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チームニッポン
新たな日本再生へ

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 2009.07.02

マンゴー知事よ、お主は聖徳太子か

 2009.06.25

住民不在なこの“痴呆痔恥”よ

 2009.06.18

いやはや、自爆テロ的オウンゴールよ

 2009.06.15

虚偽許さぬ公文書管理を

 2009.06.11

嫌われてもお出掛けしちゃう”深意”とは

 2009.06.04

「新しいケインズ・正しいハイエク」こそ

 2009.05.28

「君、国家を死に至らしむるなかれ」

 2009.05.21

言わずもがなの「鳩山由紀夫」

 2009.05.14

「表紙」を差し替えるだけでいいのか

 2009.04.23

フランスの真っ当な叡智に学べ

 2009.04.16

昔の名前で出ている 代物ばかり

 2009.04.13

メディアも有権者も正念場

 2009.04.09

オザワンVS. アソヤンのロールシャッハ現象

 2009.04.02

「脱ダム」はいまだ夜明け前

 2009.03.26

「どなたとでもお話します」

 2009.03.19

共通一次世代のガダルカナル的突入

 2009.03.16

地方にも生息する「渡り」

 2009.03.12

この「胆力」の違いは何なのか

 2009.03.05

天に唾する如き この発言

 2009.02.26

耳を疑うお坊ちゃまのトンデモ歴史認識

 2009.02.19

酔いどれ辞任大臣を嗤う-赤ワインをゴックンしたでしょ!

 2009.02.16

ベーシック・インカム構想

 2009.02.05

ベーシック・インカム構想に着目

 2009.01.29

クロヨン体質の温存そのものだ

 2009.01.22

拍手パチパチな国際貢献を

 2009.01.19

ニッポン主導の海賊対策を

 2009.01.15

ハコモノ行政しか知らない“喪・無能省”

 2009.01.08

労組よ、今こそピンチをチャンスに転じよ

 2008.12.25

校舎の耐震化もできぬ”足長おじさん”よ

 2008.12.22

偽証認知奨励する国籍法改正

 2008.12.18

ハイエクの至言にさらに補足を

 2008.12.11

法務大臣の"とんでも見解"に騙されるな

 2008.12.04

DNA鑑定なき欠陥法案

 2008.11.27

『闇の子供たち』を突き落とすな -国籍法「改正」に疑義有り-

 2008.11.20

民主党よ、もっと老獪になれ

 2008.11.13

「暗黒の時代」とは大言壮語極まれり

 2008.11.10

許すまじ時価会計凍結

 2008.11.06

コロコロお坊ちゃまトリオを結成すべし

 2008.10.30

漫画評論家宰相の脳は沸点に達している

 2008.10.23

黒ダイヤの黒光りを印象付けるのみ

 2008.10.16

「安心実現」とは「安易安直」の誤り

 2008.10.13

ケインズの至言

 2008.10.09

宰相改め“災相”の二枚舌にご用心

 2008.10.02

「青年の主張」も真っ青な この”りきみ”振りよ

 2008.09.25

ローゼン麻生閣下には到底わかるまい

 2008.09.18

農水省の「未必の故意」許すまじ

 2008.09.11

ああ、ラベルを貼り替えるだけの秋祭りよ

 2008.09.04

“マダム回転寿司”の大言壮語を信じるな

 2008.09.01

「福田首相辞任表明会見」を受けて

 2008.08.28

ワンジル選手の言葉を聴け

 2008.08.21

小泉・安倍時代には無かった歴史認識

 2008.08.15

64回目の8月15日を迎えるに当たって

 2008.08.14

コーカサスが突きつける「公正」は何か

 2008.08.07

恐るべし、ヌエの「仕事師内閣」よ

 2008.08.01

福田改造内閣に対する田中康夫代表コメント

 2008.07.31

能天気なイタリアで考えたこと

 2008.07.28

堂々と公共事業Uターンを

 2008.07.24

地方で新たに政官業蜜月が生まれている

 2008.07.17

今こそ万機公論に決すべし

 2008.07.10

所詮、名誉白人として名を連ねるだけか

 2008.07.03

人事と予算は切符切りにあらず

 2008.06.26

長い物に巻かれる意気地の無さよ

 2008.06.19

「公」と「私」の原義を知ってるか

 2008.06.12

「自動車絶望工場」から35年のこの現実

 2008.06.05

おいおい、冗談も休憩休憩にせよ

 2008.05.29

安全地帯に身を置く臆病者たちよ

 2008.05.22

サンダーバードの精神に国境はない

 2008.05.15

「損して得する」公理こそ肝要だ

 2008.05.08

経済のけの字もわきまえぬ島国野郎よ

 2008.05.01

長い物に巻かれても所詮は裏切られるだけ

 2008.04.28

先手必勝の先例を

 2008.04.24

流れる川は壊すな、「直せ」!

 2008.04.17

福田&舛添コンビは何もわかっちゃいない

 2008.04.10

「民主内紛に喝」児戯に等しい“アパルトヘイト原理主義”

 2008.04.03

帝国主義時代の支配者と変わらないよ

 2008.03.31

いまだOS転換できぬ与党

 2008.03.27

そのまんま自民党な全国”痴痔”会

 2008.03.20

「この国のかたち」より「在り方」を問え

 2008.03.13

結果オーライな居直りが横行する

 2008.03.06

通貨の番人は出自より資質を

 2008.03.03

隠ぺい、冤罪、閣僚失格

 2008.02.28

オタッキー大臣以下、春眠暁を覚えず

 2008.02.21

輸入販売元を報じないのはなぜ!?

 2008.02.14

政官業学の権益カルテットにご用心

 2008.02.07

公務員天国に義憤を抱け

 2008.02.04

求められるのは発想の転換

 2008.01.31

労使交渉かと見紛う浅ましき25円の攻防戦よ

 2008.01.24

断つことを決める−それが「決断」

 2008.01.17

福田FY宰相に逆転の発想など無理

 2008.01.10

禁煙化こそ真の欧米化

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 >>>2006年  

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マンゴー知事よ、お主は聖徳太子か

 そりゃ、まあ、「人生色々、選挙色々」ですから、当事者以外は観客を決め込むのも聡明な判断でありましょう。
 とは言え、「国を変えようという大きな目標に対し、知事の権限は微々たるものだった。自分はその限界を超えようという事だ」と総裁「候補」の“意気込み”を大言壮語するマンゴー知事には、「笑っちゃう位に呆れちゃう」と感じた向きも少なくないのでは。
 突如として衆議院議員を辞した後、暫(しば)しの自由人を経て、裕次郎の兄として東京都知事に就任した石原慎太郎氏が、「斯(か)くも面白い仕事は無い」と知事職に関して述懐したのは、本心です。
 脱ダム宣言で利権議会から不信任を突き付けられ、脱記者クラブ宣言で談合マスメディアから目の敵にされ、更には給与削減に留まらず、退職金にも反映される調整額と呼ばれる不透明な手当の廃止で労働貴族な職員組合から、加えて同和予算の全廃で部落解放同盟から猛反発を喰らった僕とて、6年間の変則的在任中、石原氏と同様の感懐を抱き続けました。
 知事の権限は、極めて強大なのです。人事・予算・条例の3権限を行使し得るのですから。人事も予算も法案も、霞ヶ関の官僚体制に操られる宰相や大臣よりも、遙かに劇的な変化を齎(もたら)す事が可能なのです。「う〜む。斯くも知事の権限が強大とは知らなかった」と守旧派県議会のドンが嘆息したのも、今や懐かしい想い出です。
 早い話が、地鶏とマンゴー売りに留まり、財政再建も入札改革も、外郭団体や公共事業の見直しも、更には福祉・医療・教育の充実も、「知事の権限は微々たるものだった」から遅遅として進んでいないにも拘(かかわ)らず、「任期半ばの2年でマニフェストの達成率は8割」と豪語されると、お主は聖徳太子か、と改めて笑っちゃいます。
 閑話休題。ライオンヘアの宰相経験者が都合4回も街頭応援演説を行った横須賀市長選挙で、労働貴族な自治労も支援した旧自治省出身の現職が敗退したのは、官僚政治・役人行政への拒絶感からです。
 青息吐息な与党に留まらず、「西川善文氏の再任を全面支持する」と明後日な会見を行って失笑を買った日本郵政株式会社の労働組合とも友好関係を結ぶ野党も、5割を占めるウルトラ無党派層を掴み切れていない点に危機感を抱くべきなんですけどねぇ。

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住民不在なこの“痴呆痔恥”よ

 250兆円も借金を増加させた「痴世」が、“なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ改革”の実態です。地方自治体と合わせて総計1000兆円に達する日本の借金の、その25%が僅か5年半で増加したのですから。
 にも拘(かかわ)らず、斯(か)くの如き「痴世」を未だ、「構造改革」と信じて疑わぬ御目出度き人々が日本には存在します。その中身を問わず、その名称に騙(だま)されているのです。
「地方分権」「税源移譲」なる4文字熟語も近時、妖怪の如くに徘徊(はいかい)しています。が、冷静に捉えれば、全てを地方分権し、税源移譲したなら、その存在意義を中央政府は喪失するのです。
 のみならず、税源移譲を受けて地方分権を担う首長や議員や職員の心智=メンタリティが未熟であったなら、中央集権が齎(もたら)した財政と環境と地域の破綻・破壊・疲弊は、改善されるどころか更に悪化する可能性大なのです。一例を示します。
 嘗(かつ)て小中学校の図書購入費は補助金でした。優れた司書や教諭、父母の有無で、図書室の蔵書の充実度は左右されるとは言え、当該予算をハコモノ建設や公務員の諸手当へ転用する事は不可能でした。何故なら補助金は、使途限定だからです。
 10年近く前、地方分権・税源移譲の美名の下に、補助金から交付税へと科目変更されました。結果、如何なる事態が発生したか? 全国の自治体が計上する小中学校の図書購入予算は、驚く勿(なか)れ、75%の自治体で補助金時代よりも減少したのです。
 現在でも文部科学省と財務省は、生徒数・学級数・学校数に応じて各自治体毎に、図書購入費分の交付税を算定・交付しています。が、皮肉にも、使途限定の「ガラス張り」な補助金と異なり交付税は、使途自由な「磨(す)りガラス」なのです。結果、地域住民の与り知らぬ「転用」が横行するに至りました。
 であればこそ、外交・防衛等に留まらず、中央政府の指導者は、目指すべき日本の社会の有り様を、明確に提示し、迅速に執行すべきなのです。野放図な権限移譲は、意識の低い首長や議員や職員の跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)を許し、住民不在な“痴呆痔恥(ちほうじち)”を齎すのです。
 然(さ)りとて悩ましいのは、信念と哲学、決断力と指導力を持ち合わせた宰相が絶えて出現せず、中央政府とて五十歩百歩な、痔恥も弁えぬ痴呆な輩で充ち満ちている惨状なのですが。

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いやはや、自爆テロ的オウンゴールよ

 宰相・麻生太郎は今月下旬から7月上旬に衆議院を解散し、総選挙の投票日を7月26日、8月2日の何(いず)れかに設定する、と従前から僕は指摘し続けてきました。
 が、実は、東京都議選とのダブル選挙で投票日を7月12日に設定するべく敢(あ)えて、海賊対処法案、国民年金法改正案、税制改正法案の3法案を今週金曜の19日に衆議院で再可決し、同日に解散を断行するのでは、との“見立て”も一昨日から浮上してきています。
 いやはや、自爆テロ的“オウンゴール”を重ねてきた御仁の思考回路を推し量るのは、至難の業です。その意味では以下の発言も、一国の指導者が持ち合わせるべき最低限の“胆力”すら欠落した御仁の「迷言」に他なりません。
「全部内容を全部見せるのが果たして正しい事でしょうか。個人との間に出された手紙やら文書やらが、安易に外に出される方がおかしい」。
 西川善文氏に替わる日本郵政株式会社の後継社長候補を複数名記した書簡を受け取った、と鳩山邦夫元総務大臣が「事実」を述べた一件です。
 呵々(かか)。私事を連綿と書き綴った訳ではないのです。現段階では政府が株式を100%保有する、詰まりは主権者たる国民が大株主である企業の帰趨(きすう)、即ち公共の利益に関わる事柄なのです。
 斯くも「公私」を理解し得ぬ御仁だから、「郵政事業は国民の財産」と述べた直後に、「政府が100%の株主であろうと、民間会社が決めた話に対して、政府が介入するのは慎重であるべき」と明後日な発言を重ねてしまうのでしょう。
 が、この一件は大きく取り上げた“護送船団”記者クラブの面々は、何故か共同通信社を除いて、以下の驚愕すべき事実を報じていません。
「鳩山が社長人事の認可権限を盾に続投反対を公言し始めた5月以降、小泉は何度も麻生に電話を掛け、激しい口調で続投を求めた。『鳩山が何を言おうと俺は知らない。首相在任中、鳩山を閣内で使わなかったからな。だが、あんたは違う。俺が閣僚に(何度も)起用した。やるべき事は判っている筈(はず)だ』」。
 いやはや、横須賀の任侠も顔負けな“恫喝”振りです。人事権も決裁権も有さぬ小泉純一郎なる御仁が帝王気取りで、宰相・麻生太郎に対する「院政」を敷いているのです。社長交代を切っ掛けに、魑魅魍魎(ちみもうりょう)たるパンドラの箱の中身が明かされたなら、忠臣・竹中平蔵と共に地獄の底に突き落とされる、との強迫観念からでしょうか? 
 が、兎にも角にも不可思議なのは、院政だの傀儡(かいらい)だのと野党第1党に対しては不謹慎な表現を多発する新聞やTVが、与党第1党に於ける明々白々な院政には口を噤(つぐ)むダブルスタンダード振りです。う〜む、奇っ怪ニッポンを刷新せねば、希望の未来は訪れません。

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虚偽許さぬ公文書管理を 【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」6月15日号】

 第1面に「密約、外務官僚が管理」の大見出しの下、「東京新聞」を始めとする複数紙が6月1日付朝刊で報じた“スクープ”に関し、河村建夫官房長官は同日午前の会見で、何とも理解に苦しむ“奇っ怪”答弁を行いました。
 いわく、「核持ち込みに関する密約は存在しないと、これまで政府が何回も申し上げてきた」と。藪中三十二外務事務次官も同日、「そういう密約は存在しない。我々の説明は一貫している」と“歩調”を合わせています。
 しかれど記事は、「1960年の日米安全保障条約改定に際し、核兵器を積んだ米銀の艦船や航空機の日本立ち入りを黙認することで合意した『核持ち込み』に関する密約は、外務事務次官ら外務省の中枢官僚が引き継いで管理し、官僚側の判断で橋本龍太郎氏、小渕恵三氏ら一部の首相、外相だけに伝えていたことが31日分かった。4人の次官経験者が共同通信に明らかにした」と報じています。
 加えて、日本への「核持ち込み」は既に、90年代末に米国で開示された「公文書」でも明々白々。にも拘らず、先輩に当たる4人の事務次官経験者の証言を、後輩が否定し、同盟国の公文書に記された「密約」の存在を、日本政府の官房長官が否定するのです。自由民主党は、同盟国の公文書に記された内容をも「虚偽」だと大言壮語するのでしょうか?オバマ米大統領も核兵器廃絶を提唱し、“歩調”を合わせて突如、麻生太郎首相も核廃絶論者に宗旨替えした今日、「事実」を認めぬ政府の時代錯誤振りに、暗澹たる思いです。
 国の文書の保管・管理の統一ルールを規定する公文書管理法案が、今国会で成立する動きを見せています。長きに亘って民主主義国家を標榜(ひょうぼう)する日本に、公文書に関する明確・的確・正確な既定が存在しなかった「事実」自体、驚天動地です。と同時に、遅蒔きながらも審議される運びとなった法案に於いても、「公文書」の定義付けが曖昧な儘なのです。
 現行の情報公開法の実施状況を勘案するに、官庁印が押されていない代物は単なる行政文書に過ぎぬ、と“裁量行政”で役人が判断し、重要な内容が記された文書やメモに限って、逆に意図的に廃棄されたり不存在を決め込まれたりする恐れが高いのです。警察や検察の取り調べ時の書類、更には裁判所の調書に関する既定も極めて不十分。これでは、冒頭で慨嘆した“奇っ怪”事例の二の舞です。
 山国での知事時代、利権とは無縁の「ガラス張り」行政を掲げたればこそ、既得権益の喪失に反発した守旧派県議会議員が意図的に蠢いた、“苦い想い出”が甦ります。彼らは反田中勢力と連携し、十数人の土木部職員が参加した会議で各自に1部づつ配布されたコピーを、出席者の1人が破棄した「事実」を以て、不透明な「磨りガラス」県政を象徴する公文書毀棄だと喧伝(けんでん)、百条委員会まで設置し、私の管理監督責任を追及したのですから。ガラス張りだったが故に足を掬(すく)われそうになったのです。
 とは言え、「官治から民治へ」と改める上でも、公文書管理は急務。にも拘らず、国立公文書館の充実に投じられる予算は未だ微々たる金額。ハコモノ公共事業の一環として117億円の「アニメの殿堂」を建設する前に行うべき、ワイズ・スペンディング(賢い支出)は数限りなく存在するのです。

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嫌われてもお出掛けしちゃう”深意”とは

 東京都議会議員選挙に於ける公認立候補予定者58人全員の事務所へ、自由民主党総裁として応援に駆け付ける、と大言壮語した宰相・麻生太郎氏は、問題山積の国政そっちのけで日曜日の7日以来3日連続、都内を東奔西走しています。
 その来訪が果たして「効果」を生むのか否か、判断尽き兼ねずに当惑・困惑しているであろう各陣営を尻目に、初日午後には武蔵野市の吉祥寺駅前で早速、「今回の都議会議員選挙を見ても、これがスーパースターという都議が居る訳ではない」とマイナス効果の演説を敢行する始末。
 が、嫌われてもお出掛けしちゃう「深意」を忖度(そんたく)するに、天皇・皇后両陛下がカナダ・ハワイ歴訪へと出発される7月3日に奇(く)しくも告示を迎える都議選直前に衆議院を解散し、総選挙の投票日を8月2日に設定する地位保全的“深謀遠慮”ではありますまいか?
 公明党と共に現在は過半数を確保している都議会の自民党が、その勢力を選挙後も確保し得る保証は有りません。民主党が単独過半数を獲得する確率も低いにせよ、それなりの躍進が見込まれます。
 今週末14日投票の千葉市長選挙とは些(いささ)か異なり、現時点では勝敗の帰趨(きすう)が読み切れない7月5日投票の静岡県知事選挙でも自民党推薦候補が憂き目を見る事態に陥れば、“麻生降ろし”が本格化する可能性大です。同月7日〜10日にイタリアで開催のサミットにお出掛けしている間に、“党内クーデター”が勃発しないとも限りません。
 短期決戦が功を奏した民主党代表選に倣(なら)って、両陛下が帰国される17日迄の1週間で新総裁・新首相を選出し、解散総選挙に突入する。ニャンとしてでも自身の手で解散に打って出たい彼としては、斯(か)くなる筋書きを阻止するべく不退転の決意で、都議選立候補予定者全員の下へと敢(あ)えて“激励”に赴く戦術を採用したのでしょう。
 その選択は皮肉にも、“敵に塩を送る”効果を齎(もたら)すのです。何故って四季折々、旬の食材を味わうのが日本の風物詩。民主党代表・鳩山由紀夫氏よりも後出しジャンケンで新たな自民党総裁が登場したなら、「初鰹」として御祝儀相場で善男善女が買い求めるやも知れぬのですから。
 とは言え、直近の「調査」でも未(いま)だ「政権交代」なる「にっぽんイッシン!」の可能性は五分五分に留まります。稀代の連珠名人・小沢一郎氏が、“かちかち山の狸の泥船”に止(とど)めを刺すべく、如何(いか)なる一手ならぬ数手を最後に打つか、引き続き要注目です。

