買うプレゼンテーションの仕方だよね。そもそも、非才な官僚ならば、国が再就職先をあっせんしなくとも、自主自律で探すべきでしょう。それとも、安倍晋三首相や渡辺喜美行政改革担当相には有権者が溜飲を下げるような、アッと驚くウルトラCの秘策があるのかな。
でも、いまの人材バンクでは、前政権で総務相だった経済学者が特別顧問を務める人材派遣会社に試験的に委託するらしいですからね。「李下に冠を正さず」こそが混迷する政治への信頼回復なのに、う〜む、謎です。
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超えよ!数値マニフェスト
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」3月19日号】
選挙になるとみなさんマニフェスト、マニフェストって言ってるけど、どうして公約じゃいけないのでしょう。公約という言葉だと、いままでほごにしてウソをついてきた負い目を感じるから? あるいは利益誘導型で「ハコモノ」を地元に持ってくるというイメージが強いから? マニフェストと言い直すと、手あかがついていない分、何かすごいように思い込んでるんじゃないですか?
で、統一地方選、参院選と“選挙の年”を迎えて、金科玉条のごとくに語られる「マニフェストって一体、何なの」と、思っています。
マニフェストの多くは、どうしても数値目標の羅列になりがち。役人的な人、経済アナリストのような人なら得意分野でしょう。でも、役人がやってきたことや経済アナリストが言ってきたことが当たってたの? どうも日本は相変わらずお勉強主義、偏差値主義から抜け出てなくて、数字を並べると立派なものだと思っちゃう傾向がある。
こんな施設をいくつ造ります、ここに防犯カメラを付けます、小学校を建て直しますよっていう話になって、形を変えたハコモノ行政になっちゃう恐れがあるんじゃないでしょうかね。いまの制度を前提とした数値目標を超えて、戦後61年で疲弊した制度を根底からどう変えていくのか、それを示してこそ超〜マニフェストです。
長野県知事の時、農村集落や駅前商店街の空き家などを改修して、お年寄りのデイサービスと3歳までの子どもを預かる「宅幼老所」を300カ所創りました。子どもと一緒にお昼を食べて、昼寝することで互いに元気の素をもらうことができる。でも厚生労働省は、施設を新設する場合にしか補助しないんです。これからは造ることで財政を壊すのではなく、治すことで未来を創るべきです。
国は教育基本法を改正しましたが、概念の話で、それで教育がよくなるとは思えません。長野では全国で唯一6年連続で借金を減らす一方、きめ細かい教育を提供するため、全学年で「30人規模学級」とし、教員の採用年齢制限を全面撤廃し、採用に社会人枠を設けました。
新党日本は小さな所帯だけれど、こうした地方での経験に基づいて、ディテールからマクロを変革していく行動力があります。「信じられる日本へ」「おかしいことは、おかしいと言う」と宣言してます。よく国益と言われるけど、実は「国家公務員益」だったり、「国会議員後援会益」になってやしませんか?政治や行政はまず国民益、県民益を考えなくてはいけないと思っているのです。
まず一人の消費者として働くべしというのが私の基本です。普通、商売はよい商品を開発して、よい営業をして、よい接客をして、納得していただいて、お代を後からちょうだいするでしょ。でもいまの政治や行政は、先にお代を受け取りながら、何に使うのかよく分からない。消費税は福祉目的にとか言って、現実は福祉に使われていなかったりする。5・7兆円もの道路特定財源も街路の電線地中化に用いているのは、3%にも満たない。
「現場主義・直接対話」を掲げる新党日本は、「怯まず・屈せず・逃げず」の精神で、「信じられる日本へ」変えます。
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