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質問主意書 : 表題
提出日
答弁書受領日
【保険会社による保険金不払問題の実態解明と抜本的対策に関する質問主意書】
 参議院議員 荒井広幸
平成19年06月04日
平成19年06月12日
【世界経済の中で没落を続ける日本経済と骨太方針二〇〇七素案に関する質問主意書】 
  衆議院議員 滝 実

平成19年06月06日

平成19年06月15日
【ETCシステムにおける新たな利用者負担の解消とORSEの廃止等に関する質問主意書】
 参議院議員 荒井広幸
平成19年05月07日
平成19年05月15日
【国有林資料の保存に関する質問主意書】 衆議院議員 滝 実
平成19年04月24日
平成19年05月11日
【地球温暖化問題等に関する質問主意書】 参議院議員 荒井広幸
平成19年04月19日
平成19年04月27日
【平成十八年度内にデフレから脱却するという公約に関する質問主意書】 
  衆議院議員 滝 実 
平成19年04月17日
平成19年04月27日
【都道府県が発注する公共事業の竣工式の実施等に関する質問主意書】 
  参議院議員 荒井広幸
平成19年04月13日
平成19年04月24日
【スマートインターチェンジの許可基準及び整備手順の明確化等に関する質問主意書 
  参議院議員 荒井広幸

平成19年04月11

平成19年04月20日
【経済モデルによるシミュレーションに関する第三回質問主意書】 衆議院議員 滝 実
平成19年03月23日

平成19年04月03日

【夕張市の財政再建に対する国の対応に関する質問主意書】 衆議院議員 滝 実
平成19年03月20日
平成19年03月30日
【夕張市の財政再建案の作成に関する質問主意書】  衆議院議員 滝 実
平成18年12月07日
平成18年12月15日
【消費者金融利用者及び多重債務者等の実態解明等に関する質問主意書】 
  幹事長 参議院議員 荒井広幸
平成18年09月29日
平成18年10月10日
【耐震強度偽装事件支援策に関する第三回質問主意書】 
  総務会長 衆議院議員 滝 実
平成18年03月10日
平成18年03月22日
【耐震偽装事件公的支援策で再質問主意書】 総務会長 衆議院議員 滝 実
平成18年02月14日
平成18年02月24日
【耐震偽装事件支援策に異議あり】 総務会長 衆議院議員 滝 実
平成18年02月02日
平成18年02月10日

 

保険会社による保険金不払問題の実態解明と抜本的対策に関する質問主意書

 参議院議員 荒井広幸

 平成十七年二月の金融庁による明治安田生命に対する行政処分以来、生命保険、損害保険を問わず、保険会社各社によるいわゆる保険金の不払事案の発覚が後を絶たない。平成十七年十月二十四日の参議院行政監視委員会における私の追及に対して、すべての保険金、給付金の不払事案に係る再検証を要請しており、漏れはないとした答弁は、全くの欺瞞であったことが判明した。ここに至るまで保険金不払の実態を放置した金融庁の責任は極めて大きく、国会軽視という問題以前に、監督官庁である金融庁自身がコンプライアンスを欠いていると言わざるを得ない。この際、金融庁はこれまでの監督の怠慢を反省した上で、「保険金等の不払」の全体像を把握し、その中にどのような「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」があるかを、徹底的に実態解明しなければ、金融行政、保険業界の信頼回復に将来の禍根を残すこととなる。また、今般の保険金不払問題は、国民一般のリスク感性を無視した複雑な保険商品の設計・販売に走る保険業界の体質に根元的な原因がある。適合性の原則を踏まえた行為規制を保険会社に適切に課し、国民一般のリスク感性を踏まえた分かりやすい保険商品の設計・販売を促していかなければ、根本的な解決をみない問題と考える。
 金融庁の怠慢とも呼ぶべき失態により生じた今般の保険金不払問題は、本来、参議院において、財政金融委員会あるいは予算委員会、決算委員会、行政監視委員会などの場を通じて、徹底的に追及されるべき問題と考えるが、残念ながら我が新党日本は委員割当がないことから、本質問主意書をもって、金融庁の姿勢をただすとの観点から、以下質問する。
   
 
【質問主意書】
【政府答弁書の内容】
 
  一 平成十七年二月以降、「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」の実態に関しては、生命保険会社、損害保険会社各社が自主的に点検結果を公表し、また、金融庁も、生命保険会社、損害保険会社各社に対し、保険業法第百二十八条等に基づき、報告徴求を行っているところと承知しているが、その内容等を明らかにする必要がある。以下は、平成十七年の先の委員会質疑を踏まえ、細目にわたり確認を求めるものであり、当時の軽率な答弁に対する反省に立ち、誠意をもって答弁するよう求める。

1 平成十七年二月以降、「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」の実態に関し、金融庁が行った報告徴求について、その徴求日、対象保険会社、報告徴求の内容、報告期限、報告結果(不適切な取扱いの内容、件数、金額)を示されたい。その際、報告徴求の内容及び結果については、報告徴求に当たり点検の対象となる契約の範囲、実施期間、点検方法及び点検結果に対する対応等を明示されたい。また、報告結果が判明していない場合、その理由といつまでに明らかにされるかを示されたい。

2 1で示された報告徴求とは別に、金融庁において、保険会社に対し保険契約の点検要請等を行っている場合には、その内容とその結果について、点検の対象となる契約の範囲、実施期間、点検方法及び点検結果に対する対応等を1と同様に示されたい。また、保険業法第百三十二条及び第百三十三条に基づく行政処分に際し、「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」の実態を把握している場合についても、その内容を同様に示されたい。さらに、金融庁が把握している保険会社各社が自主的に行った点検結果について、報告徴求等により金融庁が直接把握している以上の部分(点検の対象となる契約の範囲、実施期間、点検方法及び点検結果に対する対応等)があれば、その内容を同様に示されたい。

3 1及び2以外により、金融庁が保険金の不払の実態等について、把握している情報があれば、その内容を1及び2に対する答弁と同様に整理して、示されたい。

4 生命保険、損害保険を問わず、保険契約全体を調査対象として、保険契約者等に対する直接確認を担保する形で、保険事故の発生により保険金・給付金の支払を受けることが可能であるにもかかわらず、保険金等が支払われていない「保険金等の不払」事案がないか、そのうち個別の事情を勘案して不適切な取扱いがなされたと判断される「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」事案がないか、改めて報告徴求・検証すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
一の1について
 金融庁が、保険会社の保険金及び給付金(以下「保険金等」という。)の支払状況の実態を把握するために、平成十七年二月以降、保険業法(平成七年法律第百五号)第百二十八条第一項等に基づき報告を求め、公表を行った事案の概要については、次のとおりである。
 (一) 生命保険会社
  (1) すべての生命保険会社に対し、平成十七年七月二十六日に、保険業法第百二十八条第一項等に基づき、同年九月三十日までに、平成十二年度から平成十六年度までの間の保険金等のすべての不払の事案について、保険約款、事業方法書等に照らして、保険金等の不適切な不払(保険契約者等から保険金等の請求を受けた保険会社が、不適切な判断により保険金等を支払っていなかったことをいう。以下同じ。)がなかったかどうかにつき検証結果を報告するよう求めた。この結果、明治安田生命保険相互会社の保険金等の不適切な不払千五十三件及び明治安田生命保険相互会社以外の生命保険会社三十一社の保険金等の不適切な不払四百三十五件が認められ、その旨を平成十七年十月二十八日に公表した。金融庁は、保険金等の不適切な不払等の問題が認められた明治安田生命保険相互会社に対し、平成十七年十月二十八日に、同法第百三十二条第一項及び第百三十三条の規定に基づき、業務改善命令及び業務停止命令を発出した。
  (2) すべての生命保険会社に対し、平成十九年二月一日に、保険業法第百二十八条第一項等に基づき、同年四月十三日までに、平成十三年度から平成十七年度までの間の保険金等の支払漏れ(保険事故が発生し、主たる保険金等の支払は行われているにもかかわらず、保険会社が、臨時費用保険金等の保険金等について、保険契約者等から請求がなかった等のため、支払っていなかったことをいう。以下同じ。)等がなかったかどうかにつき検証結果を報告するよう求めた。生命保険会社が四月十三日時点の進捗状況につき公表を行っており、それによれば、全生命保険会社三十八社のうち三十七社において保険金等の支払漏れ等約四十四万件、保険金等の支払漏れ等の金額約三百五十九億円があるとのことであるが、現在各社は引き続き調査を継続している。
 (二) 損害保険会社
  (1) すべての損害保険会社に対し、平成十七年九月三十日に、保険業法第百二十八条第一項等に基づき、同年十月十四日までに、平成十四年四月一日から平成十七年六月三十日までの間に保険金支払事由が発生した事案について、付随的な保険金の支払漏れ(保険事故が発生し、主たる保険金の支払は行われているにもかかわらず、臨時費用保険金等の付随的な保険金について、保険契約者等から請求がなかったため、本来支払われていなければならないものを支払っていなかったことをいう。以下同じ。)がなかったかどうかにつき調査結果を報告するよう求めた。この結果、自動車保険、火災保険、新種保険、傷害保険等に関し、東京海上日動火災保険株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、株式会社損害保険ジャパン、日本興亜損害保険株式会社、あいおい損害保険株式会社、ニッセイ同和損害保険株式会社、富士火災海上保険株式会社、共栄火災海上保険株式会社、日新火災海上保険株式会社、朝日火災海上保険株式会社、セコム損害保険株式会社、明治安田損害保険株式会社、スミセイ損害保険株式会社、大同火災海上保険株式会社、ソニー損害保険株式会社、セゾン自動車火災保険株式会社、三井ダイレクト損害保険株式会社、そんぽ24損害保険株式会社、エース損害保険株式会社、アクサ損害保険株式会社、ジェイアイ傷害火災保険株式会社、アメリカン・ホーム・アシュアランス・カンパニー、エイアイユーインシュアランスカンパニー、チューリッヒ・インシュアランス・カンパニー、アシキュラチオニ・ゼネラリ・エス・ピー・エイ及びザ・ニュー・インディア・アシュアランス・カンパニー・リミテッドの付随的な保険金の支払漏れ約十八万件、付随的な保険金の支払漏れの金額約八十四億円が認められ、その旨を平成十七年十一月二十五日に公表した。金融庁は、付随的な保険金の支払漏れの問題が認められた二十六社に対し、同日、保険業法第百三十二条第一項等の規定に基づき、業務改善命令を発出した。
 この二十六社は更に調査を行っていたが完了しないため、この二十六社に対し、平成十八年十一月十七日に、保険業法第百二十八条第一項等に基づき、同年十二月八日までに、付随的な保険金の支払漏れに係る調査が最終的に完了する時期等について報告するよう求めた。その報告によれば、平成十九年六月までには最終的な調査が完了するとのことである。また、平成十八年十一月十七日に、それまでに判明した付随的な保険金の支払漏れの件数及び金額については、平成十七年十一月二十五日に公表したものを含め、約三十二万件及び約百八十八億円である旨を公表した。
  (2) すべての損害保険会社に対し、平成十八年七月十四日に、保険業法第百二十八条第一項等に基づき、同年十月三十一日までに、平成十三年七月一日から平成十八年六月三十日までの間の第三分野商品に係る疾病又は介護を支払事由とする保険金のすべての不払の事案について、保険金等の不適切な不払がなかったかどうかにつき検証結果を報告するよう求めた。この結果、全損害保険会社四十八社のうち二十一社において保険金等の不適切な不払五千七百六十件、保険金等の不適切な不払の金額約十六億円が認められ、その旨を平成十九年三月十四日に公表した。金融庁は、第三分野商品に係る保険金等の不適切な不払が認められた二十一社のうち東京海上日動火災保険株式会社、日本興亜損害保険株式会社、あいおい損害保険株式会社、ニッセイ同和損害保険株式会社、富士火災海上保険株式会社、共栄火災海上保険株式会社、日新火災海上保険株式会社、日立キャピタル損害保険株式会社、アメリカン・ホーム・アシュアランス・カンパニー及びエイアイユーインシュアランスカンパニーに、保険業法第百三十二条第一項等の規定に基づき業務改善命令を、東京海上日動火災保険株式会社、日本興亜損害保険株式会社、あいおい損害保険株式会社、富士火災海上保険株式会社、共栄火災海上保険株式会社及び日新火災海上保険株式会社に、同法第百三十二条第一項の規定に基づき業務停止命令を発出し、その旨を平成十九年三月十四日に公表した。