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「新しいケインズ・正しいハイエク」こそ

 バラマキ「底力発揮」補正予算14.7兆円の、奇(く)しくも半分に当たる7.3兆円は建設国債。失われた10年の財政出動で、従来型ハコモノ公共事業は“快楽一瞬、後悔一生”な麻薬転落物語だと学んだ筈(はず)。「ワイズ・スペンディング」と強弁し続ける自由民主党は最早(もはや)、終わっています。
 実は、内需の落ち込みは2.6%に達し、外需の落ち込み1.4%の倍近い深刻度。「新しいケインズ・正しいハイエク」の理念に基づく民需拡大こそ、内需回復への道。1981年以前の旧耐震基準で建設のマンションは全国に146万戸。阪神・淡路大震災規模の地震が首都圏で発生したなら、倒壊・半壊マンションの復旧費用は1.25兆円にも達します。現在は最大10%に留まる国・自治体の補助率を早急に嵩(かさ)上げし、建替促進すべきです。
 橋梁や隧道の維持修繕を怠ったアメリカでは、落下や崩落の悲劇が相次ぎました。日本全国の橋梁数は15万強、隧道数は1万弱。然(しか)るに当初予算に於(お)ける道路維持管理費は僅(わず)か2500億円。而(しか)も道路清掃・街路樹剪定(せんてい)の人件費を含む金額です。
 今こそ、全ての橋梁・隧道を緊急点検する予算を特出しすべき。同様に、河川の浚渫(しゅんせつ)は1u当たり1万円で施工可能です。知事時代、台風一過の秋口に補正予算を組んで、全ての県管理河川の浚渫を実施。これぞ青息吐息な地元の土木建設業への福音。ダム建設より遙かに確かな安心・安全を地域にも齎(もたら)します。
 なのに、国土交通省を含めて、浚渫予算を特出ししている行政機関は皆無。不要無用なダムや道路を造り続けて財政・環境・地域を壊す公共事業から、治し始めて財政・安全・地域を創る公共事業へと大転換が急務。
 更には自動車・白物家電の在庫一掃セールに他ならぬエコ“羊頭狗肉”ポイントよりも、市場価格3万円・出荷価格1万円台のミニ・ノート・パソコンを1人1台、国民全員に支給し、全国津々浦々に無線LANを構築。自分で考える日本人を育成した方が遙かにワイズ・スペンディング。
 崩壊寸前な腐敗国家権力の“お貸し下げ欺瞞(ぎまん)情報”を垂れ流す、北朝鮮の翼賛メディアと今や五十歩百歩な、長い物に巻かれる「談合」記者クラブ加盟の新聞・TVの、報道ならぬ“呆道”に愛想を尽かす日本の良民常民が、真のメディア・リテラシーを会得する上でも、1人1台パソコン支給こそ、21世紀の「日本改造計画」なのです。

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「君、国家を死に至らしむるなかれ」

 仮令(たとい)、宰相経験者の“豚児(とんじ)”とて、次期総選挙では公認も推薦も罷(まか)り成らぬ、無所属で闘って頂く、と神奈川県連会長にして党本部選挙対策副委員長の菅義偉氏は大言壮語しています。
 正に片腹痛し。件(くだん)の候補者から党籍を剥奪するだの、党支部長の肩書を返上させるだの、更には一般党員が応援するのを禁止するだの、了見の狭い方針を“開かれた”自由民主党が打ち出す筈(はず)も無い、とも巧言令色(こうげんれいしょく)されているのですから。
 今春、東京湾アクアラインで神奈川県と結ばれる千葉県に出現し、失笑・嘲笑を買った「完全無所属」なる羊頭狗肉な“偽呼称”の二番煎じが通用する、と高(たか)を括(くく)っているのでしょうか?
 真理を見抜く良民常民は最早(もはや)存在せず、今や藁(わら)にも縋(すが)る愚民貧民で日出ずる国は満ち溢れているのか否や、我々の「民度」が試されています。
 閑話休題。俺も♂だと豪語する知事の「英断」でETC搭載普通車の通行料金が一律800円に、と喧伝されるアクアライン。然(さ)れど、千葉県が負担する金額は、実質0円なのです。
 想定予算は20億円。その半分は、14.7兆円に及ぶ今回の補正“第4弾ロケット”予算案に盛り込まれた「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」から総務省が。残り10億円は国土交通省が「社会実験」と称して負担。早い話が全額、国民の税金改め国民の借金で補填されるのです。民営化された高速道路会社の自助努力で実現する訳ではないのです。
 而(しか)も、今夏の総選挙を経て次期参議院選挙が実施される2011年迄の2年限定措置。その魂胆は見え透いています。
「財政規律」論者であった筈の与謝野“1人3役”馨大臣は、僕が質問に立った先週21日の予算委員会で、今回の“大盤振る舞い”補正予算の策定過程には、各省庁からの概算要求書も、財務省の査定も一切存在せず、と改めて認めました。
「政治家の仕事は全人格と人生を賭けて、大きな判断をする事。その時々の流れに迎合する事ではない」と著書「堂々たる政治」で喝破し、「耳障りな事を言う。それが私の仕事である」と決意表明した筈の与謝野氏は、「財政破滅」論者へと転向されたのでしょう。
 いやはや、「君、国家を死に至らしむる勿(なか)れ」。麻生太郎・古賀誠・菅義偉(敬称略)「3人組」が密かに画策する6月16日解散・7月14日公示・7月26日投票の総選挙前に日本が消滅しない事を願うや切、です。

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言わずもがなの「鳩山由紀夫」

 民主党の新しい代表には、“3つの責務”が求められているのです。党内融和を図り、挙党態勢を再構築する「党の代表としての顔」。その上で、総選挙で与野党逆転の勝利を収め、「新しい日本の政権を運営する首相としての顔」。それを実現する上でも、野党共闘を組む社会民主党、国民新党、新党日本、更には新党大地との、より緊密な連携を結び得る「野党共闘の要としての顔」。
 その何(いず)れにも相応(ふさわ)しいのは、言わずもがな、鳩山由紀夫氏でした。「駅前シャッター通り」に象徴される、行き過ぎた新自由主義経済からの脱却を求める他の野党との共闘無くして、政権交代は望めません。縦(よ)しんば、総選挙で民主党が単独過半数を得たとしても、参議院では他党との連携無くして過半数を制し得ないのですから。
 加えて、通算4年に亘(わた)って幹事長として、「寄り合い所帯」とも揶揄(やゆ)され勝ちな民主党を纏(まと)め上げてきた経験が、彼を成長させたのです。取り分け、3月上旬から2ヶ月半の経験は、良い意味で彼を鍛えました。大勲位・中曽根康弘翁の言葉を借りれば、柔(やわ)なアイスクリームから芯の有るアイスキャンディへと成長したのです。
それは、自由民主党で国会対策委員長を務める大島理森氏が述懐した言葉からも明らかです。即ち、親・反の2元論を超えて、誰の意見にも先(ま)ずは耳を傾け、その上で悩みながらも判断を下してきた鳩山氏は大きくなった、との。
同時に、選挙担当の筆頭代表代行として小沢一郎氏を、幹事長として岡田克也氏を新たに選任し、菅直人、輿石東の両代表代行と合わせてペンタゴン体制を確立しました。秀逸な人事です。
8年前の知事時代に「『脱・記者クラブ』宣言」を発した僕としては、小沢代表時代に続いて鳩山新代表も、誰でも参加・質問可能な会見システムを継続しているのも痛快そのものです。
「政官財学報」と僕が呼ぶ、御用学者の学界と談合記者クラブの報界を加えた既得権益“同衾(どうきん)”護送船団が、形(なり)振り構わぬ抵抗を続けるのも宜(むべ)なる哉(かな)。価値紊乱(びんらん)者としての政治家・鳩山由紀夫に期待するや大です。

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「表紙」を差し替えるだけでいいのか

“オザワン”と密かに僕が呼ぶ小沢一郎氏は代表辞任会見で、渡部恒三氏に象徴される「選挙対策本部長に一意専心せよ」なる“親身の指導”を虚心坦懐に受け入れ、「新代表の下で挙党態勢を確立し」、「私もその挙党態勢の一員として、新代表を支え、総選挙必勝の為に、最前線で闘い続けたい」と言明しました。 
 詰まりは、反小沢一派を含む民主党の総意を汲んで、選挙の陣頭指揮を執る全権委任を取り付けたのです。民主党というチェスの盤上は一変。最早、“脱党・反党行為”は許されません。
 一変したのは、永田町というチェスの盤上も、です。一度(ひとたび)、総額15兆円の選挙対策バラマキ補正予算が衆議院予算委員会を通過したなら、野党が参議院で如何に跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)しようとも、宰相・麻生太郎は「3分の2」を武器に粛々と消化試合を熟(こな)し、解散権の自由裁量(フリーハンド)を弄(もてあそ)ぶ算段でした。
 が、今回の一手で投票日は、公明党ならぬ自民党TOKYOを窮地に追い込む7月12日のダブル選挙、若(も)しくは追い込まれ選挙のイメージを払拭し切れぬ8月2日以降の選択肢に狭められたのです。加えて、僅(わず)か3割台の数値で糠(ぬか)喜びしていた政権与党は、仮に支持率が急落しようとも、「表紙」を差し替える“後出しジャンケン”を行い得なくなりました。
 にも拘(かかわ)らず、親の心子知らずな民主党の若手KY軍団は、岡田“石部金吉”克也氏こそは、“先出しジャンケン”の「表紙」に相応(ふさわ)しい、とチェスの素人振りを露呈する始末。彼ならば手強(てごわ)い、と政権与党が“ノイズ”を敢(あ)えて発しているのは、元祖企業ぐるみ選挙にして、優良農地転用で郊外型大規模店舗を展開し、“なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ偽装改革”に負けず劣らず、「駅前シャッター通り」を津々浦々に出現させた一族のマイナスイメージ流布作戦を準備しているからに他なりません。
 加えて、健全なる保守の安心感を醸し出す“小沢一郎・鳩山由紀夫コンビ”だったからこそ、日本社会を疲弊・混迷させる自民党に愛想を尽かした健全なる保守層は、民主党支持へと宗旨替えしていたのです。であればこそ、その2%を取り戻せば、行って来いで4%の勝利。新自由主義の香り漂う石部金吉が表紙の民主党を望む、それが老獪(ろうかい)自民党の深意なのです。
 う〜む、願わくは、国民の生活よりも自分の面子(メンツ)が第一な、民主党内の反主流派勢力が、百戦錬磨な老獪自民党の思惑に気付かれん事を。

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フランスの真っ当な叡智に学べ

“食文化の殿堂”を自任するフランス共和国でも、全世界を席捲する「アメリカ型消費社会」には抗し切れず、大規模ショッピングセンターが出現し、ファストフードも幅を利かせています。
 セントラルキッチンで製造・冷凍し、各店舗へと搬送後に解凍・加熱したパンを購入する消費者も急増しました。フランス語でブーランジュリと呼ばれるパン製造業者は、危機感を募らせます。
 パン屋とは、豆腐屋と並んで世界屈指の早起きな、家内制手工業なのです。働き者の我々を見捨てるな、フランスの食文化を守れ、と全国で示威運動を繰り広げました。1990年代半ばの出来事です。而(しか)して1998年5月25日、「パン屋という呼称及びパン屋の標示」と題する第1篇第2章第1節第10款が「フランス消費法典」に書き加えられます。
「自分自身で選んだ原料を元に、生地を捏(こ)ね、発酵並びに型作り、更にはパンを焼き上げる迄の一連の作業を、実際に販売する店舗に併設した空間で確実に行う“真っ当”な職人のみが、ブーランジュリを名乗り、看板を掲げる事が許される」。斯(か)くなる規定です。
 即ち、効率と利益のみを追い求めて、「モダン・タイムス」の歯車の如きセントラルキッチンで製造する業者は、「ブーランジュリなる名称も、パン屋の看板も、或いは、それに類した紛らわしい名称も用いる事が出来ない。縦(よ)しんば、その販売場所で製造された代物とて、一旦冷凍処理保存された製品は、パン屋の名称の下には販売出来ない。違反した者は2年の禁固及び3万7500ユーロ(479万円)の罰金に処す」。
 その法律の存在を知った僕は、驚嘆しました。これぞ究極の“ゼロ予算”事業。「公益法人」とは名ばかりな天下り組織が出来る訳でも、不透明な補助金が動く訳でもなく、僅(わず)か数行の法令の文章が、真っ当に働き・学び・暮らす人々に勇気と希望を与える。これぞ正(まさ)に、言葉に拠(よ)って、人々を励まし、奮い立たせる「政治」のあるべき姿。
 因(ちな)みに先週来、誇らしげに閣僚諸氏が襟元に付ける「緑の羽根」を牛耳る国土緑化推進機構なる天下り組織が、緑化事業に用いる予算は僅か5%。15兆円のバラマキ補正予算を無批判に報じる一方で、大きい政府・小さい政府の不毛な二元論から脱却し得ぬ護送船団「記者クラブ」に巣くう面々も、拳拳服膺(けんけんふくよう)すべきフランスの叡智です。

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昔の名前で出ている 代物ばかり

「片腹痛い」の一言に尽きるではありませんか。過去最大と"上から目線"で豪語する総額15兆4000億円、事業規模56兆8000億円の「追加経済対策」こそ、総選挙を間近に控えて形(なり)振り構わぬ政権与党の"バラマキ政事"に他なりません。農業再生や子供支援を始めとする日本一新を2年間で21兆円を投じて断行、と民主党が宣言した際に浴びせ掛けた罵詈(ばり)雑言を、早くも記憶喪失されたのでありましょうか?
 "上から目線"な放漫経営者の執事役として、良薬は口に苦しと"財政規律"なる4文字熟語を繰り返していた筈(はず)の与謝野馨"1人3役"大臣も、失業率が4.4%と"みぞうゆう"な数値に達したのを「理由」に、財政出動論者へと宗旨替え。「放っておいたら7%を超えてしまう。これには日本社会が耐えられない」と弁明する始末。もしも〜し、貴方方が兄貴分と慕うアメリカ合衆国は既に8.5%にも達しているんですけど。
 列挙された項目は、公共事業の地方負担分の9割を国が肩代わり。730億円を投じて整備新幹線5路線も前倒し建設、と"昔の名前で出ている"代物ばかり。自動車の買換需要。住宅の購入・増改築需要を誘発すべく、清水の舞台から飛び降りる覚悟の政治決断。なあんて自画自賛しているけど、これぞ正(まさ)しく富裕層向けの配慮。"上から目線"の証明に他なりません。
 嗤(わら)ってしまうのは、「子育て応援特別手当」と銘打って、3〜5歳のみを対象に3万6000円の1回ポッキリ"給付金"に留まりません。妊婦健診の公費負担拡充も、今年・来年の2年度に限って実施するのです。早い話が、来年夏の参議院選挙迄に目出度く妊娠した方のみが対象って訳。いやぁ、"単細胞"内閣に相応(ふさわ)しき、実に判り易いポピュリズムですなぁ。
 史上空前の30兆円もの赤字国債を発行する麻生太郎内閣率いる"奇っ怪ニッポン"は早い話が多重債務者。早晩、自己破産に追い込まれます。その返済を麻生コンツェルンの豚児が請け負う訳もなく、今この瞬間も真っ当に働き・学び・暮らしている全国津々浦々の善男善女に、消費税「増税」ブーメランとして戻ってくるのは必至。
 いやはや、クレジットカードで宝飾品を買い漁って自己破産したお姉ちゃんの帳尻が回り回って、満員電車に揺られる勤労者諸氏の双肩に掛かって来るのと同じ不条理劇ではありませんか。

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メディアも有権者も正念場 【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」4月13日号】

 マネジメントの要諦(ようてい)は、人事と予算です。にも拘(かかわ)らず、霞ヶ関の人事と予算を牛耳っているのは、解雇とも倒産とも無縁で、結果責任を問われぬ匿名性に護(まも)られた官僚組織なのです。
 批判を恐れず申し上げれば、与野党を問わず大半の政治家は、慇懃(いんぎん)無礼・面従腹背な“宦官(かんがん)集団”が長年に亘(わた)って構築した舞台の上で、予(あらかじ)め巧妙に振り付けられた役柄を、露(つゆ)知らず、演じているに過ぎません。彼らが起案する法案とて、例外ではありません。だから、相も変わらず行政組織の肥大化と行政予算の無駄遣いに歯止めが掛からず、日本は混迷の極みを漂流中なのです。
 それが、元大蔵官僚の畏兄(いけい)・野口悠紀雄氏が看破した官僚統治の「1940年体制」です。而(しか)して政治家・小沢一郎が終始一貫、唱えてきた「日本一新」とは、斯くの如き「官治」を「政治」へと改めねば日本に希望の未来は訪れず、との厳然たる公理に他なりません。
 手前味噌ではありますが、山国に於(お)ける都合6年間の知事在任中に全国47都道府県で唯一、起債残高(借金)を連続減少させ、プライマリーバランス(基礎的財政収支)も7年度連続で黒字化できたのは、有為な中堅・若手職員を見出すべく、従来型発想で計上された予算の積上書(つみあげしょ)を1枚1枚、深夜まで捲(めく)りながら議論しゼロベースで組み直したからであり、天下りと補助金の伏魔殿と化していた外郭団体の96%に及ぶ廃止・統合・縮小を敢行し得たのも、ヤマト運輸中興の祖、小倉昌男氏を起用したからです。
 が、人事と予算と法案を、選挙で有権者が選んだ人物の決断に委ねる事を、「官治」の周囲に集う「政官財学報の既得権益ペンタゴン」は潔しとしません。政界・官界・財界・御用学者の学界・記者クラブの報道の面々にとっては、現状維持こそが最大の目標。であればこそ、三百代言な言動を繰り返し、恰(あたか)も「改革」した振り程度の羊頭狗肉(くにく)に留めてくれた3代前の宰相は、ペンタゴンにとって極めて好都合な御仁だったのです。
 「『ガダルカナル』化する特捜捜査 『大本営発表』に惑わされてはならない」と元特捜検事の畏友・郷原信郎氏が慨嘆するにも拘らず、“オザワン”辞任は不可避、と唱和する面々が新聞・TVの大文字メディアで跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)しています。それこそは、既得権益を死守するべくなり振り構わぬ自由民主党の思う壺。何故なら、小沢一郎・鳩山由起夫コンビが民主党の“アイコン”たればこそ、旧来的イデオロギーとは無縁の健全なる保守層が全国津々浦々で、市民運動政党から脱皮した民主党を主体とする政権交代に安心して信託可能と認識するに至ったのですから。
 利権ならぬ理念で集う民主党という集団を纏め上げてきたマネジメント能力と、候補者選定に留まらぬキャスティング能力に秀でた代表、そして“女房役”の幹事長が退陣したなら、健全なる保守層は棄権を選択、若しくは現与党に1票の減点式決断を行う可能性大。加えて、参議院で民主党、並びに新党日本と統一会派結成を英断した亀井静香代表代行率いる国民新党も、苦渋の状況に陥ります。「1940年体制」を打破する上で、如何なる大局観に立つべきか、メディアも有権者も、正念場を迎えているのです。


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オザワンVS. アソヤンのロールシャッハ現象

“オザワン”こと小沢一郎氏は民主党代表を辞すべき、との回答が依然として6割台。と鬼の首を取ったかの如く「記者クラブ」加盟各社は報じています。然(さ)れど冷静に眺むれば、“アソヤン”こと麻生太郎氏の現政権を認めない、との回答も、昨年末から長きに亘(わた)って6割台なのです。
 謂(い)わば、受け取る側の心理で絵柄が、老婆にも少女にも見えてしまう“ロールシャッハ・テスト”状態。とするなら、代表辞任を前者に要求する社説を掲げた何処(どこ)ぞの新聞社は、後者にも内閣退陣を求めねば論理的整合を取れますまい。にも拘(かかわ)らず、「公正」とは対極の自家撞着(じかどうちゃく)振りには目を瞑(つぶ)った儘(まま)、内閣支持率は2割台に回復、なあんて強調する始末。
 おいおい、1000万円を超える西松建設からの裏献金疑惑で東京地検特捜部に事情聴取された直後、20年来の側近が命を絶った元国家公安委員長の村井仁氏に県知事選で敗退する直前、一匹狼(マーベリック)な小生の支持率ですら4割台後半だったんですぜ。一体、如何(いか)なる客観性に基づき、支持率2割台を以(もっ)て首相信任と断ずる訳よ?
 他方、1人1度の投票に限定の「Yahoo!みんなの政治」では、75%が“オザワン”続投支持。口角泡を飛ばして「辞任不可避」と繰り返す御仁が司会を務める「朝まで生テレビ」でも、64%が続投支持。「記者クラブ」発表の数字との彼我の違いは一体全体、なんなんざんしょ??
 と疑問を呈したら、そりゃぁ、3時間に亘って検察批判を番組で繰り広げたんだから無理からぬ数字、と訳知り顔で「解説」下さったジャーナリストが居られました。
 あのね、その論を演繹(えんえき)すれば、報道の大原則たる「裏取り」もせぬ儘、「関係者に拠(よ)ると」なる枕詞(まくらことば)を冠して、捜査当局の“垂れ流し”御用機関と堕した「記者クラブ」加盟各社の「大政翼賛」的貢献の成果が、冒頭に掲げた数値って訳ね。
 いやはや、正(まさ)しく“ロールシャッハ”現象。御用学者の学界、御用報道の報界を加えて「政官財学報」の既得権益ペンタゴンと小生が定義する、「1940年体制」に集う面々の思惑とは裏腹に、個々人に立脚したインターネット社会は、従来の特捜捜査の際の「世論」とは異なり、権力側にとって情報制御不能(アンコントローラブル)な状況に陥り、故に“ムラ社会”で甘い汁を吸い続けてきた連中は焦燥に駆られているのです。

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「脱ダム」はいまだ夜明け前

「脱ダムは脱ムダ宣言」。"右肩上がりの幻想"と評すべき過去の成功体験に基づく認識と選択と仕組みを抜本的に改め、フェア(公正)・オープン(自由)・ロジカル(理に叶った)な社会を早急に再構築せねば、日本に未来は到来しません。
 年度末の3月31日に金子一義国土交通大臣は、大戸川ダム建設計画「凍結」を発表しました。大阪・京都・滋賀・三重の4府県知事が「中止」を求めていたダムです。
 「産経新聞」大阪本社から僕は見解を求められ、今朝の朝刊に以下の発言が掲載されました。
 「実は『凍結』となったのは、国土交通省自身が設置した淀川水系流域委員会が建設中止を求めた4つのダム計画の中の僅か1つに過ぎない。『地方の反乱』を掲げる4府県知事の側も、残り3つのダム計画の事業継続を認め、総事業費の3割もの金額に及ぶ直轄負担金を国に支払う選択をした。単なるガス抜きに終わらない、望ましき治水の在り方への確かな一歩、とは言い切れない所が悩ましい」。
 宮元博司氏は現在、本物の木の樽の復活を目指し、京都の町屋で樽徳商店を営む御年56歳。元々は旧建設省に入省し、近畿地方整備局河川部長、国土交通省河川局防災課長を務めた人物です。彼は退官後、河川法に基づき一般公募された淀川水系流域委員会委員に応募し、委員長に就任します。而(しか)して委員会は2003年、「新たな河川整備をめざして」と題する提言を纏(まと)め、「計画中・工事中のものを含め」「原則として建設しない」と「脱ダム」を宣言するのです。
 看過し得ぬ数多(あまた)の副作用を伴うダム建設という外科手術を数十年に亘(わた)って待ち侘びる前に、隗(かい)より始めよ、日々の河川改修や森林整備といった東洋医学的な治療から始めるべき、と件(くだん)の提言は、漫然と造り続けて環境も財政も社会も壊すダム建設ありきな河川行政からの転換を迫った歴史的文書なのです。
 にも拘(かかわ)らず、「脱ダム」という地動説へと踏み切れぬ国土交通省河川局は、4つの内の1つを「凍結」する事で問題先送りを図り、直轄負担金の不透明さを糾弾していた筈(はず)の4府県知事も、ムラ社会の「バランス感覚」とやらを発揮したのです。う〜む、日本の政治も行政も、"夜明け前"が続きますのぉ。

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「どなたとでもお話します」

「私は、政治も行政も経済社会も、日本はもっとオープンな社会にならなくてはいけない。ディスクロージャー、横文字を使えばそういう事ですが、それが大事だと思っております。これは自民党幹事長をしていた時以来、どなたとでもお話をしますという事を言ってきた覚えがございます。そしてまた、それ以降も、特に制限は全くしておりません。どなたでも会見にはおいで下さいと申し上げております」
 上杉隆氏の質問「政権交代が実現したら、記者クラブを開放するか?」に対する、民主党代表・小沢一郎氏の返答です。
 事実、24日夜の記者会見にもフリーランスの表現者が複数参加しています。「その数、日本列島に八百有余とも言われる『記者クラブ』は、和を以て尊しと成す金融機関すら"護送船団方式"との決別を余儀なくされた21世紀に至るも、連綿と幅を利かす」の一文で始まる「『脱・記者クラブ』宣言」を「『脱ダム』宣言」に続いて山国で発した往時を想起しました。
 而(しこう)して、「どなたとでもお話をしますという事を言ってきた」の一節に触れた僕は、県会議員も市町村長も予約無しで自由にお越し下さい、と繰り返し申し上げていたにも拘(かかわ)らず、在任6年間に1度も「ガラス張り知事室」へと足を踏み入れなかった"選良"が過半だったのも追念しました。真っ当な市井の人々の願いとは異なり、「官治」なる官僚統治「1940年体制」と同衾(どうきん)し続ける政界・官界・財界・学会・報道の「政官財学報」既得権益ムラ社会の構成員にとっては、"フェアでオープンでロジカルな社会"が現実に到来しては都合が悪いのです。「それでも『小沢』に期待する」と題し、畏兄・江藤淳氏は「諸君」1993年1月号で「小沢一郎氏というのは不思議な政治家で、政策を実現するのが第一義。その為に自分が何時、総理になるかは二の次。政策の実現こそが、緊急の課題だとハッキリと打ち出している人間が出て来たという事は、戦後日本の政治史上、誠に驚くべき事だと言わざるを得ない」、と看破しました。
 爾来16年、「変わらずに生き残る為には、自分自身が変わり続けねばならぬ」の警句を未だ体得し得ぬ視野狭窄(きょうさく)な面々に限って、政治家小沢一郎を過度に畏怖し、誤解し続けているのです。彼こそが、経世済民の日本を実現し得る"政策の人"であるにも拘らず。

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共通一次世代のガダルカナル的突入

 その後に「大学入学者選抜大学入試センター試験」なる長尺な名称へと変更される「大学共通一次試験」が日本で導入されたのは、丁度30年前の1979年。初回に受験した高校3年生は今年48歳となります。
 フランスのバカロレアを目指す、と当初は囁かれました。が、御存知の如く、似ても似つかぬ単純矮小化した思考を助長するマークシート方式。1808年にナポレオン・ボナパルトが提唱したバカロレアとの、彼我(ひが)の違いは明白です。
 哲学者のリュック・フェリーが国民教育大臣を務めていた数年前に出題された設問を紹介しましょう。「@対話は真理への道か? A全面的自由という観念に果たして意味は有るか? B自己を意識する事は、自分に対しても他者となり得る事か? 以上3項の中から1項を選んで自身の論考を記述せよ」。
 弁証法的思考、即(すなわ)ち、言葉を如何(いか)に尽くしても100%の理解など有り得ないからこそ、考える葦(あし)たる人間は思索し、行動するのだ。斯(か)くなる認識を持ち合わせている人物かどうかを問い掛ける設問と言えましょう。
 閑話休題。元特捜検事の畏友・郷原信郎氏が、「『ガダルカナル』化する特捜捜査 『大本営発表』に惑わされてはならない」と題して、今や“共通一次世代“が主力を占める東京地方検察庁特捜部の迷走を「日経ビジネスオンライン」上で、「捜査は当初から想定された展開ではない」と看破しています。
 15日付「産経新聞」も第1面右肩で改めて報ずるが如く、「『脱ダム宣言』で中止になった浅川ダムの工事計画の復活を見込んだヤミ献金が長野県の村井仁知事側に渡った疑い」で事情聴取されていた知事側近の自害が、“共通一次世代“に周章狼狽(しゅうしょうろうばい)を齎(もたら)したのです。
 やったね、これで第1問目の得点をゲット、と年度末の人事異動を控えて、一罰百戒の成就に糠喜びするや、液晶画面上から設問が消え去り、脳髄が真っ白になった面々は、果たして、他の設問が何処に記されているかも判らぬ儘(まま)、闇雲に突入したが故に、少なからぬ市井の面々が憂慮する「ガダルカナル」状況に陥っているのかも知れません。
 歴代の「特捜不敗神話」なるレーゾンデートル=自己存在意義を、果たして継承・保持し得るか、マニュアル型思考行動で育った“共通一次世代“の「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」は正念場を迎えています。

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地方にも生息する「渡り」 
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」3月16日号】

「公務員改革」の対象にはむろん、地方公務員も含まれるはずです。にもかかわらず、各自治体の責任の下に実施されるべき、などと奇妙な「地方分権論」が横行し、中央から地方への無責任な“丸投げ”状態。これでは、地縁・血縁の「しがらみ」が充満する自治体が、自浄作用を発揮するわけもありません。
 現実問題、国家公務員行政職の平均年間給与が635万6千円であるのに対し、地方公務員行政職は651万5千円。共に、時間外勤務手当等を除いた金額です。 “お手盛り労働貴族”とやゆされるのもむべなるかな。が、この程度で驚いちゃあ、甘い甘い。地方公務員の退職金を「満額」支払い続ける為に、退職手当債なるモラルハザードな起債制度が、3年前に創設されました。
 2008年度の退職手当債は都道府県・市区町村で総計6303億円。07年度の5787億円よりも増加。今後10年間、毎年6000億円台の退職手当債が起債され続ける予定です。返済義務を負うのは地域住民の方々。他方、厚生労働省の発表資料では、勤続20年の民間企業大卒社員の退職金は減少しているのです。ほかの野党はなぜか、「地方公務員天国」の“改革”に及び腰。
 こうした中、「脱しがらみ・脱なれあい」を掲げる新党日本は3月5日の参議院予算委員会で、もう一つの知られざる「渡り」の存在を明らかにしました。 
 通常、「渡り」とは中央省庁の“キャリア”官僚が、“渡り鳥”のごとく天下り先を転々とし、多額の退職金をゲットする“ぬれ手に粟(あわ)”状態を意味します。地方公務員における“渡り鳥”は、現役職員の中に生息しているのです。しかも、極めて不透明な形で。
 例えば、課長補佐に昇格したわけでもないのに、課長補佐級なる肩書きが付与され、課長補佐と同等の昇給が保障される。これが地方自治体に温存されている「渡り」なのです。課長補佐級以上が地方公務員の60%を占める、摩訶(まか)不思議な構図の「からくり」です。取り立てて仕事もないのに、肩書きと手当は一人前以上にもうけものな「名ばかり管理職」。労災・過労死や残業代不払い訴訟が続出した日本マクドナルドの名ばかり管理職の逆バージョンと言えましょう。
 もう一つの謎は、給料の「調整額」。職務の「複雑さ・困難さ」を考慮、との大義名分の下、自治体病院の薬剤師や養護学校の教諭、更には行政職にも複数存在する代物です。特殊勤務手当とは異なり、その金額が退職金やボーナスにも反映されます。地公労と称する地方公務員労働組合の既得権益なのです。
 山国での知事時代、計70時間以上にわたって団体交渉に自ら臨み、不透明な「渡り」を廃止し、ニャンと99区分も存在した「調整額」も40区分を廃し、残りも退職金やボーナスには反映されない手当へと組み替えました。かくて、「公共事業の利権だけでなく、地方公務員の利権も排除するとは、ムラ社会のおきて破り」と退場を命ぜられたのかも知れません(苦笑)。
 が、驚くなかれ、「渡り」と「調整額」を廃止したのはいまだに、片山善博氏が知事を務めた鳥取県と長野県の2県のみ。全自治体の実態調査を早急に、とただしたのに対し、鳩山邦夫総務大臣も前向きな答弁。調査結果の公表が待たれます。


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この「胆力」の違いは何なのか

 宜(むべ)なる哉(かな)とは言え、その発言を活字で眺めると、改めて「胆力」の違い、を痛感します。
「私の政治家としての生涯かけての大目標は、ひとつは官僚主導の政治行政を国民主導の、国民の側に立った政治行政に改めると。それがひとつ。それからもうひとつは、日本に真の議会制民主主義を早く定着させなければいけないと。このふたつを実現するには、政権を代える以外ない。それが私の政治家としての生涯の大目標であり、夢であり、使命である。私個人うんぬんの問題ではない。その大いなる目標を達成したい。何としても実現したい」。
 大勲位・中曽根康弘翁を以(もっ)て、「小沢君は成長した。幅が広くなり、自分の考えをピチッと持っている。凄味も出て来た」と言わしめた政治家・小沢一郎の、10日午後の会見に於ける発言です。
 翻って、御名御璽を頂戴した現在の宰相に対しては、「少しガッチリした日本の歴史や文化や伝統の深みを学ばねば」と苦言を呈しています。
 とまれ、政治家・小沢一郎は、会見の中で以下の発言も行っています。「世界的な激変が予想される今日の中で、1日も早く議会制民主主義を日本の社会に定着させる。その為には総選挙で勝利を得なければなりません。私の今後の行動の基準は、飽く迄もその点に於いて、物差しをそこに於いて判断したいと。そう思っております」と。
 如何(いか)なる組織に於いても、人事と予算がマネジメントの要諦です。にも拘(かかわ)らず、日本の政治行政では人事も予算も、匿名性に護られた官僚役人が牛耳り続けてきました。選挙で選ばれた筈(はず)の政治家は、その舞台の上で、予(あらかじ)め振り付けられた演技を繰り広げていたに過ぎません。
 そんな甘ちゃんな政事屋では、「国民の側に立った政治行政」は望むべくもありません。当然の帰結です。が、信念と行動力を持ち合わせた「胆力」の政治家は、問題先送りな島国ニッポンのムラ社会を差配し続けてきた官僚役人機構にとって、危険極まりなき存在に他ならぬのです。
 その筋立ての収拾が付かなくなった凡百の連載小説は、登場人物を「排除」したなら、取り敢えずの表層的大団円を装う事も可能でしょう。然(さ)れど、現実の政治社会に於ける「排除」は、「議会制民主主義」と対極に位置する、永久に政権交代無き国家の選択へと繋(つな)がる可能性が大、やも知れません。

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天に唾する如き この発言

「『国家権力が常に正しい訳ではない』と不快感を露(あら)わにした」。先月27日に共同通信が報じた“天に唾(つば)する”が如き発言の主は、村井仁・長野県知事。言わずと知れた西松建設からの「献金」を巡って、東京地方検察庁特捜部から参考人として複数回に亘(わた)って事情聴取を受けた直後、「20年来の側近」は何故か首吊り自殺に及びました。
 第一次小泉純一郎内閣で国家公安委員長を務めた人物の“高言振り”を忖度(そんたく)すれば、「自身の在任中に限っては『常に正しかった』」という認識なのでしょう。
 然(さ)れど、「西松建設『長野県知事陣営に資金』関係者供述」なる見出しを冠して先月26日付の日本経済新聞は、「同社の関係者が東京地検特捜部の調べに対し『村井仁・長野県知事陣営に知事に当選する前、裏金から資金を提供した』との趣旨の話をしている事が25日、関係者の話で分かった」と報じています。
「西松建設側から知事周辺に渡った一千万円以上が裏金に使われたと見て捜査、側近は長野市内で自殺した」と共同通信も配信しています。田中康夫3選を阻止するべく、長野県出身の飯島勲秘書官が“陣頭指揮”した2006年夏の知事選挙を想起しました。
 にも拘(かかわ)らず、時事通信や産経新聞、中日新聞に拠(よ)れば、「お金の事で後ろ指をさされる様な事は絶対にしない」「政治家として、私ぐらい綺麗にやってきた人間はそんなに沢山居るか、との自負が有る」「信じ難い嫌疑を受けた」「国家権力が常に正しい訳ではない」と元国家公安委員長は悲憤慷慨(ひふんこうがい)するのです。
 ならば、その国家権力を、更には報道機関の記事を引用した田中康夫を名誉毀損で告発されるのも、一考に値するのではありますまいか? 「裏金という性質上、授受が有っても(政治資金収支報告書に)記録されない可能性は高く、潔白の証明には至っていない」のですから。
 小沢一郎代表の公設秘書逮捕から一夜明けて毎日新聞は、「与野党の国会議員や自治体首長に献金しており、特捜部は自民党議員の会計責任者についても、立件を視野に捜査を進める」と報じています。“一罰百戒”に留(とど)まらぬ複数罰を実績で示し得るか、年度末の人事異動を控えて、“秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)”の気概の程が注視されています。

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耳を疑うお坊ちゃまのトンデモ歴史認識

 事象に因(よ)っては国家間で、歴史見解が異なる場合も有ます。が、少なくとも第二次世界大戦に関しては、「文部科学省検定済教科書の、何(いず)れの出版社の発行書に於いても、1939年9月1日ドイツがポーランドに侵攻し、これに対しイギリス・フランスが宣戦布告して第二次世界大戦が始まった、旨の記述で統一されている」のです。
 が、驚く勿(なか)れ、『麻生内閣メールマガジン』が配信する「麻生総理へのインタビュー動画のコーナー『太郎ちゃんねる』」第10回では、「1941年12月に第二次世界大戦が真珠湾攻撃で始まる」と断定的口調でトンデモ歴史認識を披瀝(ひれき)しているではありませんか。
 無論、発言者は「御名御璽を頂き、第92代内閣総理大臣に就任致し」た御仁。而(しか)も、編集実務を担当する内閣官房内閣広報室は、同発言と一言一句違(たが)わぬ字幕を付しているのです。いやはや、このボスにして、この部下ありって訳ね? 驚倒(きょうとう)した僕は、以下の質問主意書を提出しました。
「百歩ならず二百歩譲って、『(仮に生起していた第二次世界大戦の新たな拡大局面である)太平洋戦争が1941年12月に真珠湾攻撃で始まる』の限定的意味合いであるとしても猶(なお)、件(くだん)の発言は『言葉足らず』『舌足らず』『口が滑った』といった類の弁明では、日本国内のみならず国際社会に於いても到底、承諾され得ぬ、凡(およ)そ日本国の宰相としての智性を疑われる、極めて恥ずべき行為に他ならず、その重大性に鑑(かんが)み、国権の最高機関と日本国憲法で位置付けられる国会の場に於いて麻生太郎首相は、自身の歴史認識の誤謬に関する謝罪と訂正をすべきと考えるが、政府の覚悟を問う」。
 が、「政府:麻生間違い発言『訂正しません』答弁書閣議決定」と見出しを冠して今朝の「毎日新聞」も囲み記事を掲載している様に、「お尋ねの『現内閣を代表する公的見解』の意味するところが必ずしも明らかでない事から、お答えする事は困難である」と木で鼻を括(くく)るが如き答弁書が昨日、内閣総理大臣臨時代理の河村建夫官房長官名で届きました。
 人間、至らなさは改むるに如(し)くは無し。にも拘(かかわ)らず、歴史認識も解散時期も居直りを決め込むラヴリーなお坊ちゃまの“馬耳東風”内閣。質問と回答、トンデモ映像は新党日本HPで閲覧・視聴可能です。
新党日本HP 
http://www.love-nippon.com/

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酔いどれ辞任大臣を嗤う-赤ワインをゴックンしたでしょ!