一の2及び3について

 金融庁が現時点において行っている保険会社に対する点検等の要請の概要は次のとおりである。金融庁は、火災保険を取扱う損害保険会社三十社に対し、平成十八年十二月二十日に、火災保険の募集態勢が整備されているかどうか等についての点検を要請し、平成十九年一月三十一日までに点検の対象範囲、方法、完了予定時期について報告するよう要請した。金融庁としては、各社がこの報告に基づいて募集態勢等について点検を行うとともに個々の契約内容を確認し、問題がある場合には適正化を図っていくことと承知しており、今後とも各損害保険会社において進行中の調査の進捗状況等を注視していくこととしている。
 また、一の1についてで述べたもののほか、平成十七年二月以降の保険業法第百三十二条及び第百三十三条に基づく行政処分に際して、金融庁が把握していた保険会社の付随的な保険金の支払漏れ及び保険金等の不適切な不払に関し、公表を行った事案の概要については、次のとおりである。
 (一) 生命保険会社
 明治安田生命保険相互会社の詐欺・錯誤を広く適用した保険金等の不適切な不払等につき平成十七年二月二十五日に公表した。
 (二) 損害保険会社
  (1) 株式会社損害保険ジャパンの付随的な保険金の支払漏れ二万八千六百七件、付随的な保険金の支払漏れの金額約十億五千五百十万円が認められ、その旨を平成十八年五月二十五日に公表した。
  (2) 三井住友海上火災保険株式会社の保険金等の不適切な不払九百二十七件、保険金等の不適切な不払の金額約一億六千六百万円及び付随的な保険金の支払漏れ四万四千四百六十九件、付随的な保険金の支払漏れの金額約二十六億六千五十万円が認められ、その旨を平成十八年六月二十一日に公表した。
 さらに、保険会社の保険金等の支払状況について、御指摘の「報告徴求等」により金融庁が把握した以外の内容としては、保険会社に対する立入検査等が該当すると考えられるが、公にすることにより、検査・監督業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあること等から、お答えすることは差し控えたい。


一の4について
 金融庁では、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認められるときは、保険会社に対し報告を求めることとしており、一の1についてで述べた対応を行ったところであるが、現時点においては、直ちに追加的な対応を取る必要性は認識していない。
 
  二 一の結果等を踏まえ、「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」の発生状況について、統計的に示すべきと考える。例えば、生命保険協会の「生命保険の動向」によれば、個人保険、個人年金保険、団体保険の保険契約件数は、平成十七年度末で一億八千九百十三万件となっているが、これらのうち、「保険金の不払」事案及び「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」事案の件数、割合がどれだけあるかを示すべきではないかと考える。

1 このような形で、生命保険、損害保険を問わず、保険契約全体に対する「保険金の不払」事案及び「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」事案の発生状況を統計的に示すことは可能であるか。可能である場合には、どのような形でいつ示すことが可能となるのか、示されたい。可能でない場合、その理由を示されたい。

2 「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」の発生状況については、個別会社の実態を踏まえた傾向、例えば、「ある会社については、特定の地域、支店、部署で、一定の要因により、不適切な取扱いが頻発している」といった傾向を指摘することができるか。あるいは、「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」は、恒常的、組織的な要因により、遍在しているものか。その傾向を可能な限り具体的に示されたい。
二の1について
 データが揃っていないこともあり、保険契約全体に対する御指摘の事案の発生状況を統計的に示せるか、その可否も含めて今後検討してまいりたい。

二の2について
 一の1について及び一の2についてで述べた行政処分については、いずれも、経営管理態勢、保険金等支払管理態勢等の不備を要因とするものであると認識している。
 
  三 「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」の実態解明に関するこれまでの金融庁及び保険会社各社の取組では、どのような不払の事案に不適切な取扱いがあるのか、その態様、原因を十分に解明するに至っていない。単に保険会社側の対応にとどまらず、保険契約者等からみて、保険金不払を認容する原因が何かを分析した上で、対策を講ずる必要があると考える。

1 金融庁は、「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」について、「付随的な保険金の支払漏れ」、「保険金等の不適切な不払」、「保険金等の不適切な未払」の三類型に分類していると承知しているが、これ以外に「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」と判断される類型はないのか。例えば、金融庁の分類する「保険金等の不適切な不払」については、「請求を受けた保険会社が、不適切な判断により保険金等を支払っていなかったこと」とされているが、保険会社が不適切な判断を保険契約者等に提示・説明したことにより、請求が行われなかった場合など、保険契約者等の請求等の行為がない場合も、「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」と判断される場合があると考えるが、政府の見解を示されたい。

2 「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」があった場合、保険事故の発生により保険金の支払を受けることが可能であるにもかかわらず、保険金が支払われていないのであるから、保険契約者等は、支払を受けることができることを知らない、あるいは、支払を受けることができないと思ったということとなる。「保険金等の支払に関する不適切な取扱い」について、保険契約者等が不払を認容した理由・動機・原因について、どのように分析しているか。また、不適切な取扱いについて、保険契約者等の事情を踏まえた類型化は可能か。可能であれば、その類型を示されたい。

3 保険契約は、保険金支払を目的に締結される契約であることから、そもそも保険契約者が保険金の支払可能性を誤認して契約したような場合には、顧客の知識、経験、契約を締結する目的等に照らして不適当と認められる保険契約が締結されたこととなり、いわゆる適合性の原則に違反するものと考えるが、政府の見解を示されたい。
三の1について
 金融庁は、把握している保険会社の保険金等の支払に関する不適切な取扱いについて、次のように分類している。
 (一) 保険金等の不適切な不払
 (二) 保険金等の支払漏れ
 (三) がん保険等における保険金等の支払に関し、被保険者にがんの告知が行われていない等の理由から、保険会社が、保険金等の支払を留保したものについて、留保の理由が消滅した後も支払っていなかったもの。
 なお、一の2及び3についてで述べた三井住友海上火災保険株式会社に対する行政処分において、保険会社の不適切な説明により、顧客が付随的な保険金の受取を辞退し請求放棄となっている事案については、保険金等の支払漏れとして分類している。また、一の1についてで述べた損害保険会社における第三分野商品に係る保険金等の不適切な不払に係る行政処分において、顧客が保険金の請求を放棄する旨意思表示をしたとして不払としている事案のうち、その経緯等の検証ができないものについては、保険金等の不適切な不払として分類している。

三の2について
 金融庁は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認められたときは、保険会社に報告を求めるほか、保険契約者等から相談・苦情等を通じ事実関係の把握に努め、保険契約者等の事情等を確認している場合もあり、保険会社の監督に活用しているところであるが、保険契約者等の事情等は様々なものであることから、御指摘の類型化は困難である。

三の3について
 保険の引受等に当たっては、顧客の知識、経験及び財産の状況を踏まえた説明が重要であると考えているが、お尋ねのケースが保険業法施行規則(平成八年大蔵省令第五号)第五十三条の七に違反するかについては、個々の事案ごとに判断されるべきものと考える。
 
  四 保険契約は、保険契約者等に対し、リスクに関する感性を要求する金融商品である。すなわち、保険契約が提供する保障(補償)内容と自分の期待する保障(補償)内容との一致点と相違点とを、保険契約者等が自己責任で正確に判断できなければ、本来、購入することのできない金融商品である。しかしながら、現状の保険商品は、消費者ニーズへの対応の名の下、商品設計がいたずらに複雑化されており、それが今般の保険金不払問題の構造的要因となっている。
 保険商品は、国民に対し、安全と安心を提供するものであり、そのセーフティネットに遺漏は許されない。大方の保険商品が適切に販売され、大方の国民が保険商品という安心を入手できるというだけでは足りず、その陰で安心を享受することのできない人たちに対して、目配りをすることによって、初めて成熟した国家と言える。すべての国民が、必要とする安全・安心な保険商品の提供を受けることができるよう保険業法を始めとする関連金融諸法令を抜本的に見直す必要がある。


1 そもそも保険業法第一条の目的規定は、「保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営及び保険募集の公正を確保すること」を直接の目的として定めており、結果として「保険契約者等の保護」、「国民生活の安定」が図られるに過ぎない構造となっている。これでは、保険会社の健全性が保険契約者の保護より優先されてしまい、ましてや保険に入れない人々を救うことはできない。「保険業の公共性にかんがみ」、保険業法の目的規定に「国民が簡易に利用できる保険の提供」と「福祉の増進」を明示すべきである。この点に関し、政府の見解を示されたい。

2 保険契約者等の個々のリスク感性に応じた適切な保険商品を提供するため、保険業法及び保険業法施行規則上、社内規則等の整備に関する義務にとどまっている適合性の原則について、保険契約時及び保険事故発生時に顧客の知識、経験、契約を締結する目的等を踏まえた説明義務を保険会社に課すとともに、国民、消費者一般のリスク感性を踏まえた保障(補償)内容の分かりやすい保険商品の設計・販売を進めるべきである。これらの点に関し、政府の見解を示されたい。