“労働貴族”と揶揄(やゆ)され勝ちな地方公務員とて今日日(きょうび)、酒酔い運転ならぬ酒気帯び運転が発覚したなら即、解雇処分を受ける御時世です。中川昭一なる御仁は、大臣辞任に留まらず議員辞職すべきではありますまいか。
 にも拘(かかわ)らず、「未(ま)だ未だやる事が有るので(議員辞職は)考えていない」と居座りを決め込む御仁は厚顔無恥にも、「閣僚という立場から離れても、私なりに違う形で麻生内閣を支えていきたい」と決意表明する始末。う〜む、宰相・麻生太郎が宣(のたま)う「とてつもない日本」改め「とんでもない日本」を全世界の善男善女に訴求し続ける“ビジット・ジャパン”特命全権大使にでも就任したら、お似合いかも。
 とまれ、「口は付けたがゴックンはしていない」と子供が嘘を吐(つ)くかの如き、低レベルな強弁を繰り返した彼は、昨日(17日)3回目の会見に於いても、「土曜日(14日)の(会見での)出来事は、(飲酒と)直接は関係ない」と嘘八百な女々しい言い訳に終始しています。最早、ジェンダーとしての♂を返上した方が賢明かも知れません。
 実は“北海のヒグマの豚児(とんじ)”は、G7出席各国財務相・中央銀行総裁との昼食会を途中退席し、宿泊先のホテルに戻るや、館内のレストランで財務省の玉木林太郎国際局長、2名の大臣秘書官、更には何(いず)れも女性の全国紙経済部、在京TV局報道部、アメリカ系通信社東京支局の3記者と赤ワインを片手にイタリア料理を愉しんでいるのです。
「中川財務相G7昼食会抜け出し、同行記者とワイン」と題して今朝の「毎日新聞」も、「昨年9月の財務相就任以降、G7などの海外出張では同行の女性記者を集めて飲食を行う事が恒例化」。「今回のG7でも、中川氏と麻布高校の同期で、東大法学部の同窓でもある玉木局長が一部の女性記者を招いた」と「ローマの休日」を慨嘆。
 件(くだん)の合コン局長も処分は不可避。な筈(はず)ですが、若(も)しや、誤読が相次ぐ豚児を貶(おとし)め、財務・金融・経済財政の1人3役を与謝野馨氏に振り付けた方が好都合な霞ヶ関ムラ社会が仕込んだ“ハニートラップ”だったりして。同席者が日頃から与謝野大臣を絶讃する同一資本系列の新聞・TVの女性記者だった事とも相俟(あいま)って、う〜む、永田町ムラ社会の謀略史観論者に格好の酒飲み話を、冬眠から醒めたヒグマの豚児は提供しています。いやはや。

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ベーシック・インカム構想 【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」2月16日号】

 「景気対策=財政出動」の短絡的な固定観念から脱却(パラダイム・チェンジ)せねば、混迷する日本にダイナミズム(躍動感)を取り戻せません。
 2兆円を定額給付金に投ずるよりも、1校平均6千万円で実現可能な耐震構造化を、国公私立合わせて全国に3万4千校存在する小中学校で即時完全実施した方が、はるかに安心・安全と地域雇用、更には内需拡大の“一石三鳥”。こうした具体的なパラダイム・チェンジを、他の与野党に先駆けて提唱したのは昨年の秋口。その新党日本は、次期総選挙のマニフェスト「新しい日本宣言。」に「ベーシック・インカム」導入を明記します。
 ヨーロッパで生まれたベーシック・インカム構想は、ゲッツ・W・ヴェルナーによれば、「生活に最低限必要な所得を全ての個人に無条件で支給」し、「『万人の真の自由』と生存権を保証」するシステム。働いている人も働いていない人も、おばあちゃんも赤ちゃんも、体の不自由な人もそうでない人にも均等に支給し、自分の判断で自由に使っていただく所得保障−。
 おいおい、それこそは究極のバラマキじゃないか、と早とちりされる向きも現れましょう。いえいえ、これこそは大きな政府の対極に位置する、すなわち、行政組織と労働組合のスリム化を同時に達成し、個人に立脚した中福祉・低負担の社会を実現し得る画期的方策なのです。
 仮に、ベーシック・インカム1人当たり年間60万円(月額5万円)を支給し、所得税率一律30%とする政策を導入するとしましょう。
 所得が200万円の4人家族の場合、ベーシック・インカムは60万円×4=240万で、所得税は200×0.3=60万円。すなわち、240万円(ベーシック・インカム)+200万円(所得)−60万(所得税)=380万円が可処分所得。同様に、所得が1000万円の2人家族なら、120万+1000万円−300万円=820万円が自由に使えることになります。
 景気対策の名の下に旧態依然な財政出動を行えば、特定の団体や業界が霞が関に頭を下げる手合いの予算が増え、役所の権限と天下り先が増大するだけ。終身雇用と専業主婦が主流だった時代の発想から脱却せねば、労働も家族も多様化している現状に対応し切れません。
 政府が生存権を保証するベーシック・インカムの導入は、多分に裁量行政だった社会保障制度(年金や生活保護、失業保険)にかかわる社会保険庁や自治体の福祉事務所の廃止を実現します。効率的な小さな政府と行政の出現で、「脱・福祉切り捨て」、「脱・行政の肥大化」が同時に達成できます。すなわち、意味なき組織と予算のムダ分を、他の重点政策に振り向ける選択も生まれます。さらには、麻生政権の支持率とくしくも同じ加入率18%と低迷し、残り82%の勤労者の立場を代弁し得ぬ労働組合を、良い意味で溶解させる触媒にもなり得ます。
 新党日本は、社会的公正と経済的自由を同時に目指す立場。セーフティーネット、景気対策、小さい政府の“一石三鳥”を実現するベーシック・インカムこそ、超少子・超高齢社会の日本にふさわしき、正しいハイエク・新しいケインズの哲学に基づく、個人を大切にする政治・経済システムだと考えます。

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ベーシック・インカム構想に着目

 ベーシック・インカムとは何ぞや? 「基本所得のある社会へ」と副題を冠したゲッツ・W・ヴェルナーの著作に拠(よ)れば、「生活に最低限必要な所得を全ての個人に無条件で支給」し、「『万人の真の自由』と生存権を保証」する構想です。具体的に説明を加えます。
 乳幼児から高齢者に至る迄、1人月額5万円、年間60万円支給するとします。所得税率は一律30%とします。所得200万円の4人家族は、(60万円×4)+200万円−(200万円×30%)=380万円が可処分所得。所得1000万円の2人家族は、(60万円×2)+1000万円−(1000万円×30%)=820万円の可処分所得。荒唐無稽(こうとうむけい)な構想ではありません。
 経済学者・小沢修司氏の解説を援用すれば、洋の東西を問わず、戦後福祉国家なり社会保障制度が前提としていた「労働」と「家族」の形態が様々に変容しています。雇用の不安定化と非正規化が進行すると同時に、「男性稼ぎ手モデル」の専業主婦型家族が「標準家族」とは最早(もはや)、規定し得ない社会状況です。
 実は、ベーシック・インカム構想は、大きな政府論とは対極に位置します。支給に伴い、「現行の社会保障給付(保険、手当、扶助)の内の現金給付部分(年金、生活保護、失業保険等)が廃止され」、「個人所得税制に於ける所得控除は不要になり、税制と社会保障制度の統合が実現」し、「社会保険料の徴収や記録に関わっていた『役所』や経費も不要となり、福祉給付で不可欠であった選別主義的な資力調査に用いられる行政経費も不要」となります。
 即ち、社会保険庁に留(とど)まらず、自治体の福祉事務所も不要となります。脱・福祉切り捨てと脱・行政の肥大化を同時に実現し得るのです。更には内閣支持率同様、今や加入率18%と形骸化した労働組合も、良い意味で溶解へと向かいます。
 経営の観点に立っても、月額20万円の給与を支給する為に、企業も社会も総額30万円のコストを投じているとしたなら、無条件に20万円を所得保障した方が、個人に立脚した中福祉・低負担の効率的な社会を実現し得るのです。これぞ正に、正しいハイエク・新しいケインズへの実践的パラダイム・チェンジだと僕は考えます。

参考資料
 ベーシック・インカムの概念図
 ベーシック・インカムの家計イメージ

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クロヨン体質の温存そのものだ

 御存知の如く、未だに「消費税」を「導入」していない数少なき「先進国」が日本です。売上1000万円以下の事業者には"益税"として、消費税分の非納税が認められているのですから。
 "九六四(クロヨン)"なる符丁が物語る「給与所得者は9割方も捕捉される一方、自営業者は6割前後、農業者に至っては4割程度に過ぎぬ」不条理を解消すべく、入口(収入)か出口(支出)の何(いず)れかで捕捉する以外に術無(すべな)し、との公理に基づき導入されたのが「消費税」。
 この原点に立ち返れば"益税"こそ新たな不公平。にも拘(かかわ)らず、斯(か)くなる零細業者こそ我が党の貴重なる集票基盤として認識しているのか、自由民主党のみならず日本共産党も黙して語らず。逆に消費税納税事務の煩雑さから小規模事業者を解放する為の免税措置、などと居直る始末です。
 他国とは異なり、仕入値・売値等を記す「インボイス」制度の未整備なのも不可解。その日本語訳すら未だに存在しない現実こそ"九六四"体質の温存そのものです。我々にも確定申告の権利を付与せよ、と今こそ給与所得者は蜂起すべきなのです。
 日本国内で生産した製品を輸出後、原材料を購入時に支払った消費税分が還付される、輸出企業に対する「輸出戻し税」も、多少なりとも冷静に捉えたなら奇っ怪そのものです。件(くだん)の制度を導入せねば、日本企業は生産拠点を海外移転して、日本経済は空洞化していた、などと竹中平蔵的心智(オツム)の御仁は"したり顔"で宣(のたま)いますが、これぞ、国境無き新自由主義経済の申し子を標榜していた自分自身に唾(つば)するが如き噴飯発言です。
 閑話休題。「真の消費税」導入先進国のイギリスでは、基本的な生活に関わる食料品や子供の衣料等には消費税を課していません。皮革バッグ、宝飾品等には奢侈(しゃし)税として高率を課す一方で、特定品目には低減税率を設ける。こうした提案も行われぬ儘(まま)、更には農林水産省の事業を厚生労働省が、自治体に於いても商工部の業務を土木部が行う訳もない、詰まりは独占随意契約に胡坐(あぐら)をかく行政組織の無駄も省かぬ儘、消費税率の数値のみを議論する、相も変らぬ奇っ怪ニッポン。次週は、その不条理を打破する為の近時、話題な「ベーシック・インカム」制度を紹介します。

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拍手パチパチな国際貢献を

 パラダイムシフト、即ち、これまで当たり前の常識として認識されていた旧態依然たる固定観念からの脱却。最近のはやり言葉で申し上げれば、あらゆる分野、局面に於(お)いて、パラダイムチェンジを行わねば、混迷する日本の復権は覚束無(おぼつかな)いのです。
 それは、ソマリア沖の"海賊"と称する集団への対処に於いても、例外ではありません。竹田いさみ獨協大学教授が「フォーサイト」誌で看破するが如く、高速艇とGPS(衛生利用測位システム)、自動小銃を駆使して、500kmも沖合の海上でタンカーや貨物船を襲撃し、僅(わず)か1年間で110億円もの身代金を収奪する集団が、内戦で仕事を失った「漁民」の筈(はず)もないのです。
 氏族対立の激化と共に1991年から中央政府が存在しない無政府状態が続くソマリアは、インド洋からスエズ運河への回廊に面した「アフリカの角」。アフガニスタン・パキスタンからアラビア半島・アフリカ大陸を経て欧米へと至る麻薬と武器の密輸ルートの中継地点がソマリア。そこで暗躍する国際犯罪プロ集団と認識すべきです。
 国家対国家の軍隊の戦争は早晩、勝ち負けが確定します。が、貧富や宗教が絡み合うテロリストは、インフルエンザ・ヴィールスの如くに変幻自在な無法集団。世界第2位の国連分担金を律儀にも支払い続ける日本は、であればこそ、国連主導でソマリアを先(ま)ずは暫定統治し、軍事鎮圧ならぬ治安維持の警察的使命で、当該地域の富の偏在を変えぬ限り、"海賊"問題も終結し得ず、と主張すべきです。その上で、陸海空の自衛隊に留(とど)まらず、海上保安庁、消防庁、警察庁等の既存組織を帰納法的にインテグレートし、地震・津波等の天変地異、内戦や飢餓等に直面する地域での救助活動や医療支援、住宅再建へ駆け付ける、富国強兵とは対局の「国際救助隊」を21世紀版「サンダーバード」として日本が創設してこそ、世界の警察を自任し続けた何処(どこ)ぞの夜郎自大な国家とは異なる、「世界の医療団」「ペシャワール会」にも連なる、拍手喝采(かっさい)な相貌の見える国際貢献ではありませんか。とまれ、日本以外の他国船籍が被害に遭遇した場合を始め、全ての判断は現場任せの丸投げでは、心ある自衛官は浮かばれません。無為無策で事勿(ことなか)れな日本の政治と外交こそ、パラダイムチェンジが急務です。

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ニッポン主導の海賊対策を 【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」1月19日号】

 ソマリア沖での海賊被害対策として、政府、与党は海上自衛隊艦船の派遣検討を進めていますが、仮に海自を派遣するとして、どういう基準で対応するのかあいまいです。日本以外の他国船籍の船が被害に遭った場合は? あるいは日本人が1人だけ乗り組んでいたときは?
 それよりもまず、複雑なソマリア事情を的確に認識しなければ、根本的な問題解決につながりません。ソマリアは氏族対立が激化し、1991年以来、中央政府が存在しない無政府状態。他方で、インド洋からスエズ運河への回廊に面した地政学的に重要な「アフリカの角」として、米ソ両国が各氏族に資金援助を続けた歴史を有します。
 竹田いさみ獨協大学教授は、高速艇と衛星利用測位システム(GPS)、自動小銃を駆使して、数百キロも沖合の海上でタンカーや貨物船を襲撃し、昨年1年間で総額110億円もの身代金を獲得した集団が、内戦で仕事を失った「漁民」の筈が無い、と看破しています。
 即ち「海賊」問題とは、アフガニスタン、パキスタンからアラビア半島、アフリカ大陸を経て、欧米へと至る麻薬と武器の密輸ルートの中継地点として、無政府状態のソマリアが存在する中で、国際犯罪プロ集団が暗躍する構図なのです。
 国家対国家の軍隊の戦いなら、いつかは終戦します。けれども、アフガンでもソマリアでも、闘いの相手は「有為転変」「変幻自在」な無法グループ。その数と形はインフルエンザウィルスのごとく、年々拡大、変容し続けます。とするならば、テロとの戦いとは、軍事鎮圧でなく、治安維持の警察的使命で、当該地域の富の偏在を変えるしかないのです。
 既に新党日本は、憲法9条1項と2項を堅持した上で、「地震・津波等の天変地異、内戦や飢餓等に直面する地域での救助活動や医療支援、住宅再建へ駆け付ける、富国強兵とは対極の『国際救助隊』を創設し、3項に明記すべき」とマニフェストで提唱しています。昔の人気TV番組「サンダーバード」の21世紀バージョンです。
 世界第2位の国連分担金を支払い続ける日本の警察・消防は、高く評価されています。その日本は、国連が無政府状態のソマリアを暫定統治し、治安回復を図る決議と、軍隊ならぬ警察・消防の治安維持組織を創設し、機能させることを具体的に提案すべきです。先に女性医師が無事解放された国際救援団体「世界の医療団」、アフガニスタンで男性技師が犠牲となった「ペシャワール会」のような活動を全世界的に展開してこそ、日本の面目躍如ではありませんか。
 国際社会でのフランスの復権を唱えるニコラ・サルコジ大統領は、イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザ侵攻問題で、イスラエル建国に関与した米英両国の動きが鈍い中、停戦に向けて欧州連合(EU)として主導権を握ろうと、迅速な行動と手腕を発揮しました。
 日本のモノ作り産業の強みは、“オンリーワン・ファーストワン”。外交音痴な日本の汚名返上を期して、外相経験者の宰相麻生太郎も、ソマリア沖の海賊対策を契機に新しい国際貢献のスキーム(枠組み)を提示すべきです。他国と同じでは、いつまで経っても、日本は尊敬も感謝も受けられません。

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ハコモノ行政しか知らない“喪・無能省”

“なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ”コンビの掲げた「構造改革」は羊頭狗肉。と重々承知している筈(はず)の善男善女も、税源移譲だの一般財源化だのと、「地方分権」の御旗の下、未(いま)だに唱和される惹句(じゃっく)に、甘い幻想を抱き続けています。
 が、小中学校の図書購入費は、補助金から交付税へと一般財源化された途端、7割以上もの全国の自治体で実は、その予算が減少しているのです。文部科学省と財務省が交付税に組み入れている金額は、従前と変わらないにも拘(かかわ)らず。
 図書購入以外に転用不可の補助金と異なり、交付税は人件費にも建設費にも充当可能だからです。即ち一般財源化とは、地域住民の願望と乖離(かいり)した首長や議員、更には職員にとって、お手盛り給与とハコモノ行政の温存を合法化して貰える有り難き「改革」なのです。
 その“胴元”を務めるのが、地方分権ならぬ中央集権の心智(しんち)を抱く総務省。日本経済新聞の記事を引用すれば、「今まで45%しか起債で賄えなかった」「道路整備の為に自治体が出す地方債の制度を見直」し、「今後は90%まで充当出来る」との方針を発表したのです。
「道路特定財源の一般財源化を踏まえ、地方の道路事業に地方債で借りた資金を幅広く使えるように制度を見直す」と尤(もっと)もらしい口上(こうじょう)を述べていますが、早い話、守旧派の首長と議員以外は誰も望まぬ県道、市町村道、農道の新規着工にお墨付きを与える愚策です。
 総務省改め喪・無能省は、前科者です。1990年に60兆円だった都道府県・市区町村の借金が、2005年には210兆円と僅(わず)か15年で3倍以上にも膨れ上がったのは、地総債と呼ばれる地域総合整備事業債を旧自治省が創設したからです。
 往時、彼らは以下の甘言(かんげん)を弄(ろう)しました。従来型公共事業から脱却し、地域住民のニーズに応える文化施設を計画する意欲溢れる自治体を応援します、と。結果、豪壮なホールや空疎な美術館が全国津々浦々に林立し、今や維持費で四苦八苦しているのです。
 その舌の根も乾かぬ内に、国土交通省も脱帽するモラルハザード起債を掲げる喪・無能省。そんなに自治体を借金シャブ漬けにしたいなら、将来、償還不可能となった場合には、起債した首長と議員に住民が弁済請求可能とする条文を明記すべきではありますまいか。

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労組よ、今こそピンチをチャンスに転じよ

「経営者よ、クビ切りするなら切腹せよ」と題する11頁に及ぶ長尺のインタヴューが「文藝春秋」に掲載されたのは、1999年10月。発言者は当時、トヨタ自動車と日本経済団体連合会の会長を務めていた奥田碩氏です。
「無責任なエコノミストや経済評論家に惑わされるな。日本の強みを生かした改革で、必ず経済は甦る」と副題も冠した奥田碩氏は、以下の如(ごと)く悲憤慷慨(ひふんこうがい)します。
「長期雇用を守る事がどうして直ちに経営の評価を下げる事に繋(つな)がるのか、私には到底理解出来ません。長期雇用はスキルの蓄積という面でも、ロイヤリティ(忠誠心)の確保という点でも、大きなメリットが有る事は間違いない」と。
 爾来(じらい)、10年近い歳月が過ぎました。共同通信社の調査に拠(よ)れば、「日本を代表する大手製造業16社(キヤノン、シャープ、ソニー、東芝、パナソニック、日立製作所、富士通、リコー、NEC、いすゞ自動車、スズキ、デンソー、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダ)で、利益から配当金等を引いた2008年9月末の内部留保合計額が、景気回復前の02年3月期末から倍増し、空前の約33兆6000億円に達した」一方、「08年4月以降に判明した16社の人員削減合計数は約4万人に上り、リストラは今後も加速する見通し」。「厚生労働省に拠ると今春迄に職を失う非正規労働者は8万5000人」です。
 それ故にか、“小さい政府論”から宗旨替えした「無責任なエコノミストや経済評論家」に加えて、新党日本を除く野党も労働組合も、「セーフティネットを政府が構築すべし」、と“大きい政府論”唱和する始末。
 が、資本・経営・労働3者の「三位一体」協働社会を夢想する僕は逆に、「解雇に反対しなかった労働組合も資金をカンパすべし」と共同通信に特別寄稿した鎌田“自動車絶望工場”慧氏の卓見に敬服するのです。
「政党や労組は都心に大きな会館を持っている。その講堂を開放出来る筈(はず)だ。総評会館や日教組、自治労等が分担し、非正規労働者の宿舎と炊事を引き受ければいい」。
 う〜む、奇しくも宰相麻生太郎の支持率と同等の加入率18%に留まり、慎みを知らぬ連中に“労働貴族”と揶揄(やゆ)され勝ちな労働組合が、ピンチをチャンスに転じ、組織ならぬ個人を護(まも)る集団へと昇華する日本を希求するや切、です。

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校舎の耐震化もできぬ”足長おじさん”よ

「嫌中・嫌韓」を売り物にしていた宰相・麻生太郎も、背に腹は代えられぬと外交で得点を稼ぐべく宗旨替えしたのか、総額2兆円の定額給付金を留学生にも手渡す大盤振る舞いの“足長おじさん”を演じています。
 他方で、年収1億円の御仁ならば辞退する矜持(きょうじ)をお持ちでしょうよ、と相も変わらぬ「上から目線」な答弁を行った宰相です。人民公社解体後に郷鎮企業で父親が巨万の富を形成し、日本へと遊学中の“豚児”留学生にも、専売特許の“べらんめえ口調”で修身を説いて頂きたいものです。
 とまれ、極めて評判の宜(よろ)しい定額給付金を中止して、全国津々浦々に3万4千余り存在する小中学校の校舎を耐震化すべきでは、と僕は繰り返し提言してきました。耐震化工事に要する費用は、通常規模の学校で1校当たり6千万円前後。詰まりは2兆円で完全実施可能なのです。
 天変地異から児童生徒を護ります。避難所としても機能します。更には、地域密着型の公共事業として、青息吐息な土木建設業に従事する面々に雇用を齎(もたら)すのです。
 然(さ)れど、好事魔多し。政事改め性事に長けた御仁として衆目が一致する山崎拓氏が、スッチーなる符丁の発案者たるペログリ・やっしーに対抗する好事魔として登場。ニャンと2兆円校舎耐震化案を、「日刊ゲンダイ」出身の畏兄・二木啓孝氏が役員を務めるBS11デジタルの番組で、開陳するに及びました。
 だからって訳ではありませんが、毎週土曜22時から同局で僕がキャプテンを務める30分番組「にっぽんサイコー!」の今週末放送分では、以下の高齢者医療費無料プランを提言しています。
 75歳以上の高齢者に掛かる医療費は、今年度予算ベースに於いて11.9兆円。その内訳は、窓口での自己負担が1.1兆円。保険料負担が後期高齢者医療保険給付金の1割に当たる0.9兆円。併せて2兆円なのです。
 少なからぬ金額のタンス預金と銀行預金を持ち合わせているにも拘(かかわ)らず、内需拡大へと貢献出来ない高齢者の不安を幾許(いくばく)かでも軽減してこそ、自身の旅行、孫への玩具、消費に回す気分も生まれます。至らなさを改むるに如(し)くは無し。君子豹変の実践編とする覚悟は有りや無しや。只今、僕は質問趣意書を内閣総理大臣に提出中です。

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偽証認知奨励する国籍法改正 【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」12月22日号】

 至らなさを改むるにしくはなし。転ばぬ先のつえ。法治国家における政治と行政は、その気概を忘れてはなりません。にもかかわらず、今回の国籍法の改正騒動で露呈したのは、与野党を問わず既存政党が55年体制下の"国体政治"から脱却し得ていないという驚嘆すべき事実でした。
 他方で、新聞もテレビも参院での採決に至るまで、その中身も問題点も報じようとしなかった「国籍法の一部を改正する法律案」をめぐって、DNA鑑定制度の導入と父親の扶養義務の明記を求める"草の根ムーブメント"が燎原(りょうげん)の火のごとく、ウルトラ無党派層に広がった事実こそ、既存政党も既存メディアも挙々服膺(ふくよう)すべきと感じました。
 この問題は右も左も関係ありません。イデオロギーを超えた、人間の問題、日本の問題なのです。故に新党日本代表として私は12月5日の参院本会議で反対票を投じました。
 "身勝手な行為"で外国籍女性との間に子をもうけた日本人男性が、婚姻も同居もしないが日本国籍だけは子どもに付与せよ、と法務局の窓口に出向いた場合、写真を添付の書類さえ整っていれば、「届け出制」で受理する。それが今回の「改正」です。しかも扶養義務の宣誓すら課せられていないのです。
 今や、誰もが容易に写真を編集可能なデジタル時代です。偽装認知の横行を防ぐ上でも、DNA(ヒト固体のデオキシリボ核酸の塩基配列)鑑定を条文化すべきなのです。既にイギリス、ドイツ、フランス、オランダ、ベルギーなどのヨーロッパ11カ国では、国が指定する医療機関でのDNA鑑定を義務付けています。
 が、驚くなかれ、11月27日の法務委員会で質疑に立った私に対し、森英介法相は以下の答弁を行いました。DNA鑑定は人権侵害の差別につながる、と。ならば、いかなる根拠に基づいて、日本政府は「拉致」関係者に対するDNA鑑定を実施したのでしょう?
 とまれ、DNA鑑定制度の導入と父親の扶養義務を明記せぬ今回の改正は、さらなる「闇の子供たち」を生み出す「偽装認知奨励法」「人身売買促進法」「小児性愛黙認法」「人権侵害法」に他ならないのです。
 その筋の関係者がアジアの少女を連れて来て、見ず知らずのフリーターの青年に金銭と引き換えに「認知」させる。が、「商品」としての価値がなくなるや、彼に押し付ける。されど、扶養能力もない青年は途方に暮れ、結局は日本国籍の少女を日本政府が生活支援する状況に陥る。蛇の道は蛇。単なる笑い話では済まされないと憂慮します。今回の国籍法改正で年間700人もの未成年者が新たに日本国籍を取得する、と法務省は文書回答しています。
 DNA鑑定と扶養義務を明文化する修正を求めて奔走した私を含む、国民新党と無所属の計9人が反対した「改正」案は、民主、自民、公明、共産、社民、改革クラブの220票で可決しました。とは言え、「おかしいことは一緒に変えていこう」と、広範な広がりを見せた今回のムーブメントは、バラク・オバマ次期米大統領を誕生させた、ネット社会における新しい草の根運動と似通っています。

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ハイエクの至言にさらに補足を

「市場への最大の脅威とは、個々の企業の利己主義ではなく、組織された集団の利己主義である」と看破した古典的自由主義者のフリードリヒ・フォン・ハイエクは、「組織不能な利益集団が、組織可能な利益集団の犠牲にされ、それらによって搾取されるような条件を生み出す」社会構造を慨嘆しているのです。
“なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ改革”に象徴される、弱肉強食な新自由主義暴走経済を説いた弟子筋のミルトン・フリードマンとの、歴然たる哲学の違いです。
 その上で、ハイエクの至言に敢えて補足を行うなら、「民主主義の社会に対する最大の脅威とは、個々の人間や企業の幸福や利潤の追求ではなく、組織された労働組合や経済団体が既得権益を死守せんとする選民意識なのであ」り、「非正社員という組織不能な利益集団が、正社員という組織可能な利益集団の犠牲にされ」ている労・労「格差」構造こそ、抜本的に改めねばならぬのです。
 その意味では、畏兄ならぬ畏姉・高村薫女史が16日付「東京新聞」の「社会時評」で喝破した以下の論考も、傾聴に値します。
「いま起きているのは、長年企業内で完結していた労働市場の閉塞なのである。従って、企業内で自分たちの賃上げ闘争に終始するだけの労働組合も、閉塞は同様である。では、具体的に何をすべきなのだろうか。何より、正規と非正規の雇用格差を縮めることだと思う。個別の企業ごとに家族手当や住宅手当、そして年功序列というかたちで社員の一生涯を保証してきた日本の企業文化の見直しである。正社員だけがもつこの分厚い権利を小さくしなければ、同一労働・同一賃金の原則など幻想に過ぎないし、非正規雇用者の正社員化も絵に描いた餅に終わるほかない」との。
 今や労働組合の組織率は18%。5人に1人の代弁者に過ぎぬのに、労働者を代表するかの如(ごと)くに振る舞う労働貴族の面々は、ピラミッドの頂点から日本の中小企業を睥睨(へいけい)する経営貴族の御手洗冨士夫氏と心智は同一なのです。
最高裁判所が計5回も「違憲」判決を下した“1票の格差”を遙かに超える「不条理」ではありませんか。渋谷区神山町、神の山に暮らす上から目線な宰相が繰り出す経済対策も、労働貴族が支持母体の民主党や社民党が繰り出す雇用対策も、市井の人々が絵空事に感じるのも宜なる哉です。

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 法務大臣の"とんでも見解"に騙されるな

「新国籍法第3条第1項(認知された子の国籍の取得)の規定による届出には、父又は母が認知した子と当該父又は母との間の親子関係の存在について法務大臣の指定する者がヒトの個体のデオキシリボ核酸の塩基配列の特徴により鑑定した経過及び結果を記載した書面を添付しなければならないものとすること」。
 稀代のザル法と慨嘆すべき内閣提出「国籍法の一部を『改悪』する法律案」に対し、参議院法制局の協力を得て具体的に作成した「田中修正案」の文言です。
 医師である自見庄三郎、森田高の両議員が亀井亜紀子、亀井郁夫、長谷川憲正の3議員にDNA鑑定制度導入は不可欠と御説明下さり、国民新党グループの5名が。無所属の田中直紀、川田龍平の両議員、更に弱冠32歳の外山斎議員も賛同者に加わって下さいました。
 修正案提出には、発議者の私以外に賛同者10名を要します。当初は民主党所属議員の中でも、中堅、大御所を含む10名近くが名乗り出てくれました。“良識の府”の一員として、それは当たり前の判断です。何故って、法務委員会に於ける私の質疑に対し、森英介法務大臣は以下の“とんでも見解”を披瀝しているのですから。
 曰(いわ)く、“身勝手な行為”で外国人女性との間に子を儲けた日本人男性が、婚姻も同居もしないが、日本国籍だけは子に付与せよ、と法務局の窓口に出向いた場合、実子か否かを「判断する材料として」DNA鑑定は相応(ふさわ)しくない。他方で今日日(きょうび)、誰もが容易にデジタル編集可能な写真を添付の書類さえ整っていれば、「許可制」「認可制」ならぬ「届出制」で受理すると。
 が、組織率18%を割り込む労働組合出身者が執行部の要職を占める参議院民主党は、如何(いか)なる根拠を以(もっ)てしてか、田中康夫の煽動に騙(だま)されるな、と“切り崩し”に心血を注ぎ、更に抗議集会では“粉砕”を叫んでいた筈(はず)の自由民主党「愛国」議員も腰砕けと相成り、反対9票・賛成220票で5日の本会議で可決しました。佐高信氏が発行人の「週刊金曜日」も田中康夫&川田龍平批判を誌面展開する始末です。
 が、DNA鑑定と扶養義務の明記こそは、転ばぬ先の杖(つえ)。至らなさは改むるに如(し)くは無しと、政権奪取後に再改正を敢行しようと採決前日に語った小沢一郎代表の「覚悟」も含めて、この問題は右左のイデオロギーを超えた、優れて人間の問題、日本の問題なのです。

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DNA鑑定なき欠陥法案

 この問題は、右も左も関係有りません。イデオロギーを超えた、人間の問題、日本の問題なのです。11月27日、参議院法務委員会で、国籍法「改正」に疑義有り、DNA鑑定制度導入を法案に明記すべし、と質疑に立ちました。
“身勝手な行為”で外国人女性との間に子を儲けた日本人男性が、婚姻も同居もしないが、日本国籍だけは子に付与せよ、と法務局の窓口に出向いた場合、写真等を添付の書類が整っていれば、驚く勿(なか)れ、「届出制」で受理する。それが、今回の「改正」です。
 既に欧州11カ国ではDNA鑑定を、移民の呼び寄せ時に義務付けています。何(いず)れの国でも、検体の掏(す)り替えを防止すべく、国家の指定機関で検査します。にも拘(かかわ)らず、森英介法務大臣は、DNA鑑定は指紋採取と異なり人権侵害の差別に繋(つな)がる、と答弁するのです。呵々(かか)。北朝鮮「拉致被害者」の親子関係を立証すべくDNA鑑定を実施したのは、如何(いか)なる人権配慮だったのでしょう?
 のみならず、「両親が知り合う機会の有無や子供が幼い頃から一緒に居たかどうか等を判断する材料として」写真の添付を求める、との偽装認知防止策も笑止千万です。今日日(きょうび)、誰もが容易に写真を編集可能なデジタルな御時世だと言うのに。
 法務省に拠(よ)れば今回の「改正」に伴い、年間700人もの「日本国籍取得児」が誕生します。而(しか)も、18歳迄の扶養義務を「両親」に課す条文も存在しません。而して、結婚・離婚とは異なり一度、認知したなら認知取消は不可能なのです。
 蛇の道は蛇。その筋の手配師が、フリーターの青年に金銭を渡して「子」を偽装認知させ、小児性愛の“商品価値”が失せるや、お前の子だろと押し付ける。然(さ)れど、青年に扶養能力は無く、国籍を付与した政府が「子」の面倒を見る羽目に陥る一方、行方知らずの実父には何らの責任も課せられぬのです。不条理極まりなき、DNA鑑定無き欠陥法案の拙速採決を阻止すべきです。
 至らなさを改むるに如(し)くは無し。「DNA=デオキシリボ核酸鑑定制度導入を明記した修正案」を議員提案すべく、参議院法制局の協力を得て具体的に作成しました。読者諸姉諸兄と共に「おかしいことは、一緒に変えていこう。」の気概を抱いて、引き続き、踏ん張ります。

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『闇の子供たち』を突き落とすな -国籍法「改正」に疑義有り-

「全会一致」で衆議院を既に通過し、参議院本会議でも28日(金)に可決予定の「国籍法の一部を改正する法律案」は、本年6月4日の最高裁判所大法廷に於ける「違憲」判決を受けて、父母が婚姻していない子にも届出に拠(よ)る日本国籍取得を可能とするものです。
 日本人男性と外国人女性の間に生まれた子は、その父母の婚姻が出生後であっても、日本国籍の取得は可能です。然(しか)るに、何らかの「理由」で出生後も婚姻関係に至らぬ父母「間」の子は、仮に父が生後認知を行った場合でも、日本国籍の取得は認められていませんでした。それは、平等原則を謳った憲法14条に違反する、との判決です。
 然(さ)れど、法律の狭間に留め置かれた罪無き子供を救済せよ、と第百七十回臨時国会に提出された筈(はず)の今回の改正案は、看過し得ぬ瑕疵(かし)を内包しているのです。而(しか)して、それ故に新たに別の、罪無き子供を奈落の底へと突き落とす蓋然性(がいぜんせい)が極めて高いのです。
 当初、懸念されていたのは、偽装認知奨励法案に他ならぬ、との指摘でした。即ち、実際は父母「間」の子でないにも拘(かかわ)らず、偽装認知を行って国籍を取得する"居直り合法"移民が急増するのでは、との。が、のみならず、同法案の成立は、人身売買促進法、乃至(ないし)は小児性愛黙認法と呼び得る危険性も孕(はら)んでいるのです。
 桑田佳祐氏が音楽を担当。宮崎あおい、江口洋介、妻夫木聡の各氏が出演。8月に公開された映画『闇の子供たち』が問題提起した、東南アジアの子供達を「輸出入」し、小児性愛(ペドフィリア)の被害者・犠牲者へと貶(おとし)める、憂慮すべき事態を助長し兼ねません。
 それもこれも、婚姻関係に至らぬ父母間の「実子」たり得ると認定する場合の大前提条件である筈のDNA鑑定を、あろう事か、人権侵害に当たると法務省が拒んでいるからです。欧州では既にイギリス、デンマーク、ノルウェー、オランダ、フィンランド、ベルギー、ドイツ、イタリア、スウェーデン、オーストリア、フランスなど11カ国で、DNA鑑定が制度化されているにも拘らず。
 仮令(たとい)、閣議決定の手続きを踏んだ事柄とて、至らなさを改むるに如(し)くは無し。明日(木)の参議院法務委員会で僕は、DNA鑑定制度導入を明記すべし、と質問に立ちます。

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民主党よ、もっと老獪になれ

 フェア=公正、オープン=自由、ロジカル=理に叶(かな)った社会たるべきです。斯(か)くなる哲学と気概を抱いた人物が、政治・経済何(いず)れの領域に於いても、自身に付与された権限を、経世済民の為に行使すべきです。
 にも拘(かかわ)らず、的確な認識・迅速な決断・明確な責任の何れも持ち合わせぬ面々が、権限ならぬ権威の鎧(よろい)を自身に纏(まと)い、「まずは、景気だ。」と空威張りな言説とは裏腹に、優柔不断にも問題先送りを決め込んでいます。
 その支離滅裂振りを喝破し、2008年度第2次補正予算案の今国会提出を要求した小沢一郎氏が率いる民主党は、であるならば猶(なお)の事、金融機能強化法改正に際し衆議院で、時価会計の「凍結」ならぬ「堅持」を主張すべきでした。今からでも遅くはありません。審議復帰と同時に参議院で修正案を提出すべきです。
 言わずもがなの解説を加えれば、企業が保有する金融資産等を期末毎に再評価するのが、時価会計。簿価でなく時価で計上してこそ、含み益・含み損が明らかとなり、馴れ合い横行の島国経済を変容させる触媒たり得るのです。
 旧財閥系のメガバンクに留まらず、地域金融機関も、地元取引先との持ち合い株を多数保有しています。その不透明な塩漬け資産を白日の下に晒(さら)さぬ限り、経営責任も明確化せず、貸し渋りや貸し剥がしの根絶など、見果てぬ夢です。
 知事時代に痛感したのは、県庁を頂点とする“もたれ合い”ピラミッドの裏側には、地銀・信金・信組・信連が睥睨(へいげい)する地域経済界のヒエラルキーが存在する厳然たる公理でした。「士農工商」を「官金工農商」と置き換えたなら、読者諸氏も大きく頷くでありましょう。
 中央・地方を問わず時価会計の堅持は、経営責任へと繋がります。であればこそ、前回は預金者保護ならぬ経営者放免に陥りがちだった一時国有化、公的資金投入の曖昧さを今回は、「官」「金」が牛耳る既得権益ピラミッドの溶解へと転換し得るのです。
 新銀行東京と並んで農林中央金庫の2金融機関「除外」を直截(ちょくせつ)に唱えたが故に、恣意(しい)的狙い撃ちだと農村部で予期せぬ反撃を受け、毎度お馴染みな腰砕けとなった民主党には、急がば回れ、真綿で絞め上げるが如き触媒効果を発揮するルールを先(ま)ずは冷徹(ロジカル)に制定し、気が付いたら安楽死の如くアンシャン・レジームが溶解している、斯くなる展開を戦略化し得る老獪(ろうかい)さが求められているんだけどね。