3 保険広告の適正化に関しては、平成十八年二月の「保険会社向けの総合的な監督指針」の改訂にもかかわらず、その後も、厚生労働省が、高額療養費制度についての正確な説明を求めるなど、誤解・不適切な印象を与える広告が氾濫し、問題は全く解消していない。そもそも、保険加入のニーズを必ずしも感じていない者に対して、その必要性をいかに認識させるかという問題は、教育機関、行政、NPO等の中立的な第三者が担うべき金融教育の分野に属する問題であって、保険会社による営利目的の広告によって、意図的にその必要性・ニーズが喚起されるようなことは、決してあってはならないことと考える。保険の必要性を国民に喚起する役割は、中立的機関による金融教育の分野にゆだね、不当に保険加入を勧誘する営利の保険広告を抜本的に規制する必要があると考えるが、この点に関する政府の見解を示されたい。併せて、保険販売チャネルとなる保険募集人、代理店、仲立人あるいは銀行等の金融機関窓口職員についても、同様の観点から、基本的な保険ニーズについて中立的な説明・勧誘が担保されるよう資格・要件の見直し、研修の強化等を図るべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
四の1について
 保険業法第一条の目的規定は、保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営及び保険募集の公正を確保することにより、保険契約者等の保護を図ること等を目的としているため、保険会社の健全性が保険契約者の保護より優先するとの御指摘は当たらないと考えている。また、御指摘の「国民が簡易に利用できる保険商品」については、各社の経営判断によって提供されているものと承知している。

四の2について
 金融庁は、平成十八年二月二十八日に「保険会社向けの総合的な監督指針」(以下「監督指針」という。)を改正し、保険業法施行規則第五十三条の七に規定する措置として、保険契約の重要な事項について理解しやすい説明等を行うため、契約概要等を記載した書面を保険契約者等に交付するための体制を整備していること等を、保険会社を監督するに当たっての留意点として明確化したところである。
 また、平成十九年二月二十二日に監督指針を改正し、同規則第五十三条の七に規定する措置として、顧客のニーズに関して情報を収集し、保険商品が顧客のニーズに合致することを確認する意向確認書面を作成するための体制を整備していること等を、保険会社を監督するに当たっての留意点として明確化したところである。
 さらに、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の施行に伴い、販売・勧誘ルールとしての適合性の原則等が一部の保険商品にも適用されることから、現時点において、新たな規制を導入する必要はないと考える。

四の3について
 金融教育の中で保険の役割を国民に適切に伝えることは重要であると考えており、金融庁としても保険の種類や役割等について記載したパンフレットを作成し、配布するなど、金融教育に取り組んでいる。
 また、保険広告については、保険業法施行規則において、保険契約等に関する事項であってその判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、誤解させるおそれのあることを告げ、又は表示する行為を禁止している。
 保険募集人の教育についても、監督指針において、多様化した保険商品に関する十分な知識の付与及び適切な募集活動のための十分な教育の実施を、保険会社を監督するに当たっての留意点として明確化しているところである。

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世界経済の中で没落を続ける日本経済と骨太方針二〇〇七素案に関する質問主意書

 
衆議院議員 滝  実
 
 世界経済が順調に成長する中で、日本経済がデフレ状態にあったため、世界経済に占める日本のシェアが平成十年の十七%から平成十七年の十.三%にまで急降下し、日本経済の没落が続いていることは、政府も認めるところである。この状況で、参議院選に向けて、与党の事実上の政権公約となると言われている骨太方針二〇〇七素案が発表されたが、これに関連して質問する。

   
 
【質問主意書】
【政府答弁書の内容】
 
 
一 政府はデフレは良くないと考えているのか、それともデフレ脱却はしなくてもよいと考えているのか。
一について
政府としては、「日本経済の進路と戦略」(平成十九年一月二十五日閣議決定。以下「進路と戦略」という。) において述べているとおり、「再びデフレに戻ることのないよう、民間需要主導の持続的な成長と両立する安定的な物価上昇率を定着させる必要がある」と考えている。
 
  二 日本の名目成長率はOECD三〇か国の中で、群を抜いて最低である。今後も最低の水準でよいと考えているのか。 二について
政府としては、「平成十九年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(平成十九年一月二十五日閣議決定)及び進路と戦略に沿って、成長力の強化等に取り組むこととしている。
 
  三 骨太方針素案では、二〇〇八年度予算では、歳出を最大限削減するとある。これは、当然のことながら、経済成長率を最大限下げ、デフレを最大限悪化させ、世界経済における日本のシェアを最大限減らすということを意味する。それとも、そうでないという具体的な試算があるのか。 三について
政府としては、現在の極めて厳しい財政状況等を踏まえれば、経済成長を維持しながら、歳出・歳入一体改革に正面から取り組むことが必要であると考えている。今後の経済財政運営の中期的な方針を示した進路と戦略の対象期間中の経済の展望については、衆議院議員滝実君提出平成十八年度内にデフレから脱却するという公約に関する第二回質問に対する答弁書(平成十九年六月一日内閣衆質一六六第二二五号)においてお答えしたとおりである。
 
  四 政府は二〇〇六年度と二〇〇七年度に定率減税廃止という形で三.三兆円の増税を行った。内閣府の試算では、これが名目GDPを〇.八%押し下げ、債務のGDP比を上げると示されている。OECD三〇か国の中で、群を抜いて最低である日本の名目成長率を更に下げ、財政を悪化させる政策をなぜ行うのか。なお、所得税から住民税への三兆円の税源移譲により所得税は二〇〇六年に減税しているものの、住民税は二〇〇七年で増税になる。住民税の二〇〇七年の増税はGDPにどのように影響すると計算されているのか。 四について
定率減税は、平成十一年に、名目成長率がマイナスとなるなど極めて厳しい経済情勢の中で、景気を下支えするために導入された暫定的な負担軽減措置であり、こうした導入の経緯や、その後の経済状況の改善を踏まえ、縮減・廃止したものである。今回の所得税から個人住民税への税源移譲は、地方分権の一層の推進を図るため、国・地方の三位一体改革の一環として行うものである。これにより、多くの納税義務者は、平成十九年一月から所得税の額が減少し、同年六月から個人住民税所得割の額が増加することとなるが、年間の所得等が一定であるとした場合、税源移譲の前後で所得税の額と個人住民税所得割の額との合計額が基本的に変わらないよう制度設計しているところであり、今回の税源移譲による影響は、家計を含む経済に対して中立であると考えている。
 
  五 「政府戦略大綱二〇〇七年度原案」の実現に向け、政府は成長施策に五〇〇〇億円規模の特別予算を設定する方向で調整に入ったとの報道があった。GDPの僅か〇.一%の予算で、一体どの程度の成長率押し上げ効果を期待できるのかの試算はできているのか。この程度の予算では、増税、歳出削減、政策金利引き上げによるGDP押し下げのほうがはるかに大きいと思われる。歴代の政権では、経済対策に対しては、ことごとくそのGDP押し上げ効果が計算されて、国民に示されている。これは国民の税金を使う者が行わなければならない最低限の義務だと考えるがどうか。 五について
御指摘の「「政府戦略大綱二@O七年度原案」の実現に向け、政府は成長施策に五〇O@億円規模の特別予算を設定する方向で調整に入ったとの報道」が何を指すのかは必ずしも明らかではないが、政府として、「経済成長戦略大綱」(平成十八年七月六日財政・経済一体改革会議決定) の改定に関して、御指摘のように「五〇〇〇億円規模の特別予算を設定する方向で調整に入った」という事実はない。

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【ETCシステムにおける新たな利用者負担の解消とORSEの廃止等に関する質問主意書】
  参議院議員 荒井広幸

 私は新党日本の議員であるが、参議院で一人であるので無所属扱いとなっている。このため、国政一般について幅広く質疑を行うことができる予算委員会、決算委員会には割当がないことから、質問主意書という手法で政府の姿勢を問うものである。
 近年、有料道路自動料金収受システム、すなわちエレクトロニック・トゥール・コレクション・システム(以下「ETCシステム」という。)の利用・普及が目覚ましく拡大している。日本道路公団を始めとする道路関係四公団(以下「公団」という。)の民営化関係法案が成立した平成十六年頃は、ETCシステムの利用率は二十パーセント程度であったが今や三倍以上の六十七・七パーセントとなっており、ETC車載機のセットアップ台数も四百万台程度であったものが、四倍以上の千七百万台となっている。この急激なETCシステムの利用・普及拡大の背景には、公団の民営化の際に、世界一高い高速道路の通行料金の引下げが焦点となり、ETCシステムの利用に限って割引制度が導入された経緯がある。ただし、当初、全国平均で約一割とされていたはずの料金引下げが、なぜETCシステムの利用にのみ限られたのか、私は大いに疑問を持っている。それは、ETCシステムの利用については、高価なETC車載器、クレジットカードの発行に依存した決済システムの構築、財団法人道路システム高度化推進機構(以下「ORSE」という。)という各種手数料徴収を目的とした公益法人の存在など、その必要性を疑う不透明な部分が存在しているからである。それは、既得権益打破を高らかにうたった小泉改革の民営化の下、その陰で産官による新たな既得権益とも呼べる国民負担を強いるシステムが作り上げられてきた証左ではないかと考えている。この疑問を明らかにして、ETCの利用にまつわる不透明な部分を正し、日本の高速道路の料金収受体制を真に透明性のある公正・公平なものにしたいとの観点から、以下質問する。
   
 
【質問主意書】
【政府答弁書の内容】
 
  一 当初、公団民営化の成果として全国平均で約一割としていたはずの料金引下げが、ETCシステムの利用のみに限られた経緯と理由について示されたい。 一について
 高速自動車国道の料金引下げの対象については、「道路関係四公団民営化の基本的枠組みについて」(平成十五年十二月二十二日政府・与党申し合わせ)に基づき、国土交通省において、学識経験者や国民一般からの意見を踏まえて検討した結果、ETCシステム(有料道路自動料金収受システムを使用する料金徴収事務の取扱いに関する省令(平成十一年建設省令第三十八号。以下「ETC省令」という。)第一条に規定する「ETCシステム」をいう。以下同じ。)の活用により時間帯割引等の多様な料金割引が可能となることや料金所での渋滞減少等の効果があること等から、これをETC通行車(道路整備特別措置法施行規則(昭和三十一年建設省令第十八号。以下「特措法施行規則」という。)第十三条第二項第三号イに規定する「ETC通行車」をいう。以下同じ。)とすることが妥当であるとの結論を得た。
 その結論を踏まえ日本道路公団は、国土交通大臣に対し料金の変更の認可の申請を行い、平成十六年九月二十四日に国土交通大臣が日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律(平成十六年法律第百一号)による改正前の道路整備特別措置法(昭和三十一年法律第七号)第二条の四の規定による認可を行ったものである。
 
  二 ETC車載器の現在の平均的な単価を明らかにされたい。また、ETC車載器のセットアップ台数は、累積で千七百万台であるが、ETC車載器にかかわったメーカーの売上額の累積額を明らかにされたい。
二、三及び四について
 我が国のETCの車載器の平均的な販売価格は、財団法人道路システム高度化推進機構(以下「ORSE」という。)の調査によれば、平成十九年三月末時点で、約一万三千円であると承知している。お尋ねの「ETC車載器にかかわったメーカーの売上額の累積額」については、承知していない。
 諸外国における道路の自動料金収受システムの概要、車載器一台当たりの利用者の購入額及び通行料金の割引制度については、ORSEの調査によれば、例えばシンガポールにおいては、一定の区域内に進入する自動車について車載器の取付けが義務化され、自動車が当該区域内に進入する際に車載器と路側設備との無線通信により課金しており、車載器一台当たりの価格は、平成十九年一月時点で、約百五十シンガポールドル(これを国際通貨基金の国際財政統計に基づく同月の円シンガポールドル平均レートを使用して円に換算すると、約一万二千円である。)であり、通行料金は一定の区域内の自動車の平均走行速度が高い場合には、料金が引き下げられ無料となる場合もあると承知している。
 イタリアの高速道路を管理する会社であるアウトストラーデの管理している道路においては、料金所において車載器と路側設備との無線通信により距離に応じた料金を課金しており、車載器一台当たりの価格は、平成十九年一月時点では、約五十ユーロ(これを国際通貨基金の国際財政統計に基づく同月の円ユーロ平均レートを使用して円に換算すると、約七千八百円である。)であり、料金割引は実施していないと承知している。
 カナダのトロントにおいては、有料道路において道路管理者が道路利用者に貸与する車載器と路側設備との無線通信により距離に応じた料金を課金しており、車載器一台当たりの一年間の貸与料は、平成十九年一月時点で、約二十カナダドル(これを国際通貨基金の国際財政統計に基づく同月の円カナダドル平均レートを使用して円に換算すると、約二千円である。)であると承知している。また、夜間割引、週末割引等の約五パーセントの料金割引を実施しており、これらは車載器を付けていない自動車についても適用されるが、当該自動車については、一回の走行当たり、小型車で三・五カナダドル、大型車で五十カナダドルの別途料金が加算されると承知している。

 
  三 諸外国における有料道路の通行料金の電子決済の概要を示されたい。また、電子決済に使用する車載器一台当たりの利用者の購入額について日本との比較を示されたい。特に、シンガポールのように日本のETCシステムと同様の制度を採用する国での車載器一台当たりの額を示されたい。    
  四 諸外国において、有料道路の通行料金の割引制度の概要を示されたい。特に、電子決済を採用している場合に、電子決済以外の通行料金に対しても割引制度を導入している事例があれば示されたい。
   
  五 平成十七年十月に公団が完全民営化されたが、その直後に、民営化された各高速道路株式会社はクレジットカードの発行を前提としないETCパーソナルカードを発行している。そもそも、民営化の成果とされる高速道路の料金引下げは、公団の民営化という改革の名の下に行われた「国策」であり、あまねく全国民に行き渡るべきものである。また、道路の通行から得られるサービスの質は、道路の公共性を考えると、国民のだれしもがひとしく受けることができねばならないと考える。
 しかし、ETCシステムの利用の前提として、クレジットカードの発行が必要となるならば、その発行自体が信販会社の審査にゆだねられ、単にETCシステムの利用負担を支払うかどうかだけの問題ではなく、民間会社が設けた非公開の基準により、民営化の成果による通行料金の割引やETCの利用によるサービスを享受できる国民と、そうでない国民を選別するものにつながるものと思われる。なぜ、政府は公団時代からETCパーソナルカードよりも先に、クレジットカード方式によるETCシステムを選択・導入・推進してきたのか、その理由を示されたい。
五について
 ETCシステムの導入に当たって、クレジットカードを用いて料金を徴収する方式は、御指摘のETCパーソナルカードを用いる方式のようにあらかじめ利用者から保証額を利用実績に応じて徴収する方式と比べて、利用者の利便性や導入等に要する経費等の点で合理的であると考えられていたため、ETCパーソナルカードを用いる方式よりもクレジットカードを用いる方式が先行して導入されたものである。

 
  六 ETCを使って高速道路を通行すると、クレジットカードの金融機関の登録口座から利用金額が差し引かれるが、口座の引落し手数料等、金融機関がETCの利用・普及の拡大で得ている収入の年間額を示されたい。また、クレジットカードの年会費など、信販会社等カードの発行事業体が得る収入も示されたい。さらに、手数料等の負担は、すべてカード利用者が負うものであるのか明らかにするとともに、ETCパーソナルカードは会員費で年間千二百円掛かるというが、クレジットカードと比較して利用者の負担が少なくどちらが有利になるか示されたい。 六について
 お尋ねの「金融機関がETCの利用・普及の拡大で得ている収入の年間額」及び「信販会社等カード発行事業体が得る収入」については、承知していない。
 クレジットカードを用いて有料道路の料金を支払う場合、クレジットカードの決済口座のある金融機関及びクレジットカードの発行事業主体は、クレジットカードの利用者に対し直接手数料の負担を求めることは、通常ないものと承知している。また、クレジットカードの年会費等については、クレジットカードの発行事業主体によって異なるものであるため、クレジットカードの利用者が負担するかどうかについては、一概に言えないものと考えている。そのため、クレジットカードと、年会費が千二百円である御指摘のETCパーソナルカードとで、どちらが利用者にとっての負担が少なく有利となるかについては、一概に言えないものと考えている。
 
  七 ETC利用の手数料については、電子決済の手数料のほかにも、セキュリティ面の手数料が掛かる。その手数料を徴収する団体として、ORSEという公益法人が設立されている。平成十一年八月に定められた「有料道路自動料金収受システムを使用する料金徴収事務の取扱いに関する省令」で、ORSEの業務内容として、@情報安全確保規格の提供を代行すること、A対価を得て識別処理情報の付与を行うことが定められている。既に、各高速道路株式会社がETCパーソナルカードを発行しており、ETCシステムの開発、情報管理等については、以後、民営化された各高速道路株式会社で行うことも可能であると考えるが、政府の見解を示されたい。また、JRのスイカや私鉄・バス事業者が採用するパスモは、民間会社が運営している。仮に、ORSEを存続すると言うのであれば、民営化された各高速道路株式会社が、ORSEの業務を行うことが不可能である理由を示されたい。 七及び二十八について
 ORSEが行う情報安全確保規格(ETC省令第四条第一項第一号に規定する「情報安全確保規格」をいう。以下同じ。)の提供の代行及び識別処理情報(同項第二号に規定する「識別処理情報」をいう。以下同じ。)の付与の業務については、これらを確実かつ効率的に実施するとともに複数の有料道路の利用者の利便に資するよう一元的な実施を確保する必要があり、これを各高速道路株式会社がそれぞれ行うこととすると、一元的な実施を図ることが困難となり、結果として複数の有料道路の利用者の利便を害する結果にもつながるため不適切であると考えている。
 したがって、今後もORSEにおいて引き続き当該業務を行うことが適切であると考える。
 
  八 ORSEに事業を行わせることを明記した省令を制定した理由をその経緯とともに明らかにされたい。
八について
 御指摘の省令については、平成十一年八月二日に制定し、ETCシステムに係る情報安全確保規格の提供及び識別処理情報の付与の業務について、確実性及び効率性並びに複数の有料道路の利用者の利便に資するよう一元的な実施を確保する観点から、同令第四条第一項第三号の規定により、情報の安全確保の確実かつ効率的な実施を目的として設立された民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の財団法人に、情報安全確保規格の提供を代行すること及び識別処理情報の付与の業務を一元的に行わせることとしているものである。
 ORSEについては、情報安全確保規格の提供の代行及び識別処理情報の付与の業務を専門的及び一元的に実施すること等を目的として設立された財団法人であって、その目的を適正に遂行する能力を有していると考えていることから、ORSEが同令に規定する財団法人に該当するものと考えている。
 
  九 ORSEは高度なセキュリティ対策が必要だとしているが、ORSEが提供する情報安全確保規格は、いわゆるセキュリティの評価として国際標準規格(ISO一五四〇八)では、どのような評価を獲得しているか示されたい。また、識別処理情報についても同様に示されたい。 九について
 ORSEは、情報安全確保規格の提供の代行及び識別処理情報を付与する業務を行う必要があり、情報の安全確保の観点から、国際標準化機構(ISO/IEC)の定める規格二七〇〇一に基づく情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度の認証を取得している。
 御指摘の「国際標準規格(ISO一五四〇八)」は情報技術に関連した製品及びシステムが情報の安全確保の観点から適切に設計され、それが実装されたかを評価するためのものであり、ETC車載器やETCカード等を製品化するに当たっての評価基準であって、ORSEはそれらの製品化は行っていないため本規格に基づく評価及び認証の取得を行っていない。

 
  十 電子決済の技術は、日進月歩で発展してきている。スイカやパスモは、現金をチャージさえすれば使用可能で、利用者側の負担もデポジット料金五百円を使用開始の際、一回支払うのみで、使用しなくなったときは事業者にカードを返せばデポジット料金は戻ってくるシステムになっている。こうしたものを目の当たりにすると、高価な車載器を買わされ、電子決済の度に別に料金を金融機関から差し引かれ、情報安全管理と言ってはORSEから手数料を差し引かれる現在の有料道路の決済システムは、利用者に過度の負担を強いているものと思わざるを得ない。ETCシステムの利用を、現金をチャージするだけの無記名カードに切り替えれば、公団時代のプリペイドカードのように個人情報や鍵情報など識別情報の管理の必要性から、公益法人までも設立する必要はないと考えるが、政府の見解を示されたい。 十について
 ETCシステムにおいては、自動車の種類に応じて異なる料金を確実に徴収する必要があることから、仮に御指摘の「無記名カード」を用いて料金を徴収する方式にしたとしても、自動車の情報について不正記録防止等の措置を講じた上で、識別処理情報として車載器ごとに付与する必要がある。
 識別処理情報の付与については、複数の有料道路の利用者の利便に資するとともに、情報の安全確保や関連する民間事業者に対する中立性及び公正性の確保等の観点から、公益を目的として設立された財団法人に一元的にこれを行わせることが必要であると考えている。
 
  十一 平成十七年度の事業報告書を見ると、平成十一年度からの鍵情報発行数は千四百七十万件とのことである。その鍵の種類については、車SAM鍵情報やETCカード用鍵情報があるとされるが、それぞれの一件当たりの発行手数料の額について、鍵情報の種類ごとの収入額、さらに全体額を年度ごとに示されたい。
十一について
 ORSEから聞いたところ、車SAM鍵情報(車載器に付与される識別処理情報をいう。以下同じ。)については、その使用料は、平成十一年度から平成十六年度までは一件当たり百五円であり、平成十七年度は九十四・五円であるとのことである。年度別の使用料の収入実績は、平成十一年度が百五十二万八千円、平成十二年度が千四百十二万八千円、平成十三年度が五千六百三十七万三千円、平成十四年度が九千二十七万九千円、平成十五年度が二億八百四十七万八千円、平成十六年度が五億四千九百八十五万三千円、平成十七年度が四億四千百七十三万四千円であるとのことである。
 また、ETCカード用鍵情報(ETCカードに付与される識別処理情報をいう。以下同じ。)については、その使用料は、平成十一年度から平成十六年度までは一件当たり百五円であり、平成十七年度は九十四・五円であるとのことである。年度別の使用料の収入実績は、平成十一年度が七百万六千円、平成十二年度が六千七百十五万六千円、平成十三年度が一億四千二百二十七万二千円、平成十四年度が一億四千五百二十万円、平成十五年度が二億七千五百六万円、平成十六年度が五億七千三百九十四万円、平成十七年度が八億三千六百十五万八千円であるとのことである。
 車SAM鍵情報の使用料とETCカード用鍵情報の使用料の収入実績の合計額は、平成十一年度が八百五十三万四千円、平成十二年度が八千百二十八万四千円、平成十三年度が一億九千八百六十四万五千円、平成十四年度が二億三千五百四十七万九千円、平成十五年度が四億八千三百五十三万八千円、平成十六年度が十一億二千三百七十九万三千円、平成十七年度が十二億七千七百八十九万二千円であるとのことである。
 