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「暗黒の時代」とは大言壮語極まれり

「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者」と持説を開陳し、航空幕僚長を解任された田母神俊雄氏の論文に最優秀賞を冠したのは、アパグループです。今にして思えば、“お帽子”オバサンの涙ながらの会見も、「我が社は国交省により耐震偽装に引きずり込まれた被害者」と信じて疑わなかったから、かな?
 とまれ、統合幕僚学校長だった4年前にも田母神氏は、「航空自衛隊を元気にする10の提言」と題して部内誌で、「ものを言っただけで大騒ぎになり、職を辞さなければならないような時代はいわば暗黒の時代だ」と大言壮語。当時の防衛庁長官・石破茂氏の訓示「自衛官が専門的立場で意見を述べる事は権利であり、義務である」も引用した上での“確信犯”です。
 詰まりは、今に始まった話ではなく、将又(はたまた)、「田母神さんの考えは空自内に浸透しており『第二、第三の田母神』が出ないとも限らない。政治サイドの責任を曖昧にした更迭劇は、田母神さんを『殉教者』に祭り上げ、制服組に不満を鬱積させた」と防衛省幹部が複数のメディアに“懸念”を表明する始末。
 であるならば猶(なお)の事、参議院外交防衛委員会に於ける彼の参考人招致は、TV中継すべきでした。石破氏ならずとも、それは国民の「権利であり」、国会の「義務である」のですから。
 にも拘(かかわ)らず、“臭い物に蓋”のアリバイ作りとしての参考人招致を目論む与党側は拒否。麻生“失言”太郎首相の出席も拒否。参議院では過半数を占め、外交防衛委員長の座も握る野党側は、民主主義の“大原則”たる「多数決」で押し切るかと思いきや、民主党籍の北沢俊美委員長は冒頭、「本委員会は参考人の個人的見解を表明する場でないので、答弁は簡潔に」と“念押し”を行い、開会前の理事会では、「制止を聞かずに田母神氏が発言し続けた場合には、衛視に退場させる」と驚天動地な“腰砕け”振りです。
 田母神氏の歴史観は、凡(およ)そ僕とは異なります。が、「日本が侵略国家であったというのならば、当時の列強といわれる国で侵略国家でなかった国はどこかと問いたい。よその国がやったから日本もやっていいということにはならないが、日本だけが侵略国家といわれる筋合いもない」と「正論」を述べるのも彼なのです。イラク、アフガニスタンでのブッシュ・アメリカは侵略国家か否か、と見解を求める位の気概を、野党側は持ち合わせるべきでした。いやはや。

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許すまじ時価会計凍結 【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」11月10日号】

 空威張りな“上から目線”宰相率いる日本政府は、金融機関や企業が保有する株式などの金融商品を市場の取引価格で評価する「時価会計」の凍結へと流れています。欧米諸国が凍結したから、長い物に巻かれる日本も右に倣って、という奇っ怪な方便です。
 今や満身創痍(そうい)な欧米諸国から一目を置かれる日本であればこそ、社会的公正と経済的自由を同時に達成し、ダイナミズム(躍動感)を取り戻すべく、フェア(公正)でオープン(自由)でロジカル(理)に叶った時価会計を、朝令暮改してはならぬのです。
 分りやすい事例を挙げれば、1億円で購入したマンションの価値が4000万円まで急落したなら、それを担保に融資を受ける際の基準も当然、1億円ならぬ4000万円。一般人には「時価会計」が適用されているのに、金融機関と企業はなぜ例外扱いしたいのでしょう?
 時価会計の適用で裸≠さらすことになれば、経営破綻する企業が続出するから? 当該企業のトップが経営責任を問われる羽目に陥るから? が、そんな内輪の論理がまかり通るなら、ハイエクもケインズも草葉の陰で、甘チャン過ぎるぞ、と一喝するでしょう。
 1999年には巨額の公的資金が日本のメガバンクへと流れ込み、その後も総じて法人税を免除される一方で、経営陣は高額報酬の恩恵に浴してきました。他方で全国各地で地域ピラミッドの頂点に君臨する地方銀行も、地元企業と株式持ち合いの“なあなあ関係”を保持しています。即ち、時価会計の凍結とは、中央・地方を問わず、問題先送りを望む“ムラ社会”の願望にすぎません。
 なるほど、時価会計の保持は一時的に、金融機関や企業の業績悪化を露呈するかも知れません。が、怯(ひる)まず・屈せず・逃げずの気概を抱いて、フェアでオープンでロジカルな時価会計の維持こそが、疲弊する地域の元凶たる地銀・農協に象徴される地元金融機関が牛耳る“しがらみ・なれあい”ピラミッドの溶解へとつながり、ひいては社会的公正と経済的自由を併せ持った地域活力の再興をもたらすのです。
 つまりは、弱肉強食・優勝劣敗の“なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ改革”と対極に位置する、まっとうな力強さを日本に取り戻す、切磋琢磨(せっさたくま)の共利共生社会への第一歩なのです。底なし泥沼化した「新銀行東京」と、自給率向上の農業振興ならぬ“トレーダー稼業”にいそしむ「農林中金」の2行のみを“狙い撃ち”する民主党も、「時価会計」の原則を主張してこそ、不純な「政局」ならぬ公正な「政策」で勝負する野党第1党としての評価を、「日本経済新聞」を購読するウルトラ無党派層から勝ち取れるのにね、いやはや。
 どうやら、優柔不断さも前政権から引き継いだらしき現政権が、「解散」に関しても問題先送りを決め込むのに対し、民主党は「徹底審議」の4文字熟語を持ち出し始めました。が、「徹底=抵抗」の日本社会党的古色蒼然(そうぜん)たる負のイメージが漂う現実に、少し無自覚に思えます。「解散でなく景気」と粋がる宰相に、切磋琢磨の望ましいハイエクと経世済民の新しいケインズの融合を目指す、“まっとうな構造改革”論争で、具体的に挑むべきです。


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コロコロお坊ちゃまトリオを結成すべし

 約2.5兆円が消費税1%分に相当。いやはや、悪徳為政者に相応(ふさわ)しき「朝三暮四」に他なりません。総額2兆円の“定額給付金”を実施する一方で、3年後の消費税引き上げを明言したのですから。
 渋谷区神山町在住の宰相は、「朝令暮改」の4文字熟語もお好みらしく、減税が給付へ、年内は年度内に、一律給付から所得制限を、と後出しジャンケンにもならぬ迷走振り。斯(か)くも指導者の資質に欠けるとは、安倍晋三・石原伸晃の両氏と共に、“コロコロお坊ちゃまトリオ”を結成すべきでありましょう。
 その羊頭狗肉な言説が「とんでもない日本」を生み出したとは言え、一度(ひとたび)、公言したなら怯(ひる)みも屈しもしない“ハーメルンの笛吹き男”として三百代言振りを貫徹したライオンヘアの先先々代が、妙に懐かしく感じられる昨今です。
 とまれ、今年誕生した乳児が不惑を迎える21世紀半ばの40年後には、ニャンと4千万人近くも人口が激減しているニッポンの、目指すべき将来像を提示せぬ儘(まま)、「財源論」とやらを棚上げして、無体(むたい)なバラマキに走ろうとも市井(しせい)の不安は解消されず、内需拡大など望むべくもありません。
 切磋琢磨の正しいハイエクと、経世済民の新しいケインズの融合に基づく、望ましき公共投資で歓心を得たいなら、一例を挙げれば、今後5年間で全国全ての小中高等学校で校舎耐震化工事を完了する、ってな具体的に目に見える形での「変化」を宣言すべきです。家族も含めれば全国に2千万人、構造転換も儘ならぬ各地域の土木建設業への福音に留まらず、児童生徒、更には地域住民に安心・安全を齎(もたら)します。
 にも拘(かかわ)らず、「実態経済」を熟知する政治家を自任する“コロコロお坊ちゃま”宰相は、旧態依然な認識と選択で低迷・混迷を続け、あろうことか、時価会計「凍結」をも高言する始末です。
 含み損・含み益の実態を隠蔽する「凍結」はメガバンクのみならず、「持ち合い株」の馴れ合い地域経済に君臨し続ける地方金融機関の「経営責任」をも問題先送りする展開になります。それこそは、フェアでオープンでロジカルな経済社会とは対極の、「失われた10年」の再来ではありますまいか。

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漫画評論家宰相の脳は沸点に達している

「どんな困難が有っても、解散せずに経済対策をやりたい」と宣言した宰相・麻生太郎を、「展望無き解散先送り」のドン・キホーテ呼ばわりするマスメディアが大半です。
「安全で安い」ホテルオークラの日本料理店・山里で、河村建夫、細田博之、大島理森の3氏に対して、件(くだん)の宣言が行われた事も手伝ってか、将又(はたまた)、その翌日には参議院外交防衛委員会で「カップヌードルは1個400円くらいか」と時代を超越した答弁を行った事も加わってか、「麻生では戦えぬ」と「麻生降ろし」に言及する声も漏れ始めたと“したり顔”で記す記事さえ現れる始末。
 が、僕は忖度(そんたく)するのです。我こそは経営者感覚を併せ持つ数少なき有能な政治家、と自負する“ドン・キホーテ”氏の脳髄では、以下の方程式が組み立てられ、就寝前に葉巻の1本や2本を燻(くゆ)らすだけでは「クールダウン」し得ぬ程、脳内は沸点に達しているのだ、と。
 ヒントは、秋葉原に於ける演説です。「全勤労者の75%は中小零細企業に勤務。その雇い主は給料+ボーナス3ヶ月、合計4ヶ月の金額を12月10日までに資金繰りせねばならん」との。
 即ち、彼の頭の中では、ボーナス支払い時期を過ぎねば経営者は「選挙モード」に突入出来ぬ、と捉えているのです。12月半ば以降に解散、年末年始を挟んで1月18日投票が囁かれる所以(ゆえん)です。
 おいおい、年末年始こそは中小零細企業の書き入れ時だろうに、と茶々を入れる向きも居られましょう。が、川下産業に当たる流通小売サーヴィス業等は、第1次産業出身の“上から目線”な彼の眼中には入ってないのでしょう。
 寧(むし)ろ、選挙期間に当たれば、年末年始の会合でも合法的に候補者が挨拶可能、と考える政治家感覚も併せ持つ数少なき有能な経営者、を自負する彼は、来年の成人式に当たるハッピーマンデーの1月12日に投票日を設定したい、と目論んでいるかも知れません。
 白けきったウルトラ無党派層の低投票率が「期待」出来る一方で、「オタクの皆さん、成人を迎えた記念に選挙へ行きましょう」、と“ハーメルンの笛吹き”を自ら演じ、保守化が著しい若年層の投票で辛勝を勝ち取る。漫画評論家の「ドン・キホーテ」が思い描く、一発逆転の戦略です。

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黒ダイヤの黒光りを印象付けるのみ

 渋谷区神山町、読んで字の如し、神の山なる地名に邸宅を構える御仁は、下々とは凡(およ)そ異なる浮世離れした「常識」の世界を浮遊しているのかも知れません。
 知らぬ存ぜず、とポーカーフェイスを装いながら衝撃的に解散してこそ、初めて効果を発揮するにも拘(かかわ)らず、やるぞやるぞと高歌放吟の挙げ句に狼少年も斯(か)くや、と問題先送りを決め込んでいるのですから。解散権こそ首相の「大権」と大言壮語される前に、御名御璽(ぎょめいぎょじ)と並んで本来は、明治憲法下で天皇が有した国土・人民に対する統治権を意味するのが「大権」だと学び直した方が、不敬罪との誹(そし)りを免れ得るやも知れませんぞ。
 とまれ、11月30日を通り越して1月の通常国会冒頭解散どころか、低投票率を想望して4月末の総選挙、更には任期満了から30日以内の来年10月中旬実施をも“視野”に入れ、夜な夜な葉巻を燻(くゆ)らすと噂される御仁は、党首対決に持ち込めば余裕で勝利の女神が微笑む、と信じて疑わない楽天家でもあります。
 が、刺青の政治家を祖父に戴き、縁日の香具師(やし)も顔負けな“三百代言”振りで一世を風靡した先先々代の宰相とは根本的に異なるのが自分なのだ、との自覚を抱かれる方が賢明でありましょう。選挙期間中、朝な夕なとTV各局で流れるであろう自由民主党のCMが今回は、逆効果を発揮する可能性大なのですから。
 思い起こせば、僅(わず)か5年間の“痴世”で250兆円も「日本の借金時計」を悪化させる一方で、ニャンとかの一つ覚えの如くに「改革を止めるな」とライオンヘアの宰相が叫び続けても、不思議と善男善女は“エオリアの風”の如き錯覚に陥っていたのです。
 比するに、「まずは景気だ」と誰もが否定し得ぬ科白(せりふ)を繰り返す御仁が四六時中、画面に登場したなら、黒いダイヤの黒光りを印象付けるのみで、大向こうは引いてしまうでありましょう。
 いやいや、野党第1党の代表とて笑顔が少ないではないか、と茶々を入れる向きも居られましょう。呵々、何ら恐るるに足らず。不器用である事を敢(あ)えて逆手に取って、「生活こそ全て」とオーソドックスな言説を貫いたなら、上から目線のオレ様内閣を率いる御仁こそが「巧言令色鮮(すくな)し仁」と、市井(しせい)の人々を得心させるでありましょう。

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「安心実現」とは「安易安直」の誤り

「社会的公正」と「経済的自由」を同時に達成し、混迷する日本にダイナミズム=躍動感を取り戻す事こそは、私の哲学であり、使命である。参議院本会議に於ける代表質問の冒頭と最後に申し上げた科白(せりふ)です。
 それは弱肉強食の愚かなフリードマン、既得権益の古いケインズの不毛な二項対立を超えて、切磋琢磨の正しいハイエク、経世済民の新しいケインズの統合なのです。
 日本の人口は、21世紀の折り返し地点である2050年代には、9千万人を割り込みます。1億2千7百万人の人口は激減し続け、100年後には6千3百万人。これとて出生率が高位・死亡率が低位に留(とど)まった場合。最悪の想定では100年後に日本の人口は3千3百万人台へ陥る、と国立社会保障・人口問題研究所は公表しています。
 右肩上がりの発想を捨て去り、量の拡大から質の充実へと選択を改め直し、供給側の都合から消費側の希望に根ざした仕組へと、世の中の有り様を抜本的に再構築せねば、明るい未来は日本に到来しません。
 にも拘(かかわ)らず、島国日本の政治と行政は、相も変わらぬ甘チャンな認識に留まり、選択も守旧、仕組も旧態な儘(まま)。「安心実現」なる空疎な4文字言葉を冠した今回の補正予算も、公債追加発行額3950億円、財政投融資計画の追加額1778億円と「安易安直」な財政悪化を伴っているのです。いやはや、国と地方の基礎的財政収支=プライマリーバランスを2011年には黒字化する、と大言壮語した舌の根の乾かぬ内に。
 のみならず、「地方税等減収補てん臨時交付金」創設なるモラルハザードな法律案も、“甘やかし”予算に他なりません。読んで字の如し、道路特定財源の暫定税率が失効した今年4月分に相当する都道府県・市町村の減収を補てんする特例措置。で、「地方の悲鳴が聞こえる」と鳩山邦夫総務大臣が情念的発言を衆議院総務委員会で行えば、「地方を救え」と野党各党も唱和する始末。
 おいおい、道路特定財源こそは無駄な公共事業費だ、と狼煙(のろし)を上げていた御仁が、道路関係にのみ執行可能な臨時交付金に賛成する。ニャンだか変でしょ。国と地方の対等な分権社会を目指すのならば、僅か1ヶ月分の減収、それも道路建設の為の減収は、目先の痛み分けならぬ、未来の喜び分けとして甘受すべきでしょうに。明日16日にも予定される参議院本会議で、無論、僕は反対票を投じます。

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ケインズの至言 【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」10月13日号】

「所信表明」ならぬ「所信“挑発”演説」ではないかと9月29日、第92代内閣総理大臣の心智に呆れた向きも少なくなかったでしょう。ですが若しや、これは総選挙に対する、ウルトラ無党派層の関心を敢えて減退させる高等戦術では、と私は捉えたのです。
 投げ出し2代に続いて今回も、この程度の人物が一国の首相かよ、と脱力感を味わった、特定の支持政党を有さぬ人々は、この日本を変えなくちゃ、とは思いながらも然りとて、地元の野党候補は労働組合の、或いは政経塾の臭いが鼻に付くからなぁ、と投票所に足を運ぶ手間暇を煩い、蓋を開けてみたら、弱体化した筈の組織票を何とか纏め上げた連立与党が低投票率に助けられて逃げ切る辛勝作戦では、と。
 生半可な覚悟では「政権奪取」は実現し得ぬ、と僕は痛感しています。縦しんば各種世論調査で「政権交代」を期待する割合が過半を占めていようとも。而して、経済学者ジョン・メイナード・ケインズの至言、「投機とは美人コンテストの優勝者を当てるゲーム投票みたいな代物」を拳々服膺すべきなのです。
 とあるタブロイド紙が往時のイギリスで、「美人」100名の顔写真を掲載し、6名連記の投票で上位入賞者を的中させた読者には多額の賞金を与える企画を実施し、部数を急増させました。
 無論、自分の恋人や結婚相手を見出すのとは異なります。すると、如何なる投票心理が人々の間に生起したか? 個人的な美的嗜好ではなく、他の不特定多数の参加者が下すであろう平均的な見方を予測した上での投票行動に出たのです。
「政権交代」に関する世論調査にも、同様の深層心理が働いてはいまいか? 私のみならず、敬愛する小沢一郎氏も、同様の懸念を抱いているかも知れません。
 他方でケインズは、以下の見解も述べているのです。崇高なる社会的使命を抱いて経営者が事業に邁進している企業に対しては、利益を追求する投資家である前に1人の人間として私も賛同の意を表明すべく、ある種の情熱を抱いて資金投下するであろう、と。
 肉体的にも精神的にも、更には日本の未来にとっても、今回の総選挙は最後の挑戦である、と繰り返し述べている小沢一郎氏が、その科白のみに留まらず、この政治家は文字通り命を賭して総選挙に臨んでいるのだ、と全国津々浦々の有権者をして実感させ得るだけの熱風を舞い上がらせた時、今や“お馬鹿オヤジ”として朽ち果てた小泉純一郎氏が立案実行した偽装熱風選挙とは対極に位置する「日本の選択」が実現するでしょう。
 とまれ、参議院で民主党と統一会派を組む新党日本代表の私は10月3日、30分間に亘って代表質問に立つ機会を得ました。社会的公正と経済的自由を同時に達成し、混迷する日本にダイナミズムを取り戻すべく、供給側の都合から消費側の希望に根ざした仕組へと、世の中の有り様を抜本的に再構築せねば、との認識に基づき、宰相麻生太郎のみならず中川昭一、石破茂、野田聖子、斉藤鉄夫の各大臣に質問を行いました。
 新党日本のホームページでは、その全文と答弁を含む映像が御覧頂けます。“上から目線のオレ様内閣”が、「とてつもない日本」どころか「とんでもない日本」へと迷走を続ける中、「信じられる日本」を構築すべく、引き続き、奮迅します。