  十二 ORSEが、何に基づいて対価の額を決定しているのか示されたい。事業報告書を見ると、手数料収入は予算段階よりも決算段階で多くなっているケースが見受けられる。仮に、実費を勘案して決定しているならば、予想を上回るETCシステムの利用・普及が促進された場合、結果として手数料を高く取り過ぎる結果になると思うが、政府の見解を示されたい。
十二について
 識別処理情報の価格は、その管理及び提供に要する費用を基本として、ETCシステムの普及促進を図る観点も踏まえ、ORSEにおいて決定しているものと承知している。
 
  十三 セットアップ情報の手数料について、現在は「キャンペーン」と称して徴収していないようであるが、これまでの年度ごとの徴収の経緯と、徴収しないことに至った理由を示されたい。
十三について
 ORSEにおいては、セットアップ情報の手数料については一台当たり五百二十五円を徴収していたが、ETCシステムの普及促進のため、平成十六年十月から百五円、同年十一月からは五百二十五円の割引を実施していると承知している。
 
  十四 事業報告書では、有料道路事業者等に対し路測機用の鍵を四百八十三件発行したとあるが、この路測機用の鍵の発行手数料を示されたい。
十四について
 ORSEでは、平成十七年度において有料道路事業者より路側鍵情報(路側設備に付与される識別処理情報をいう。以下同じ。)の使用料として合計で一億八千二百三十七万六千円を徴収しているものと承知している。
 
  十五 スマートインターチェンジの設置について、国土交通省に鍵情報を発行したとしているが、一件当たり得た対価を示されたい。また、平成十六年からの社会実験でORSEに支出されている国費の内訳を示されたい。 十五について
 スマートインターチェンジ(地方公共団体が主体となって発意し、高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第十一条の二第一項の規定に基づき連結許可を受けた同法第十一条第一号の施設で、特措法施行規則第十三条第二項第三号のETC専用施設が設置され、ETC通行車のみが通行可能なインターチェンジ。以下「スマートIC」という。)の社会実験のためにORSEに対し支出した国費は、検討業務の委託費として、平成十六年度については五千四百七十二万六千円、平成十七年度については六千六百四万五千円である。
 スマートICの社会実験を行うに当たり、路側鍵情報の使用料として国土交通省からORSEに対し、国費は支出していない。
 
  十六 そのほかにORSEが徴収している手数料があれば、一件当たりの額、件数、これまでの収入を示されたい。 十六について
 ORSEが、車SAM鍵情報の使用料、ETCカード用鍵情報の使用料、セットアップ情報の手数料及び路側鍵情報の使用料の他に徴収している手数料としては、相互接続性試験料、確認番号付与料及び型式登録料があると聞いている。
 相互接続性試験料については、平成十七年度までで百三十三回徴収しており、一件当たり一日につき十五万七千五百円、収入総額は二千九十四万七千五百円であると聞いている。
 確認番号付与料については、平成十七年度までで百機種分徴収しており、一機種当たり一万五百円、収入総額は百五万円であると聞いている。
 型式登録料については、平成十七年度までで百七十九回徴収しており、一件当たり三万千五百円、収入総額は五百六十三万八千五百円であると聞いている。
 
  十七 ORSEは、セットアップ事業者と契約を結ぶ際に、その登録店数に応じて保証金を取っているが、その内容や使途を示すとともに、保証金の根拠についても明らかにされたい。また、セットアップ事業者に対し、契約更新料、年間契約費など別途徴収しているものがあれば示されたい。さらに、この保証金収入は収支計算書にどのように反映されているか示されたい。 十七について
 御指摘の保証金は、ORSEがセットアップ事業者との間の契約に基づき、貸与した機器が破損した場合の損害金等の債務の担保としてORSEが預るものであり、セットアップ事業者の店舗の数に応じて金額を定めているものと承知している。
 保証金収入については、収支計算書の「受入保証金収入」として計上し、ORSEがセットアップ事業者に事業年度内に返却したもの以外については「受入保証金引当預金支出」として計上している。
 このほか、セットアップ事業者に対し、セットアップ事業を実施するに当たって必要な業務用書類一式やセットアップの業務を実施する店舗の登録に係る手続費用、ORSEと通信回線で接続を希望する場合の貸与機器使用料等の負担を求めていると聞いている。
 
  十八 ORSEの平成十七年度決算書を見ると、収入の予算額と決算額の増減が激しい。@鍵使用料収入の予算額は約八億二千万円であるが、決算額は約十四億七千万円と約六億五千万円増えている。Aセットアップ収入の予算額は約十億二千万円であるが、決算額は約四億五千万円と約五億七千万円減っている。B受託収入の予算額は約五億八千万円であったが、決算額は約十三億九千万円と約八億一千万円も増えている。CETCリース等支援事業収入の予算額は四十七億五千万円であったが、決算額は約四十二億二千万円と約五億二千万円減っている。このように収入項目ごとに予算額と決算額が半分以上も上下するような年間の財務見通しを立てる団体が、健全な財政運営を行い得る団体であるのか、政府の見解を示されたい。 十八について
 平成十七年度については、ETCシステムの各種普及促進策の実施等により、ETCシステムが急速に普及したこと等により、個々の予算科目について予算と決算との間に乖離が生じたものであると承知しており、当該年度のORSEの全体の収支をみれば、健全な財政運営を行っていると考えている。
 
  十九 ORSEの調査研究事業の内容について発注者と発注内容の内訳を示されたい。特に、ETCの社会実験関係が多いのではないかと推測するが、仮に発注者が国である場合、競争入札によるものか、随意契約によるものか、その内訳とともに示されたい。 十九について
 国土交通省、高速道路株式会社、コンサルタント、車載器メーカー等が、ETCシステムの普及促進やシステムの高度化、高速道路料金割引の効果の調査、スマートTCの社会実験に係る調査、セットアップデータの取りまとめの業務等をORSEに発注しているものと承知している。国土交通省が平成十八年度にORSEに発注した業務としては、ETCシステムの高度化業務及びセットアップデータの取りまとめ業務がそれぞれ一件あり、いずれも随意契約であった。
 
  二十 ORSEの徴収する各種手数料については、事業計画書、事業報告書には掲載されていない。対価を取ると省令で定めた公益事業において、その対価は情報開示資料として詳細に公表すべきではないかと考えるが、公表に至っていない理由を示されたい。 二十について
 ORSEについては、「公益法人の設立許可及び指導監督基準」(平成八年九月二十日閣議決定。以下「指導監督基準」という。)及び「インターネットによる公益法人のディスクロージャーについて」(平成十三年八月二十八日公益法人等の指導監督等に関する関係閣僚会議幹事会申し合わせ)に基づき、適切に情報開示をしているところであるが、個別の手数料については、これらにおいて情報公開の対象になっていないため公表していないと承知している。
 
  二十一 諸外国において、ORSEのような公益法人を設立し、ETCシステムのような自動料金収受システムの利用にかかわる鍵情報、車載器のセットアップ情報、路測機用の鍵等について、対価を徴収している事例があれば示されたい。また、諸外国においてはどのような事業体が利用者に識別処理情報等を付与しているのか示されたい。
二十一について
 諸外国において、識別処理情報を付与している事業体の事例については、把握していない。
 
  二十二 ORSEの総資産ついては平成十五年度末には四十五億円であったものが、平成十七年度末には七十一億円と急激に拡大している。剰余金に当たる正味財産も二十五億円から三十三億円と確実に増えている。既にこの法人の事業は公益事業の枠を超えて、営利事業と性質を異にしないものに成り変っていると考えるが、政府の見解を示されたい。 二十二及び二十三について
 ORSEは、寄附行為の定めるところにより、ETCシステムに関する情報安全確保規格に関する業務、ETCシステムに関する識別処理情報の付与に関する業務並びにETCシステムの技術の高度化に関する調査研究及び開発に関する業務等を適切に行っており、資産額や正味財産の増加はETCシステムの普及に伴う事業規模拡大とそれに必要な投資等によるものであり妥当なものであると考えている。

 
  二十三 このように築かれたORSEの財産は、利用者の不要な負担の上に築かれたものであり、利用者還元すべきものと考えるが、政府の見解を示されたい。    
  二十四 ORSEは公益法人であるにもかかわらず、その役員には、直接利害関係の係る民間企業出身者(OB)及び在職中の者がいるが、その理由を示されたい。 二十四及び二十五について
 ORSEの役員の選任については、寄附行為第十七条第一項等の規定により、評議員会において適切に行われているものと承知しており、また、国土交通省としても指導監督基準に基づき適正に役員の選任が行われるよう指導監督を行っているところである。
 また、各省庁出身者の役員の人数は、平成十一年度から平成十八年度までについては、ほぼ同数で推移している。
 ORSEの役員給与規程については、役員の役職ごとに給与の額が定まっていることから、指導監督基準に基づき公益法人が一般の閲覧に供することとされている役員名簿と照合することにより、その給与を得る個人を識別し得ることとなるが、もとより公益法人の個人別の役員報酬額は個人に関する情報であるため、答弁は差し控えたい。
 
  二十五 ORSEの十七名の役員の内訳を見ると、常勤役員五名のうち公務員出身者は三名(国土交通省出身二名、警察庁出身一名)、非常勤役員十二名のうち公務員出身者は三名(経済産業省(旧通商産業省含む)出身二名、国土交通省出身一名)の合計六名である。これらの者の役員報酬規定について示されたい。また、各省庁からの役員採用の人数は実績として固定化されたものとなっているか明らかにされたい。    
  二十六 ORSEの非常勤役員に、財団法人道路新産業開発機構の役員がいる。同財団は、ORSEの設立支援をした団体である。同財団の役員名簿を見ると、三名の常勤役員は全員が国土交通省(旧建設省)出身で占められており、非常勤役員も含めた二十名の役員のうち半数が国土交通省(旧建設省)出身となっている。また、同財団の賛助会員を見ると、金融、マスコミ、電気産業、自動車産業、建設産業、電気・ガスなど大企業の名が並んでいるが、会員費を徴収しており、その収入だけで二億円以上に上る。
 賛助会員の特典の一つに「国土交通省道路事業予算説明会」とあり、その内容は「道路関係予算概算要求額の決定後、賛助会員を対象に、国土交通省担当者による予算説明会を実施(毎年九月下旬開催)。道路関係予算の政府案決定後、予算概要を提供。」とある。これは、特典という会費支払のインセンティブを形成する公益法人の広告まがいの行為に、政府が積極的に関与していることを示すものではないかと考える。こうした事務費用の負担者及び負担額を明らかにするとともに、どのような根拠で行われているのか、政府の見解を示されたい。
二十六について
 財団法人道路新産業開発機構が主催する「国土交通省道路事業予算説明会」は、同法人の寄附行為第四条第五号の事業の一環として行っており、その事務費用については同法人が負担しているところであり、平成十八年度の実績としては約三十二万円であると承知している。
 同説明会において国土交通省の担当者が説明を行ったことについては、同法人からの依頼に基づき、道路に関する事業や施策についての広報の一環として実施したものである。
 