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宰相改め“災相”の二枚舌にご用心

「社会的公正と経済的自由を同時に達成し、混迷する日本にダイナミズムを取り戻す事こそは、新党日本代表の私、田中康夫の哲学であり、使命である」。
 参議院本会議で10月3日、45分間に亘(わた)って代表質問に立ちました。過分の評価を与えて下さった、民主党の長島昭久衆議院議員のブログから引用をお許し頂けば、「痛烈な皮肉を込めた抜群のレトリックに加え、自民党政治の弱点を徹底的に突きまくった。而(しか)も、知事時代の経験に裏打ちされた批判は、批判の為の批判ではなく、何故、自民党システムでは税金の無駄遣いが無くならず、国民の生活が良くならないのかを誰にも判るように明らかにしてみせた」最後に私は、以下の質問をしました。
「日本政府は今春、嘗(かつ)ての国策会社Jパワー、電源開発株式会社への資本参加の比率を20%へ高めようとしたイギリスのザ・チルドレンズ・インヴェストメント・ファンド(TCI)に対し、(雛(ひな)壇に座る)甘利明さん、当時の経済産業大臣にして現在は規制改革を促進する特命担当大臣である貴男は、罷(まか)り成らぬ、と株式の取得中止命令を発しました」。
「他方で、この9月5日、丸紅、関西電力、九州電力の各株式会社、更には政府全額出資の日本政策金融公庫の国際部門たる国際協力銀行(JBIC)等で構成される企業連合は、シンガポール財務省傘下の投資会社が100%保有していた同国最大の電力会社セノコ・パワーの全株式を取得すると発表しています」。
 が、「世界で先頭を行く環境・省エネ国家として国際的なルール作りを主導していく」と所信表明演説で胸を張った「筈(はず)」の“上から目線なオレ様内閣”の親分は、以下の慨嘆すべき“二枚舌答弁”を行いました。
 曰く、「(中止命令は)電力の安定供給や原子力、核燃料サイクルの政策に影響を及ぼす恐れが有る事から行った」。「シンガポールの電力会社の株式取得は、シンガポールの法令に基づき適切に行われた。ダブルスタンダードであるとの指摘は全然当たっておらぬ」と。
 いやはや、渋谷区神山町、読んで字の如し、神の山と表記する、正に下々とは対極の住所に邸宅を構える御仁は、「フェア・オープン・ロジカル」な「信じられる日本」とは対極の「とんでもない日本」を、恬(てん)として恥じぬ夜郎自大な島国根性の宰相改め“災相”なのです。
 猶、代表質問の全文と映像は、新党日本HPで御覧になれます。
http://www.love-nippon.com/

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「青年の主張」も真っ青な この”りきみ”振りよ

 その顔触れは「上から目線の坊ちゃん集団」に他ならぬ、と僕が断じた新内閣は早くも、“ダッチロール”現象に陥っています。言わずもがなの解説を加えれば、その真因は全て、「私 麻生太郎、畏(かしこ)くも御名御璽(ぎょめいぎょじ)を頂き、第92第内閣総理大臣に就任致しました」と“オレさま”所信表明演説を挙行した人物に起因するのですが・・・。
「私の前に、58人の総理が列してお出でです。118年になんなんとする、憲政の大河が有ります」。「その末端に連なる今この時、私は担わんとする責任の重さに、うたた厳粛ならざるを得ません。この言葉よ、届けと念じます。ともすれば、元気を失いがちなお年寄り、若者、いや全国民の皆さん方の元に」。
 いやはや、2003年度で終了したNHK「青年の主張」も真っ青な“りきみ”振りではありませんか! 共同通信も以下の、お口アングリなエピソードを伝えています。
 曰(いわ)く、「この顔触れではとても選挙は戦えませんよ」と手渡された党役員&閣僚リストに困惑した選対幹部に対し、腕をグルグル回しながら「さあ、選挙やるぞ。全てオレが前面に出て、小沢との対決をクローズアップすればいいんだ」と言い放ち、自身が選挙の顔として全国遊説する考えを強調した、のだとか。
 う〜む、その“一直線”振りは昨年の参議院選挙時、アドルフ・ヒトラー張りに拳(こぶし)を振り上げて絶叫していた安倍晋三氏を連想させます。就任から4日後には辞任していた“そのまんま宮崎県”な原理主義者に留まらず、偏狭な国家主義を唱和する面々が閣僚に終結している点も含めて。
 更に加えて、挑発的な所信表明改め所信「尋問」演説です。馬っ鹿じゃなかろか、と呆れ果てた読者諸兄が大半でしょう。が、ウルトラ無党派層の斯(か)くなる失望・落胆こそは“下々”を見下すローゼン麻生閣下の思う壺かも、と眉に唾を塗る必要が有るのです。
 旧来型カンフル剤発想の補正予算を仕上げた後も、消費者庁&テロ特措法の成立こそ急務と解散時期を“先送り”し、善男善女の関心を萎えさせ、「辛勝」の必要条件たる低投票率達成を目論んでいるのでは?
 とまれ、混迷する日本のリーダーたり得ずと判明済みとは言え、宰相麻生太郎氏に対する僕の代表質問(質問30分・答弁30分)を今週金曜10月3日午後1時半頃から参議院本会議で行います。NHKのテレビ・ラジオで生中継、参議院のHPでは同時中継並びにアーカイヴで視聴可能です。御期待下さい。

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ローゼン麻生閣下には到底わかるまい

「何をすべきか、何がしたいか、具体的に語る事も出来ぬ人物」が今回も、自由民主党総裁に選出されました。この紙面をお読みになられる時分には恐らく、その彼が内閣総理大臣として“選挙管理内閣”の組閣に当たっているでしょう。
 件(くだん)の人物は、都合17回にも及んだ街頭“不人気”演説会で、「最大の問題は不景気だ」と繰り返しました。不景気から日本が一向に抜け出せぬ「最大の理由」こそ、自由民主党が死守し続ける「政官業」利権分配ピラミッドの存在に他ならぬ“公理”に対し、いやはや、余りに無自覚です。
 現在の政権与党が居座り続ける限り、本人が短慮軽率に唱える「とてつもない日本」の実現どころか逆に、「とんでもない日本」へのメルトダウン(炉心溶融)は危機的最終秒読み段階へ突入するでありましょう。
 21世紀の折り返し地点である42年後の2050年には、日本の人口は現在の3分の2、8000万人へと激減しているのです。相も変わらぬ20世紀型の量の拡大から、21世紀的思考に基づく質の充実へ。造り続けて日本が壊し果てるのでなく、治し始めて日本を創り上げる。斯(か)くなる基本認識を共有した上での、2050年から逆算した、実現すべき日本社会の姿を示す“プライマリーバランス”を、単なる財政的指標に留(とど)まらず具体的に示し得る、「的確な認識・迅速な決断・明確な責任」を有する真のリーダーが求められているのです。
 即ち、社会的公正と経済的自由を同時に達成し、我らがニッポンにダイナミズム=躍動感を取り戻す“第3の道”。それは供給者側の都合ではなく、消費者側の希望に根ざした政治の実現であり、言わば不毛な二項対立のイデオロギーを超えた、新しいフリードリッヒ・ハイエクと新しいジョン・メイナード・ケインズの融合です。
 換言すれば、会社や組合という組織の論理ではなく、個人や地域という人間の未来に根ざした政治の実現。それは、畏兄・城山三郎氏が晩年に提唱した“無所属の時間”を生きるウルトラ無党派層オリエンテッドな社会の到来と言えましょう。
 日本を憂い・政治に憤ればこそ今や、ウルトラ無党派層が5割を超えているのです。下々・神々の二層構造を信じて疑わず、選良とは選民なりと嘯(うそぶ)く“上から目線”なローゼン麻生閣下には到底理解不能な「とんでもない日本」の惨状でしょうが。

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農水省の「未必の故意」許すまじ

 老人福祉施設等を含む全国で400近い業者に汚染米を流通させた三笠フーズ株式会社は、「大量殺人未遂」容疑者に他なりません。無為無策を重ねて来た監督官庁たる農林水産省も、不作為の作為を超えた「未必の故意」に他なりません。
 故に僕は9月10日、冬木三男三笠フーズ社長を食品衛生法第71条、第6条違反で、太田誠一農林水産大臣を同法第71条、第6条に加えて刑法第62条(ほう助罪)違反で告発すべく、東京地方検察庁に赴きました。
 その前日、「(残留農薬濃度は)基準値を超えてはいるが、比較的低い水準だ」。「この焼酎を飲んだ記憶が有る私も個人的な心配が無い訳ではないが、大分時間が経っているから平気かな」と“天下太平”振りを会見で発揮した町村信孝官房長官は、「抜き打ち検査や販売の仕方の改善を図る」と“能天気”な“智性”も披瀝(ひれき)しました。
 早い話が、予算増額でネズミ取りの機器と人員を増強すれば、1台目に加えて3台目と多分7台目も摘発可能、ってな次元の、付け焼き刃な小手先対処です。抜本的システム改正を行わねば、「2度と繰り返さない」なる情念的決意表明から脱却し得ません。
 日本では“食の安心・安全”を確立する上で必要不可欠な「原産地呼称管理制度」が未整備な状態で留め置かれています。ソムリエの田崎真也氏らの協力を得て、日本酒・ワイン・焼酎・米・牛肉を始めとする農作物並びに農産物加工品の生産情報開示と品質評価の具体的制度化を、知事時代に取り組んだ僕としては、切歯扼腕(せっしやくわん)の思いです。
 加えて、連鎖倒産を防ぐべく、経済産業省や都道府県と連携し、風評を含む被害を被った業者に対する制度資金融資等の支援をパッケージとして明示する、といった縦割り行政を超えた連携も見られぬ儘(まま)、農水省は傍観者的に業者名の公表を行うのみです。
 トカゲのしっぽ切り的対処でお茶を濁すのを許すまじ。斯(か)くなる気概を抱いて東京地検へ僕が赴いた翌日、農水省は熊本県警本部に三笠フーズを告発し、恰(あたか)も農水省は正義の味方であるかの如き目眩(めくら)まし的責任逃れを画策しています。
 責任の所在は、消費者の希望を無視し、供給者の都合に立脚した官僚統治の“官治”です。「おかしいことは、一緒に変えていこう」の精神で、「事故米不正転売」に対するアクションを、第2弾、第3弾と続ける覚悟です。

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 ああ、ラベルを貼り替えるだけの秋祭りよ

「選挙の洗礼を経ずに、自民党内で政権がたらい回しされるのは3度目だ」と8日の会見冒頭で述べた民主党の小沢一郎氏は、何を争点に臨むのか、の質問に対し、以下の言葉を継ぎました。
「自民党の政権はトップがどう変わろうとも、その政治行政の実態は官僚機構に全て握られ、官僚機構の言うが儘(まま)に行ってきている。官僚は選挙の洗礼も受けていないし、長年の権力の下で、国民を全く無視した行政を平然とやってきた。それが結局、いま腐敗を生み、そして又、税金の無駄遣いをし、国民の生活に目を向けない政治行政が平然として行われているのが今日の自民党政治だと思う」。
「国民に選ばれた我々政治家が自ら判断し、政策の決定、行政の執行について責任を持って実行していく。そういう政治を行政を実現しなければならない」。
「官僚主導の政治ではなく、国民主導の政治、本来の民主主義を我々は実現したい。明治時代、戦前によく使われた超然内閣という言葉が有るが、正に官僚の支配機構で以て国を治めるという発想ですが、(これとは対極の)根本的な国の政治の在り方の違いを判り易く説明していって、具体的な政策を掲げながら、訴えていかなければならないと思っている」。
 即ち、官治から政治へ。「怯(ひる)まず・屈せず・逃げず」の気概を抱くサーヴァント・リーダーが、既得権益を貪(むさぼ)る面々を相手に不退転の決意で人々の為に、「的確な認識・迅速な決断・明確な責任」を行使する獅子奮迅の闘いを貫徹せねば、明治以来百数十年の官僚機構を創造的破壊する「革命的改革」は成し遂げられず。生意気にも敢えて述べれば、山国の首長時代から僕が繰り返し自問自答してきた心智の表出です。
 比するに、賞味期限が疾(と)うに過ぎた自由民主党なる銘柄の食品を、ラベルを貼り替えて出し続けるべく開催中の総裁選挙に名乗りを上げた面々は何(いず)れも、「情念」の域から脱し得ないレヴェルの発言に留(とど)まっています。
 小池百合子女史の「キーワードは改革。改革すべきは改革し、守るべきは守る」。石原伸晃氏の「心の通った構造改革路線を実行する」。抽象的、の一言で片付けるべきヤワな決意表明です。重病を克服し、或る種の凄味(すごみ)を醸し出した筈(はず)の与謝野馨氏も、「心優しい温かい改革を目指す」と述懐するに至っては、「自民党離党以来の集大成として、自民党政権に終止符を打ち、国民生活第一の政治を実現する、私にとって最後の機会と思って、全力を尽くしたい」と宣言した小沢氏の、足下にも及ばぬ「覚悟」の程でしょう。
 ってな事を感じながら、水循環基本法の制定を目指す“超党派”の会合で共同座長を務める僕が、「西日本では水不足。東日本ではゲリラ豪雨と天候不順なニッポンの永田町では、盛り返した残暑に合わせて季節外れの夏祭りも開催されているようですが」と挨拶すると、隣席に座っていた中川秀直氏から、「いやぁ、お手柔らかに」と囁かれました。だけどね、消費者不在・納税者不在の夏祭りでは、不幸以外の何物でもないでしょうよ。

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“マダム回転寿司”の大言壮語を信じるな

 「自民党と日本の危機そのものなので、皆と危機感を共有していきたい」。福田康夫首相の退陣表明から一夜明けた2日朝に小池“マダム回転寿司”百合子元防衛大臣が大言壮語した科白(せりふ)こそは、有権者たる消費者不在の“政事”を牛耳り続けた自由民主党に巣くう面々の、慨嘆すべき“心智”を表出しています。
 過去20年間に13人もの“ムッシュ回転ドア”宰相を「排出」してきた日本に於ける首相の退陣とは、風物詩の如き現象に他なりません。而(しこう)して、その日本で暮らす人々の5割近くが特定の支持政党を有さぬ現実を顧みれば、自民党の危機とは寧(むし)ろ、絶望の対極に位置する希望なのです。
 にも拘(かかわ)らず、「(総裁選では)文明論、経済対策論、そして何よりも希望を示すべき」と神妙な面持ちで受け答えする♀寿司職人の政事観を、殊更に垂れ流し続ける報道は、何処(どこ)かズレています。
 早い話が、超少子・超高齢社会の日本を如何(いか)に再生すべきか、の危機感ではなく、既得権益という名の利権に塗(まみ)れた自民党なる装置を如何に維持し続けるか、の焦燥感に駆られる醜態でしかないのです。
「色々考えたけど辞める事にした。後は党総裁選を華々しくやって下さいよ」と麻生太郎幹事長に“禅譲”した宰相も、「賑やかな総裁選をして、来年の通常国会冒頭で解散すればいい」と周囲に電話を掛けまくった小泉純一郎元宰相も、24時間テレビ的お祭り騒ぎを繰り広げれば、コロリと愚衆は騙(だま)される、と高を括(くく)っているのです。
「3人以上の選挙戦が望ましい」などと、したり顔で語られる“開かれた”総裁選論も、“閉ざされた”自民党国会議員のみが立候補可能なのですから、K−1の石井和義も真っ青な出来レースに他なりません。
 僅(わず)か5年間の“痴世”に250兆円も日本の借金を増大させた「小泉“似非(えせ)”改革」を継続せねば、などと明後日ならぬ一昨日の話から脱却し得ず、出来レースに出馬が予想される面々を、「小泉改革継承派」「小泉改革慎重派」などと不毛な二元論で区分けした図表を掲載する新聞だのTVだののお目出度さは一体、何なんでしょう?
 小林良彰慶應義塾大学教授が看破する、「市場至上主義路線に大きく舵を切った米国のレーガン、ブッシュ政権後のクリントン政権も全く逆戻りした訳ではなく『機会の平等』を重視しつつ第三の道を模索した。保守党政権後の英労働党政権も同様。日本も第三の道を目指す選択肢しかない」との慧眼(けいがん)が市民権を得ねば、日本の危機ならぬ破滅・消滅は時間の問題です。

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「福田首相辞任表明会見」を受けて

 前任者に引き続いて、1億2千万人のリーダーたる矜持と諦観を、これっぽっちも持ち合わせぬ儘に就任し、辞任するとは、論評以前な末期的政権与党の実態そのものだ。
 のみならず、今回の政治的空白も、霞ヶ関の官僚機構を一層、増長させ、消費者も納税者も不在な政治ならぬ“官治”が益々、日本で跳梁跋扈する不幸な結果を齎す。
 「おかしいことは、変えていこう」の気概を抱く新党日本は、脱しがらみ・脱なれあいの政治を確立すべく、今後とも奮闘する。

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ワンジル選手の言葉を聴け

 中学1年で武道・ダンスの何れかを選択し、中2、中3は球技・武道・ダンスから2つを選択する保健体育が大幅改定されます。2012年度完全実施の新学習指導要領では武道が必修化され、柔道・剣道・相撲の何(いず)れかを選択する授業を導入。これに伴い、文部科学省は次年度予算で60億円を要求しています。
 日本で育つ若者に、欧米の体育に加えて日本の武術を習得させる。それ自体に反対する向きは少ないでしょう。が、ならば何故、同じく日本の文化として広く世界で知られる生花や茶道、更には俳句や和歌の必修化を文科省は“画策”しないのでしょう? その腕前を渡航先の海外で日本の青少年が披露したなら、やんやの喝采を浴びるでしょうに・・・・・・。
 ずばり申し上げれば、それらは“ハコモノ行政”としての旨(うま)みが少ないのです。国公私立を合わせて全国に1万1000余りも存在する中学校の93%は公立です。他方で、専用武道場を有する中学校は半数に留まり、故に09年度は200校程度の施設整備を図り、その後も計画的に校数を増やす、と文科省は胸を張ります。
 が、この胸の張り方こそが“食わせ物”なのです。年間200校のペースで、5000校強に上る未整備校が解消される迄に一体、何十年を要するか、中学生どころか小学生だって暗算可能な非現実的計画です。そもそも、剣道・柔道ならば既存の体育館に畳やマットを敷き詰めれば対応可能ではありませんか?
 にも拘(かかわ)らず、文科省は「畳の出し入れに時間が掛かる上、安全面も懸念される。専用の武道場を整備していくのが望ましい」と抗弁するのです。呵々(かか)、正(まさ)しく最初にハコモノ有(あり)きな公共事業発想に毒されています。
 倒産も解雇も無縁な公務員は、陸上・球技等の授業で用いる体操着に加えて、専用の武具を買い求めねばならぬ保護者の負担などお構いなく、省庁の存在は予算の多寡に比例する、と信じて疑わない種族なのです。
 大事なのは予算の規模ではなく、教育の充実。小林一茶や松尾芭蕉、大伴家持や藤原定家に代表される俳人や歌人の作品を小学校で暗記させ、中学校では実際に俳句や和歌を創作させる。これだってカネを掛けず立派に、日本の文化と精神を習得させる文部行政ではありますまいか。
「(日本で学んだのは)きつくても我慢する事。今日は我慢する事が出来ました。日本の皆さん、有り難う御座いました」。マラソン金メダリストのサムエル・ワンジル選手の“警句”を、キレ勝ちな児童生徒だけでなく文部官僚も拳々服膺(けんけんふくよう)すべし、だね。