  二十七 公益法人改革において、平成十八年にいわゆる「公益法人改革三法案」が成立し、平成二十年中に施行となるが、同法において、公益法人の公益性の判断を統一的かつ明確な基準の下、民間の有識者の意見に基づき行政庁が認定するとある。ORSEや財団法人道路新産業開発機構のように、そもそも有力OBが天下りをしていること自体が認定の判断を左右することはないのか、政府の見解を示されたい。また、仮にそうした団体が一般財団法人に移行するとしても、受託事業等をこれまでどおり発注し、天下りを続ければ、不透明な関係は続くのではないか。そうした部分を断ち切らずに改革と呼べるのか、政府の見解を示されたい。 二十七について
 公益法人制度改革の趣旨は、従来の民法に基づく主務官庁制による包括的な指導監督を廃止し、国にあっては内閣総理大臣が法人の公益性を統一的に認定することとし、また、当該認定は、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号)第五条各号において定められた明確な基準に従い、有識者からなる合議制の機関の意見に基づいてなされることとしたものである。このように主務官庁制を廃止した改革の趣旨から、法人が各府省から人員を受け入れていることで、当該法人に対する公益認定の判断が左右されることはない。
 政府調達に関しては、昨年二月に「公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議」が設置され、公益法人等との随意契約についても、各府省において一般競争入札等の方式に改めていくなどの見直しを進めているところである。
 また、公益法人への国家公務員の再就職に関しては、第百六十六回国会に提出した「国家公務員法等の一部を改正する法律案」においては、各府省等職員が職員又は職員であった者について、営利企業及び非営利法人に対し再就職のあっせんを行うことを禁止し、官民人材交流センター(以下「センター」という。)に一元化することとしている。センターにおいては、@各府省等の人事の一環としての再就職あっせんから、センターによる再就職支援に重点を移していく、A各府省等の人事当局と企業等の直接交渉は禁止し、センター職員は出身府省職員の再就職あっせんを行わないこととする、等を原則としている。併せて、再就職後の働きかけに刑事罰を課す厳格な行為規制と外部監視機関(再就職等監視委員会)による厳格な監視体制をとることとしている。
 これらの措置により、国家公務員の再就職及び国と公益法人の関係の透明性が確保されるものと考えている。

 
  二十八 これまで見てきたように、ETCシステムの利用・普及の拡大の陰で、多くの既得権益が形成されてきており、その既得権益を維持するための様々な手数料とそのための理由を意図的に作り上げ、ETC利用者の負担で支えている構造となっていると私は思う。割引を行う陰で新たな手数料を払い、そうした機会費用を含めると今までどおり世界一高い料金を払い続けるという「道路関係四公団の民営化」の真の姿が見て取れると思われ、高速道路の料金徴収期間が四十年以上も続くこととなる。既にETCパーソナルカードも導入されており、民営化による企業経営の自由度を増すためにも、各高速道路株式会社にORSEの業務を即時に移管すべきではないか、そして、財団法人道路新産業開発機構という天下り公益法人の支援により設立され、不要な手数料の温床となっている、正に「天下りの、天下りによる、天下りのための」機関である公益法人ORSEを即刻廃止すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。    
  二十九 今後の行政改革、特に公益法人改革においては、こうした考えに基づいて公的な観点から対価を徴収するものについては、真に公平・公正な負担関係を構築できるよう、ETCシステムで指摘したように利用者である国民の負担による収入を目当てとした既得権益構造が生じないよう、その制度の在り方に常に注意を払い、負担額、支払方法及びその根拠について、常に明示する体制を構築すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
二十九について
 公益法人に対しては、指導監督基準において、対価を伴う公益事業については、対価の引下げ等により収入、支出の均衡を図り、当該法人の健全な運営に必要な額以上の利益を生じないようにすること等とするとともに、業務及び財務等に関する資料を主たる事務所に備えて置き、原則として、一般の閲覧に供することとしている。御指摘のORSEについても、所管の国土交通省において、指導監督基準に基づいて適切な指導監督に努めているところである。
 今後とも、公益法人の適正な運営の確保のため、適切に情報開示が行われるよう努めてまいりたい。


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【国有林資料の保存に関する質問主意書】

 衆議院議員 滝  実 

 私は新党日本の議員であるが、衆議院で一人であるので無所属扱いとなっている。このため、予算委員会、決算行政監視委員会に議席を占めることができず、たった一つの常任委員会に所属するだけである。よって、質問主意書の形式で政府の姿勢を問うものである。
森林国日本は、国土面積の三分の二を森林が占め、そのうち三〇%、すなわち国土の二〇%が国有林である。したがって林業不況のなかで国有林の管理をどうしていくのかは日本の大問題である。このため林野庁も国有林の運営管理の改革を進めてきたが、経済効率至上主義の改革を進めたことにより、林野庁の組織を統合縮小し、その結果、出先機関に保管されてきた国有林に関する歴史的資料が散逸する危機にあると言われている。
国有林は、旧藩時代の林野を編入したもの、地元民の入会地を編入したもの、地租創設に伴い編入したものなどさまざまな経緯で編入してきたので、林野庁は森林に関するもの以外にもさまざまな資料を引き継いでいる。そこで資料の保存と公開に関して質問する。
   
 
【質問主意書】
【政府答弁書の内容】
 
  一 旧営林局・営林署に保管されている国有林資料については研究機関により断片的に調査利用がされているが、国が網羅的に保存のための調査をすべきではないか。

二 旧営林局・営林署に保管されている資料は林野に関するものだけでなく、多方面に及ぶものがあると言われている。したがって、国内の大学・研究機関に呼びかけて公募による調査団を組織して行う必要があるのではないか。

三 資料のなかには当然、土地の境界に関するものがあるので、この扱いかたについて調査する必要があるのではないか。

一及び三について
 森林管理局、森林管理署等において保管している資料については、その現状の把握を行いつつ、引き続き適切な保存を図ってまいりたい。具体的には、国有林野の境界に関する資料等の国有林野事業にとって必要のある資料については、森林管理局、森林管理署等において、行政文書として引き続き適切な保管を行うとともに、その他の資料についても、独立行政法人国立公文書館への移管を含め適切に保存してまいる考えである。
二について
 森林管理局、森林管理署等において保管している資料について、その現状を把握するに当たっては、必要に応じて専門家の協力を求めつつ、進めていくこととしている。
 なお、森林管理局、森林管理署等において保管している資料については、従来から、研究機関等による調査、閲覧等に供しているところである。

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【地球温暖化問題等に関する質問主意書】
 参議院議員 荒井広幸

  地球温暖化について、本年二月のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第一作業部会評価報告書は、温暖化が間違いなく起こっていることを明らかにするとともに、人為起源の温室効果ガスの増加が温暖化の原因であるとほぼ断定している。また、二十一世紀末には、平均気温が最大で六・四度C上昇し、台風やハリケーンなどの強大化や海水面の上昇、集中豪雨、熱波の増加などを予測している。このように、地球温暖化は、今や人の健康、食糧、水資源、居住地、生態系など、あらゆる分野に関する脅威であり、「気候安全保障」の問題だけでなく、「人間の安全保障」そのものであるとして対処されるべき緊喫の課題である。
 地球温暖化への取組は国際社会共通の重要課題であり、来年の二〇〇八年は、京都議定書の第一約束期間が始まる年であるとともに、日本で開催されるG8サミットにおいて、米国、中国、インドを含む主な国々が参加している気候変動対話(いわゆるG20対話)の成果が報告されることになっている。したがって、本年は、これらの準備を行う極めて重要な年である。このため、政府は、国内外挙げて取り組むべき環境政策の方向を明示し、今後の世界の枠組みづくりへ我が国として貢献する上での大きな指針となる「二十一世紀環境立国戦略」を六月までに策定することなどを推進している。
 こうした状況を踏まえ、これまでの政府にない環境政策への安倍内閣総理大臣の姿勢を評価しつつも、以下提案を含めた質問をする。
   
 
【質問主意書】
【政府答弁書の内容】
 
  一 政府は、地球温暖化問題は、「人間の安全保障」であり、人類の生存基盤そのものに係る基本的重要課題との切実な認識を持っているか明らかにされたい。 一について
 政府としては、平成十七年四月二十八日に閣議決定した「京都議定書目標達成計画」にあるとおり、地球温暖化問題は自然の生態系及び人類に深刻な影響を及ぼすものであり、人類の生存基盤にかかわる最も重要な問題であると認識している。
 
  二 京都議定書における温室効果ガス排出の削減義務がない途上国、特に成長著しいアジア諸国では、エネルギー効率の悪さが温暖化の元凶である二酸化炭素の急増に拍車をかけており、その対策として、世界一とされる我が国の省エネ技術への期待が大きい。こうした観点を踏まえ、地球温暖化問題への戦略の一つとして、地球温暖化対策関連ODAの充実強化が是非必要であると考えるが、政府の見解を示されたい。 二及び三について
 政府としては、地球温暖化問題の重要性にかんがみ、再生可能エネルギー、省エネルギーの普及等による温室効果ガスの抑制・削減や気候変動による悪影響への適応等の開発途上国における地球温暖化対策を、我が国の有する優れた技術や知見を活用しつつ、政府開発援助を通じて積極的に支援していく所存である。
 
  三 地球温暖化問題を始めとする地球規模問題への取組は、「政府開発援助に関する中期政策」の中の四つの重点課題として位置付けられてはいるが、この際、京都議定書の約束期間である二〇〇八年から二〇一二年の五年間を集中期間と位置付け、ODAを地球温暖化対策に傾斜配分すべきではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。    
  四 世界の中の日本の役割の量と質に応じて、現在の途上国の在外大使館の充実強化が必要である。そこで、現在の在外大使館の各国別員数と派遣(出向)員の省庁別内訳を示されたい。また、世界に対する日本の役割、特に地球温暖化対策を考慮しても、在外大使館における環境省等からの派遣員増やその構成を見直す必要があるのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。 四について
 各府省庁から我が国の在外公館に派遣されるいわゆるアタッシェについては、基本的に各府省庁の要望を尊重しつつ、外務省において、その必要性、派遣先の在外公館における人員配置などを総合的に勘案した上で受け入れてきている。外務省としては、その時代の重要な外交課題に応じて在外公館における要員の適正配置を行うことは重要であると考えており、アタッシェの配置についても、時代のニーズに適合したものか否かを中心に見直しを行い、適正な配置を進めていきたいと考えている。
 各国に所在する我が国の大使館ごとの本年四月一日現在の定員数及びアタッシェの府省庁別定員数は次のとおりである。
 インド 定員三十三人、警察庁一人、総務省一人、財務省一人、文部科学省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 インドネシア 定員四十七人、警察庁一人、総務省一人、財務省一人、文部科学省一人、厚生労働省二人、農林水産省二人、経済産業省二人、国土交通省二人、防衛省一人
 カンボジア 定員二十人、総務省一人、農林水産省一人
 シンガポール 定員二十八人、総務省一人、財務省一人、厚生労働省一人、経済産業省二人、国土交通省二人、防衛省一人
 スリランカ 定員二十二人、内閣府一人、厚生労働省一人、農林水産省一人
 タイ 定員五十六人、内閣府一人、警察庁一人、総務省一人、法務省一人、財務省二人、文部科学省一人、厚生労働省二人、農林水産省二人、経済産業省一人、国土交通省二人、防衛省一人
 大韓民国 定員五十二人、警察庁一人、総務省一人、法務省一人、財務省一人、文部科学省二人、厚生労働省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省三人、防衛省三人
 中華人民共和国 定員七十九人、内閣府一人、警察庁一人、総務省一人、法務省一人、財務省二人、文部科学省二人、厚生労働省二人、農林水産省二人、経済産業省二人、国土交通省三人、環境省一人、防衛省四人
 ネパール 定員十四人、農林水産省一人、国土交通省一人
 パキスタン 定員二十六人、総務省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、防衛省一人
 バングラデシュ 定員二十二人、農林水産省一人、国土交通省一人
 フィリピン 定員五十三人、警察庁一人、財務省二人、厚生労働省二人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省二人、防衛省一人
 ブルネイ 定員十一人、農林水産省一人、経済産業省一人
 ベトナム 定員二十八人、総務省一人、財務省一人、文部科学省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 マレーシア 定員三十人、警察庁一人、総務省一人、財務省一人、文部科学省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省二人、防衛省一人
 ミャンマー 定員二十三人、総務省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省二人、防衛省一人
 モンゴル 定員十七人、農林水産省一人
 ラオス 定員十六人、総務省一人、農林水産省一人
 オーストラリア 定員二十三人、財務省一人、文部科学省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省二人、防衛省一人
 ニュージーランド 定員十三人、農林水産省一人、国土交通省一人
 パプアニューギニア 定員十七人、農林水産省一人
 フィジー 定員二十一人、農林水産省二人、国土交通省一人
 アメリカ合衆国 定員百人、内閣府一人、警察庁一人、公正取引委員会一人、総務省二人、法務省二人、財務省三人、文部科学省三人、厚生労働省二人、農林水産省三人、経済産業省三人、国土交通省二人、環境省一人、防衛省八人
 カナダ 定員二十四人、総務省一人、財務省一人、文部科学省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 アルゼンチン 定員十五人、財務省一人、農林水産省一人、経済産業省一人
 ウルグアイ 定員八人、農林水産省一人
 コスタリカ 定員九人、経済産業省一人
 コロンビア 定員十三人、農林水産省一人、国土交通省一人
 チリ 定員十三人、内閣府一人、農林水産省一人、経済産業省一人
 ドミニカ共和国 定員十三人、農林水産省一人
 トリニダード・トバゴ 定員十二人、農林水産省一人、経済産業省一人
 パナマ 定員十一人、総務省一人、国土交通省一人
 パラグアイ 定員十人、総務省一人、農林水産省一人
 ブラジル 定員十九人、財務省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省二人、環境省一人
 ベネズエラ 定員十三人、経済産業省一人
 ペルー 定員十九人、総務省一人、農林水産省一人、国土交通省二人
 ボリビア 定員十二人、財務省一人、農林水産省一人
 メキシコ 定員二十一人、財務省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省一人
 イタリア 定員二十八人、警察庁一人、財務省一人、農林水産省三人、経済産業省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 ウクライナ 定員十五人、防衛省一人
 英国 定員六十人、警察庁一人、総務省二人、法務省一人、財務省三人、文部科学省二人、厚生労働省二人、農林水産省一人、経済産業省二人、国土交通省三人、防衛省一人
 オーストリア 定員二十一人、警察庁一人、財務省一人、防衛省一人
 オランダ 定員十九人、法務省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 ギリシャ 定員九人、経済産業省一人
 クロアチア 定員八人、文部科学省一人
 スイス 定員十二人、総務省一人、財務省一人
 スウェーデン 定員十四人、法務省一人、厚生労働省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 スペイン 定員十九人、財務省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省二人
 セルビア 定員十五人、警察庁一人、公正取引委員会一人、法務省一人、防衛省一人
 チェコ 定員十四人、内閣府一人、法務省一人、厚生労働省一人、農林水産省一人
 デンマーク 定員十一人、農林水産省一人、国土交通省一人
 ドイツ 定員四十三人、警察庁一人、総務省一人、公正取引委員会一人、法務省二人、財務省二人、文部科学省二人、厚生労働省二人、農林水産省一人、経済産業省二人、国土交通省二人、防衛省一人
 ノルウェー 定員十四人、経済産業省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 ハンガリー 定員十四人、総務省一人、農林水産省一人、経済産業省一人
 フィンランド 定員十四人、国土交通省一人、防衛省一人
 フランス 定員五十一人、警察庁一人、総務省一人、法務省一人、財務省三人、文部科学省二人、農林水産省一人、経済産業省三人、国土交通省二人、防衛省一人
 ブルガリア 定員十三人、経済産業省一人
 ベルギー 定員十七人、総務省一人、財務省一人、防衛省一人
 ポーランド 定員十七人、農林水産省一人、経済産業省一人、防衛省一人
 ポルトガル 定員十二人、経済産業省一人
 ロシア 定員七十三人、内閣府一人、警察庁一人、総務省一人、財務省一人、文部科学省一人、厚生労働省一人、農林水産省二人、経済産業省一人、国土交通省一人、防衛省四人
 アフガニスタン 定員二十一人、文部科学省一人、防衛省一人
 イスラエル 定員二十四人、警察庁一人、経済産業省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 イラン 定員二十四人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 クウェート 定員十三人、経済産業省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 サウジアラビア 定員二十一人、経済産業省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 シリア 定員十六人、国土交通省一人、防衛省一人
 トルコ 定員十八人、財務省一人、農林水産省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 バーレーン 定員八人、総務省一人
 ヨルダン 定員十六人、総務省一人
 レバノン 定員十三人、財務省一人、経済産業省一人
 アルジェリア 定員十三人、経済産業省一人、国土交通省一人
 エジプト 定員二十七人、財務省一人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省一人、防衛省一人
 エチオピア 定員十四人、総務省一人、農林水産省一人、国土交通省一人
 ガーナ 定員十五人、農林水産省一人
 ケニア 定員十八人、農林水産省一人、経済産業省一人、国土交通省一人、環境省一人
 ザンビア 定員十六人、農林水産省一人、国土交通省一人
 ジンバブエ 定員十四人、総務省一人、農林水産省一人、経済産業省一人
 セネガル 定員十三人、農林水産省一人
 タンザニア 定員十三人 農林水産省一人、経済産業省一人
 チュニジア 定員十三人、農林水産省一人
 ナイジェリア 定員十六人、厚生労働省一人、農林水産省一人、経済産業省一人
 マダガスカル 定員十二人、農林水産省一人
 南アフリカ共和国 定員二十三人、総務省一人、経済産業省一人
 モロッコ 定員十二人、農林水産省一人、経済産業省一人

 なお、右で述べた大使館以外の三十二大使館については、各府省庁からのアタッシェを受け入れていない。
 
  五 国連安全保障理事会は、本年四月の議長国である英国の提案により、四月十七日、気候変動問題をテーマに公開協議を行った。地域紛争や大量破壊兵器拡散などを議題としてきた安保理が気候変動問題を取り上げるのは初めてである。私は、既に本年三月の環境委員会において、地球温暖化問題を人間の安全保障上から安保理での議題にする必要性を説いた。今後、来年の日本で開催されるサミットに向けて、安保理で、本年と同様地球温暖化問題を集中協議するよう働きかけることが、京都議定書を取りまとめた議長国としての責任と考えるが、政府の見解を示されたい。 五について
 地球温暖化問題は人類の生存基盤にかかわる最も重要な問題であり、政府としては、主要国首脳会議や国際連合の場を含む国際社会における議論を促し、これに積極的に参加していく考えである。
 
  六 政府は、一から五をもって、地球温暖化問題を来年日本で開催されるサミットの最重要テーマとして位置付け、地球温暖化対応の具体策を決定付けるようにすべきではないか。その際、我が国のポスト京都議定書の進め方について温室効果ガス排出削減量の数値を含め具体的に示し、世界をリードしていく姿勢が必要と考えるが、政府の見解を示されたい。 六について
 地球温暖化問題は、本年ドイツで開催される主要国首脳会議においても取り上げられることとされており、政府としては、来年の日本における主要国首脳会議の場等で、米国、中国及びインドを含む主要な温室効果ガスの排出国が参加する実効性のある国際的な枠組み作りに向けて主導的な役割を果たしていく考えである。
 国際的な枠組み作りについての具体的な進め方については、今後検討を行っていきたいと考えている。
 
  七 安倍アクションプランとも言うべき「二十一世紀環境立国戦略」については、我が国が地球温暖化問題へのリーダーシップを取ることにより、日本の顔を見せるべく、世界の動きとスケジュールを念頭にタイムリーかつ有効な戦略的行動を行えるよう、地球温暖化問題に特化した世界戦略にしたものにすべきではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。
七について
 「二十一世紀環境立国戦略」では、地球温暖化問題が中心的な課題となるが、3R(廃棄物の発生抑制(Reduce)、再使用(Reuse)、再生利用(Recycle))や生物多様性の保全の問題も含め、環境全般にかかわる中期的かつ戦略的な今後の環境政策の方向性を明示する予定であり、御指摘の地球温暖化問題に特化した世界戦略とする考え方は持っていない。
 
  八 地球温暖化問題と関連して、今月、安倍内閣総理大臣と中国の温家宝首相との間で合意した「環境保護協力の一層の強化に関する共同声明」については、北東アジアのみならず世界規模で見ても大きな前進であり、安倍内閣総理大臣の見識と実行力に敬意を払い、高く評価する。その実効有らしめるために次の四点について提案するので、これに対する政府の見解をそれぞれ示されたい。

 1 環境共同声明における「二〇一三年以降の実効的な枠組みの構築に関する過程に積極的に参加する」との文言は、中国の温室効果ガス排出の削減義務化に向かう第一歩であり、高く評価する。政府は、こうした中国の責任ある姿勢を大切にするためにも、米国やインドの両国にも京都議定書やポスト議定書への責任ある参加をさらに働きかけるべきである。
 2 渤海・黄海区域及び長江流域などの重要水域における水質汚濁防止は喫緊の課題であり、すぐに行動すべきである。産学官共同及び技術と資金をパッケージにして直ちに実行あるのみである。それには、ポストODAの資金と技術支援の新枠組みを早急に決めるべきである。
 3 産学官の共同作業が大事である。産学官による実行委員会を設置するとともに、企業とNGOなど具体的参加による行動計画を作成するべきである。
 4 日中に加え、日中韓で環境対策事業を支援する環境ファンドを創設することにより、地球温暖化対策を始め環境対策事業において、民間の活力を利用し効果的成果をあげるべきである。
八の1について
 我が国としては、二千十三年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みについて、米国、中国及びインドを含む主要な温室効果ガスの排出国が参加する実効性のある枠組みとすることが何よりも重要であるとの認識であり、米国やインドに対しても、こうした国際的な枠組みについての我が国の立場について理解を求めていきたいと考えている。

八の2及び3について
 中国の環境問題は、我が国及び我が国を含む地域にも直接影響を及ぼし得る重要な問題である。本年四月十一日、温家宝中国国務院総理の訪日時に行われた日中首脳会談後に発出された「日中共同プレス発表」において、環境保護分野での協力は、共通の戦略的利益に立脚した互恵関係の基本的な内容として協力の重点分野に位置付けられた。この日中首脳間の共通認識を踏まえ、日中間で具体的にいかなる協力を行っていくかについて、御提案の考え方も踏まえつつ、今後検討していく考えである。

八の4について
 本年一月の日中韓首脳会議において、三か国の環境分野での協力を一層強化していくことに合意したところである。右合意に基づき、三か国間での協力をいかに強化していくかについては、今後検討していく考えである。

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【平成十八年度内にデフレから脱却するという公約に関する質問主意書】
 衆議院議員 滝  実

 平成十八年度内にデフレから脱却するということは、政府・与党の公約であったが、三月十五日に政府が了承した三月の月例経済報告で、「消費者物価は横ばいとなっている」として、脱デフレの公約が果たせなかったことを認めた。このことに関して質問する。
 
   
 
【質問主意書】
【政府答弁書の内容】
 
  一 政府はデフレ脱却に向けてどのような政策を行っているのか具体的に示して頂きたい。その政策のGDP押し上げ効果が何兆円程度か、インフレ率引き上げ効果が何%か、試算結果を国民に示す義務があるのではないか。   一及び二について
 政府としては、「平成十九年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(平成十九年一月二十五日閣
議決定。以下「基本的態度」というじに沿って、「成長力強化に向けた改革を加速・深化させる」こととしており、また、政府及び旧本銀行は、物価安定の下での民間主導の持続的な成長のため、一体となった取組を行うこととしている。これを前提とした経済の姿については、基本的態度において、GDPの実質成長率が二・○パーセント程度【消費者物価指数の変化率が○ ・五パーセント程度になると見通している。
 なお、政府としては、極めて厳しい財政状況等を踏まえれば、経済成長と財政再建の両立に努め、安易な財政出動に頼らない安定的な経済財政運営を行うことが必要であると考えており、また、本年二月二十一日の日本銀行による政策金利の引上げは、中長期的に、物価安定を確保し、持続的な成長を実現していくことに貢献するとの考え方に基づいて行われていると承知している。

 
  二 政府・日銀が歳出を抑制し、短期金利を引き上げていく政策は、デフレ脱却の公約を掲げながら、公約を守ろうとする努力を放棄していることを示しているのではないか。    
  三 日本の国民一人当たりの名目GDPの国際順位は、緊縮財政を行うにつれ下がり、平成十七年度には十四位まで落ちた。これは勤労者の給料が下がるのに、それを止めるための適切な経済対策を行わなかったからではないのか。参考のために図一、二を示すと、デフレ下では、積極財政なら国は豊かになり、緊縮財政なら国は貧しくなることを示している。経済が停滞を続ける日本から資金が逃げ出した結果、経済が好調なヨーロッパに資金が集まり、円安ユーロ高が進み、世界のGDPに占める日本の比率は平成十年の十七%から平成十七年の十.三%まで激減したのではないか。 三及び四について
 平成十年から平成十七年にかけて、
世界の名目GDPに占める日本の比率が低下している主な要因としては、世界経済が順調に成長する中で、日本経済がデフレ状況にあったため、名目成長率が相対的に低かつたことなどが挙げられる。政府としては、これまで、各年度の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」や「構造改革と経済財政の中期展望」等に基づき、適切な経済財政運営に努めてきた。
 
  四 OECDの Economic Outlook No.八〇 によれば、日本のGDPデフレーターは平成九年を除き、平成五年〜平成十八年の間マイナスが続いている。 OECD三〇か国のGDPデフレーターを見ると、デフレになっている国はほとんどなく、デフレになっても直ぐに立ち直っている。結果的に日本では OECD諸国に比べGDPが年平均三%程度低かったからであり、GDPを引き上げるための政策努力が不足していたのではないか。    
  五 OECDの Economic Outlook No.八〇 によれば国・地方の債務残高が日本だけ急増している原因は、名目GDPの低迷にある。他の国も債務残高は増加しているが、GDPも増加しているため、GDP比で見るとあまり変動していない。長期にわたる経済の低迷と財政の悪化は、デフレ脱却のための経済政策を怠ったためであり、厳しい財政状況を踏まえれば経済成長と財政再建の両立に努めるべきであることは明らかである。それを実現するためには、政府の経済財政モデルによる試算にしたがって財政出動をして債務のGDP比を減らすべきではないのか。 五について
  御指摘の「政府の経済財政モデル」等の計量経済モデルによる計算結果は、誤差を伴ヶため、相当の幅をもつて解釈すべきものである。このため、現実の経済政策を行うに当たつては、計量経済モデルによる計算結果を参考としつつも、その時々の経済状況等を十分に踏まえて総合的に判断することが必要である。
 政府としては、現在の極めて厳しい財政状況等を踏まえれば、
経済成長と財政再建の両立に努め、安易な財政出動に頼らない安定的な経済財政運営を行うことが必要であると考えている。

 
  六 経済の低迷は、国民生活に深刻な影響を与えている。経済生活問題が原因の平成十七年の自殺者数は、平成二年の六倍程度にまで増加している。平成七年には六〇万世帯であった生活保護世帯が今や一〇〇万世帯を超えている。財政が厳しいからこそ減税等を行ってGDPを増やして財政健全化の努力をすべきではないか。それにより多数の人命が救われ、膨大な数の生活苦の人たちを救うことができるのではないか。 六について
 五についてで述べた経済財政運営の考え方に基づき、安定した経済成長を続け、経済社会の各層に雇用拡大や所得の増加という形で成長の成果を広く及ぼすことにより、国民が未来に夢や希望を持ち、より安心して生活できるような社会の実現を月指す必要があると考えている。


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【都道府県が発注する公共事業の竣工式の実施等に関する質問主意書】
 参議院議員 荒井広幸


 私は新党日本の議員であるが、参議院で一人であるので無所属扱いとなっている。このため、国政一般について幅広く質疑を行うことができる予算委員会、決算委員会には割当がないことから、質問主意書という手法で政府の姿勢を問うものである。
 都道府県が発注する公共事業に関しては、全国で様々な問題が発生している。例えば、福島県の公共事業をめぐる談合事件では、前知事側が県発注の公共事業における談合に深くかかわり、公判の過程で明らかになったその構造は、前知事側と懇意の人物が仕切役として談合に関与し、ゼネコンは談合による落札価格の数パーセントを仕切役に謝礼として支払い、その金銭が仕切役から前知事側に流れ、知事選や県内の衆院選等の選挙資金として県議会議員、選挙対策本部等に分配されるというものであったと報じられている。さらに、この仕切役は、談合に関与するほか、違法な選挙活動や政治資金パーティー券の購入のあっせん等も行っていたと報じられている。また、本年三月に竣工した同県小野町のこまちダムの入札に関しても、前述の仕切役が談合に関与し、いわゆる天の声を発したことを公判の中で明らかにしたと報じられている。
 こうした公共事業の実態は、全国的に見て決して特異な事例ではなく、むしろ一般的な事例であると言われており、その結果、国民の税金が無駄に使われ、公共事業に対する信頼が失われている。都道府県の発注する公共事業については、一義的には当該自治体自身の問題ではあるものの、国からの補助が行われているものもあることから、政府において都道府県の発注する公共事業等について、実態を把握する必要があるとの考えのもと、以下質問する。

   
 
【質問主意書】
【政府答弁書の内容】
 
  一 都道府県の発注した公共事業の竣工時には、都道府県主催の竣工式や受注企業主催の修祓式が当たり前に行われているのか。また、行われている場合、式典の費用は誰が負担しているのか明らかにされたい。 一、三、四、六及び八について
 お尋ねの事項については、政府として承知しておらず、また、新たに調査することは作業が膨大なものとなることから、お答えすることは困難である。
 
  二 都道府県の発注した公共事業の竣工時には、竣工式や修祓式を行わなければならないのか。それらの必要性の有無について政府の見解を示されたい。また起工式等についても同様に明らかにされたい。 二について
 公共事業の竣工時において行われる竣工式や修祓式は、法令に基づくものではなく、政府として詳細を承知していないので、お答えすることは困難である。また、起工式等についても同様である。
 
  三 都道府県の発注した公共事業において、当該事業の入札に談合の疑いがあること等を理由に、竣工式又は修祓式を自粛した例はあるのか明らかにされたい。    
  四 修祓式に知事が出席し、玉串の奉奠を行うことは、一般的に行われているのか。また、行われている場合、その費用負担者について明らかにされたい。    
  五 受注企業が主催者である修祓式に、発注者である知事が出席し玉串の奉奠を行うことは、受注者と発注者のけじめをなくし、両者の結びつきを強め、ひいては両者の癒着を助長するおそれがあり、取りやめるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。 五について
 都道府県の発注した公共事業において、各都道府県知事の判断により、受注企業が主催者である修祓式に、知事が出席し玉串を奉奠する例もあることは承知しているが、詳細を承知していないので、お答えすることは困難である。
 
  六 竣工式では、知事の氏名を刻した記念碑等の除幕が行われているケースがあるが、当該記念碑等の作成経費の負担の実情を明らかにされたい。    
  七 知事の氏名を刻した記念碑等の建立は、修祓式への知事の出席と同様、受注者と発注者の結びつきを強め、両者の癒着を助長するおそれがあり、やめるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。また、知事の氏名を刻した記念碑等の建立は、選挙運動に該当し、公職選挙法に抵触する可能性があるのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。 七について
 各都道府県知事の判断により、都道府県の発注した公共事業において建立された記念碑等に知事の氏名を刻する例もあることは承知しているが、詳細を承知していないので、お答えすることは困難である。また、都道府県の発注した公共事業において知事の氏名を刻した記念碑等を建立することは、一般的には、選挙