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小泉・安倍時代には無かった歴史認識

 先の大戦で海外に於いて亡くなられた戦没者の遺骨を納める為に昭和34年、国が建設した「無名戦没者の墓」である千鳥ヶ淵戦没者墓苑には、軍人・軍属に留まらず、一般邦人の犠牲者も含まれています。
 敗戦を日本が認めた当日を加えれば、今年で64回目に当たる先週の8月15日、環境省が管理し、墓苑奉仕会の方々が日頃から手入れに勤(いそ)しむ戦没者墓苑に赴いた後、全国戦没者追悼式が挙行される日本武道館の控室へ僕は向かいました。
 先の内閣改造に関し、参議院議長の江田五月氏と意見交換をしていると、宰相時代に「国立の無宗教の恒久的施設が必要」との報告書を、官房長官が設置した「追悼・平和祈念施設の在り方を考える懇談会」から受け取るも、無視し続けた小泉純一郎氏が、ヤアッと片手を上げながら入室してきました。が、その多くが駆け寄って挨拶をしていた昨年、一昨年とは異なり、立ち上がる参会者は誰も居らず、ややあって気付いた公明党の斉藤鉄夫環境大臣が軽く会釈をしたのみ。う〜む、思わず「平家物語」の一節を呟きそうになりました。
 往時、その官房長官を務めた福田康夫首相が式典冒頭で述べた、「これからも、過去と謙虚に向き合い、悲惨な戦争の教訓を風化させる事無く、過ぎし日の史実を未来に正しく引き継いでいく事こそ、多くの戦没者の思いに応える道であり」、「又、我が国は、多くの国々、取り分けアジアの諸国の人々に多大の損害と苦痛を与え」、「私は、国民を代表して、ここに深い反省と共に、犠牲となられた全ての方々に対し、謹んで哀悼の意を表します」との決意は、小泉・安倍時代には絶えて無かった福田氏の歴史認識です。式場の最前列に座っていた僕には、心做(な)しか御臨場の天皇皇后両陛下も頷かれているように思えました。
前日に発表した政党代表としてのコメントを心の中で復唱しながら、僕も献花しました。
「従来から経済、文化の領域で高い評価と実績を有する日本は今こそ政治に於いても、広島・長崎への原爆投下を含む第2次世界大戦の歴史を語り継ぐと共に、アメリカの国務長官を冷戦時代に務めたヘンリー・キッシンジャー氏らが昨年来、提唱する『核兵器のない世界』の実現に向け、その使命を全身全霊で尽くす覚悟を改めて誓い合う8月15日としたい」。
 半藤利一氏に拠(よ)れば、戦闘員の戦死者212万人の中で、広義の飢餓が原因での死者の比率が7割にも達した無謀な「聖戦」を二度と繰り返すまじ。

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64回目の8月15日を迎えるに当たって

 従来から経済、文化の領域で高い評価と実績を有する日本は今こそ政治に於いても、広島・長崎への原爆投下を含む第二次世界大戦の歴史を語り継ぐと共に、アメリカの国務長官を冷戦時代に務めたヘンリー・キッシンジャー氏らが昨年来、提唱する「核兵器のない世界」の実現に向け、その使命を全身全霊で尽くす覚悟を改めて誓い合う8月15日としたい。

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コーカサスが突きつける「公正」は何か

 ソビエト社会主義共和国連邦の消滅と、独立国家共同体(CIS)の創設をボリス・エリツィンが宣言したのは、1991年12月です。その約1ヶ月前、僕はグルジアを訪れていました。既に同年5月、グルジアでは初代大統領にズヴィアド・ガムサフルディアが選出され、ソ連邦からの独立を逸(いち)早く唱えていたのです。単独会見に応じた彼は、英語ではコーカサスと呼ばれる、黒海とカスピ海に挟まれた肥沃(ひよく)なる大地カフカースの歴史を語りました。
 雪深い森林に覆われたカフカース山脈の麓、南部は天然資源に恵まれ、北部はリンゴやブドウが栽培され、世界的な長寿地域として知られます。加えて、議論好きな風土でもあり、汎ソビエト・ロシア的中央集権政策に反旗を翻し続けてきた歴史を有します。
 が、独立を掲げて公選されたガムサフルディアに対し欧米のマスメディアは一様に、CISに加盟しない「独裁者」と看做(みな)します。英文学者にして作家でもあった彼は僕に述懐しました。
 同じくソ連邦の一員だったエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国独立を支持し、NATO加盟をも認める方針を打ち出す一方で、キリスト教国のグルジアの独立を何故、西側諸国は無視するのか、と。
 北欧・ドイツ経済圏に即時編入可能なバルト3国と異なり、アルメニアに加えてイスラム教国のアゼルバイジャンの3国で構成され、更には多様な言語と宗教の民族が域内で共和国や自治州を形成する、モザイク模様の如きカフカースの場合、グルジアの独立承認はグルジア1国に留(とど)まらず、嘗(かつ)て“火薬庫”に喩(たと)えられたカフカースの混迷化を招き兼ねず、故に「パンドラの箱」を密閉し続けんとする二枚舌=ダブル・スタンダードな欧米諸国の御都合主義ではないか、と。
 が、その彼は内戦で死亡し、星霜を経てグルジアでは、コロンビア大学で学んだミハイル・サーカシビリが弱冠30歳で1997年から頭角を現し、アメリカの全面的支援の下に大統領に就任するのです。而(しか)して、ロシア領内を経由する事無く、地中海に面するトルコのジェイハンへと、カスピ海沿岸で産出の石油をグルジア経由で輸送するBTCパイプラインの運用開始は2006年です。
 民族の異なる南オセチア、アジャリアへの“先制攻撃”を敢行したグルジアが被害者。プーチンVSメドヴェージェフの確執と相俟(ま)ってロシアが加害者の如くに印象付ける今回の欧米での報道振りも又、「公正」とは何かを我々に問い掛けます。

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恐るべし、ヌエの「仕事師内閣」よ

 侮り難し、福田康夫改造内閣! 斯(か)くなる惹句を記すや、田中康夫も錯乱したか、と嘲弄する向きも居られましょう。
 この私とて組閣当日は、「政府与党内の不満・不安解消を第一義とする消化人事。町村官房長官の留任も、麻生幹事長の登用も、自民党の存続しか眼中に無い、党内『重鎮』を自任する“モンスターペアレンツ”な面々の、総花的な助言に耳を傾け過ぎた弊害」とコメントしていたのですから。
 が、翌2日朝に内閣&四役一覧表を改めて眺め、これは総花ならぬ「仕事師内閣」だと痛感しました。金科玉条の如くに「政権交代」を唱和する民主党の“有為性”は、退潮へと転じかねません。
人心を疲弊させた小泉・安倍「似非(えせ)構造改革」路線との決別を宣言し、動揺・離反しつつあった農山漁村、工場・商店の自民党支持層の再取り込みを図る布陣と政策。新聞各紙が否定的に論評する側面こそが、農家への戸別所得保障に象徴される「地方」対策に心血を注ぎ続けた民主党の心肝を寒からしめるのです。即ち、「違い」が見えなくなったのです。
 それは実は、消費税問題に関しても同様です。財務大臣の伊吹文明氏自ら、「2、3年或いは3、4年のレンジで考えるべき事柄」と“先送り”を宣言し、総選挙のみならず再来年の参議院選の争点からも「撤退」させたのです。確たる裏付け無しに消費税増税をマニフェストから「消去」していた民主党との「違い」は、この点に於いても見えなくなりました。
 加えて、保利耕輔、野田聖子両氏の登用は民主党に加えて国民新党、更には平沼赳夫氏との「違い」も見えなくさせています。「地方」対策は万全なのです。
 小泉・安倍人脈に連なる面々への冷遇こそ「後戻り」の証左、と彼らの治世に250兆円以上も財政赤字が増大した客観的事実すら未だ把握せぬ「改革」信者は口角泡を飛ばすやも知れませんが、呵々(かか)、見方が甘い。
 利権が集中する政権政党・自民党から離脱する筈(はず)も無い小泉・小池両氏には、両党の争点曖昧(あいまい)化に伴って「政権交代」の可能性も減少し、再び動揺し始める寄り合い所帯の民主党に巣くう「純粋真っ直ぐクン」な若手諸氏の分裂を誘発させるオルガナイザーとしてのミッションを、福田改造内閣は与えていると睨(にら)むべきです。う〜む、恐るべし自由民主党なるヌエの存在よ。

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福田改造内閣に対する田中康夫代表コメント

党役員人事を含めた今回の顔ぶれを眺める限り、政府与党内の不満・不安解消を第一義とする消化試合ならぬ消化人事。


  町村官房長官の留任も、麻生幹事長の登用も、自民党の存続しか眼中に無い、党内「重鎮」を自任する“モンスターペアレンツ”な面々の、総花的な助言に耳を傾け過ぎた弊害と言えよう。
首相のみならず麻生氏にも最早、モンスターペアレンツのお節介を跳ね返すだけの気力が希薄だったとは、野党への転落回避に汲々とする、後ろ向きな“守りの空気”で政府与党内が窒息状態である事を示している。


  支持率と指導力の浮上を目指して回転ドアを動かしてはみたものの、これっぽっちも回転せぬ儘、逆に将棋倒しで奈落の底に転落していく、終わりの始まりではないか。


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能天気なイタリアで考えたこと

 今や1ユーロ=168円と、極度に円安なヨーロッパへ出掛けました。渡航先のイタリアでは、立ち食いサンドウィッチにコーヒーだけでも5ユーロ即ち800円近い値段。ガソリンに至っては1g=250円前後の高価格で仰天しました。にも拘(かかわ)らず、お手盛り「裁判凍結法」なる不逮捕特権制度を楯に、公私混同な政事に現(うつつ)を抜かす無為無策なシルビオ・ベルルスコーニ首相を、国民の過半数が支持しているのです。いやはや、その奇っ怪さは、後期高齢者医療制度を主導した厚生族のドンにして、僅か5年間の在任中に250兆円も借金を増加させ、世界一の借金大国へと我が国を構造「改革」した元宰相・小泉純一郎に未(いま)だ嬌声を上げる善男善女が存在する、奇っ怪ニッポンと酷似しています。
 私利私欲に走る政官業の既得権益者が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)し、主要先進国G7とは名ばかりな、GDPの低迷と借金財政の混迷に喘(あえ)ぐイタリアと日本は、65歳以上の高齢者人口比率が21%を超える超高齢社会に突入している点も含め、日出ずる国改め日沈む国なのです。
 閑話休題。冒頭でも言及した原油価格の急騰を背景に“奇跡の復活”を遂げたロシアへ、同じくアメリカにとっては目の上のたんこぶ的存在な産油国のヴェネズエラからウゴ・チャベス大統領が訪問し、ドミトリー・メドベージェフ大統領と会談。エネルギー政策に於ける協力に留(とど)まらず、アメリカに対抗する戦略的協調関係の構築に向け一致した、と僕のイタリア滞在中の22日に共同会見が行われました。
 が、それを、単純な反米主義の戯言(たわごと)と解釈しては、見誤ります。アメリカの単独覇権主義に対する異議申し立てに留まらず、フランスのニコラ・サルコジ大統領が提唱し、13日に創設された「地中海連合」への牽制球。斯(か)くなる深意をも読み取るべきでしょう。
 EU加盟27カ国のみならず、リビア以外の地中海に面する中東・アフリカ16カ国の計43カ国が参加する「地中海連合」は、地中海地域の覇者を目指すフランス主導に反発するドイツに配慮し、「地中海の為の連合」(UPM)へと直前に正式名称を変更しています。そのドイツは、ロシアにガス資源を頼ります。資源無きEU加盟諸国は、誰を向いて外交展開するのかね。斯くなる隠喩が有ればこそ、ニューヨークタイムズも欧州各紙も、チャベス─メドベージェフ会見を写真入りで大きく報じました。
 なのに日本では、写真入りで報じたのは、「毎日新聞」のみでした。資源無きニッポンの護送船団記者クラブは、「鈍感力」に満ちています。

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堂々と公共事業Uターンを 【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」7月28日号】

 1度決めたら覆さないのが行政の性。完遂しないと今までの投資が無駄になる、と「へ理屈」を述べ、当初予算を何倍も上回る補正予算を組んで、多くの納税者が首をかしげる巨大公共事業を続行するのです。が、至らなさは改ためるにしくはなし。発想を大本から変えるべきです。
 山国の知事に就任直後、レタスで知られる千曲川上流の川上村へ車座集会に出掛けると、バンジージャンプの飛び降り台かと見まがう程の、高さ70bを優に超える橋脚が2本、屹立(きつりつ)しています。あれは何と尋ねると、ふるさと農道をウルグアイ・ラウンド対策で建設中。上部の橋げたも発注済みなのだとか。県道も隣接しているのに何故?資料を求めると、19億円の当初予算が63億円に膨れ上がっていました。有り得ない、と僕が声を上げると老獪(ろうかい)な農政部長は「知事、小さく産んで大きく育てるのが公共事業の精神です」。
 環境と財政を破壊する国営諫早湾干拓事業は、漁業者、農業者にとって、百害あって一利なしです。至らなさは改ためるにしくはなし。佐賀地方裁判所の判決を好機として、排水門開門を決断すべきだったのです。
 「せっかく淡水化したのに、農業用水の確保はどうする!」と激高する向きもいます。が、今や水田面積は昭和30年代の半分。他方で明治29年から1度も見直されていないのが慣行水利権。入植者はわずか40戸。眠っている水利権を再活用し、干拓農地へと給水すれば「ノープロブレム」。悪名高きギロチンを開門すれば、赤潮も消滅し、ノリも貝も生き返ります。なのに、山国出身の若林正俊農相は控訴を発表。事業の当初計画では壮大な水田確保、それがいつの間にか水源確保と畑づくりに、最後は防災が主目的に、と朝令暮改。早い話が、農業土木事業を存続したい一心なのです。
 この迷走って、大戦末期の戦艦大和の悲劇と似ています。帰路の燃料確保もままならぬ状況下で出航しても、戦況を一発逆転し得るはずもなく、若き尊い命を失うだけと、誰もが気付いていたにもかかわらず、大和はUターン出来ませんでした。
 話変わって、国土交通省中部地方整備局は過日、天竜川水系の三峰川における戸草ダム建設を中止する方針を公表しました。直轄事業と呼ばれる国の公共事業でも、治水・利水の見返りとして自治体には費用負担が生じます。戸草ダムの場合でも長野県は総事業費1000億円の1割以上を、「直轄負担金」として求められていました。けれども「『脱ダム』宣言」に基づき、再試算、発電、工業用水の2事業共に採算割れ必至と判明し撤退を表明したのが今から7年前。長野県からの直轄負担金がゼロとなり、これがきっかけで今回、着手後の大型公共事業としては初めて、国交省も建設断念に踏み切ったのです。
 直轄負担金を“人質”に取れば、主導権が地方に移る「地方主権」の好例です。ダム建設予定地周辺の用地買収などで既に1000億円を投じていましたが、これこそは、行政や政治の在り方を変える、少々高めの「月謝」。国に盾ついたら、ほかの補助金を削減したり、新規事業の個所付けを認めてくれないよぉ。意気地のない首長や議員がまずは覚悟を決めないと、大半の自治体において、地方主権は夢のままではありますが…。


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地方で新たに政官業蜜月が生まれている

 人事と予算を執行するリーダーには、的確な認識・迅速な決断・明確な責任が求められます。にも拘(かかわ)らず政治・行政の世界では、匿名性に護(まも)られた官僚・役人が人事も予算も牛耳り、旧態依然な施策が供給側の都合で温存されているのです。
 概算要求と称して各省庁が秋に提示する次年度予算案は、与党議員に配布される資料に於(お)いても、主要事業の「概要」に過ぎません。福祉促進、安全拡充と尤(もっと)もらしい四文字を冠した事業が一体、全国の何処で如何なる効果を生むのか、判然としません。
 所轄官庁の大臣も副大臣も、この日本を如何に再興すべきか、哲学も理念も持ち合わせず、“箇所付”と称する選挙区での公共事業や補助金対象の福祉施設の採択に汲々(きゅうきゅう)としているのです。さじ加減を牛耳る官僚組織からすれば、赤子の手を捻(ひね)るが如き話です。
 談合が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)し、財政破綻寸前だった山国で知事に就任するや、守旧派議員・職員、業界の猛反発と闘い、公共事業に留(とど)まらず全ての分野に一般競争入札を全面導入し、従来の8掛けで事業を遂行可能としました。
 全国47都道府県で唯一、6年間連続で起債残高=借金の減少と、7年度連続で基礎的財政収支=プライマリーバランスの黒字化を達成するのと並行し、全国で最初に小学校全学年で30人学級を導入する原資を生み出した秘訣です。
 財政再建を果たしながら縮み思考に陥らず、政治・行政のサーヴィス向上を実現する。当たり前の話です。が、日本の政治や全国の行政で、それが当たり前とならない原因は、解雇・倒産と無縁な官僚・役人が遠隔操縦する政治・行政の世界が、随意契約なる談合そのものだからです。
 霞ヶ関で国土交通省の仕事を厚生労働省が、自治体でも商工部の仕事を農政部が担当する筈もなく、供給側の都合改め消費側の希望に根ざした切磋琢磨(せっさたくま)の共利共生が生まれる訳もありません。而(しこう)して中央も地方も、競争とは名ばかりな指名競争入札や随意契約で受注する企業・団体には先輩諸氏が天下っています。
 政府の取組が遅々として進まず、3名の知事逮捕を経て、1500万円以上は原則一般競争入札に、と全国知事会は2年前に指針を定めるも、導入は十数県に留まる、それが理由です。現職知事逮捕を経て新知事が誕生した宮崎県に至っては4500万円以上に限定し、新たな政官業蜜月状態。既得権益に生きる地元の守旧派が刃(やいば)を突き付けぬ、それが真の理由でしょう。

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今こそ万機公論に決すべし

 国会が会期末を迎えた6月中旬、私が共に敬愛する南方熊楠(みなかたくまぐす)と中上健次が眠る紀州熊野へと、墓参に出掛けました。
 明治政府が強行する神社合祀は“鎮守の杜(もり)”破壊、と断固抵抗した慧眼(けいがん)の博物学者・熊楠が現世の人ならば、地方主権とは対極の思惑で地域社会=コモンズを破壊する市町村合併にも、異議を唱えたでしょう。
 歳月を重ね、僅(わず)か5年半の“痴世”で250兆円も赤字増大。独裁者アドルフ・ヒトラーの寵愛を受けしリチャード・ワーグナーに酷似の髪型が自慢な三百代言・宰相コイズミが世界最悪の借金国へと転落させました。ラスプーチンな相貌の秘書官と二人三脚で、「奇っ怪ニッポン」実現に“後献”した経済学者も、熊楠と同じ紀州藩の出身。
 なれど、件(くだん)の人物は、開明的な開国派を演じた紀州藩とは似ても似付かぬ売国派でした。翻って、熊楠が親交を深めた民俗学者の柳田国男は、農商務省の官吏時代から中央集権な政治を唾棄(だき)し、岩手の地での渉猟に基づき、如何(いか)なる既得権益とも無縁な常民の生活を「遠野物語」に纏(まと)めました。
 帝都復興院総裁として、震災後の壮大なる東京復興計画を立案するも、財源論を楯に衆愚な国会で否決された後藤新平は、奇(く)しくも岩手県は水沢の出身。星霜を経て、同じく水沢で生を受けた小沢一郎が代表を務める民主党は、万機公論に決すべしが結党の哲学。
 然(さ)れど今宵、御参集の4千名の諸姉諸兄よ! 万機公論の答えは既に明々白々。真っ当なる日本再興に向け、「成果」民主主義を掲げる小沢一郎と共に政官業の利権分配ピラミッドを創造的破壊すべし、との。にも拘(かかわ)らず、“会議は踊る”が如き「手続」民主主義を信奉する輩(やから)も未だ内部に散見。故に有権者の半数を占めるウルトラ無党派層は当惑から脱却し得ず。
 混迷する日本には最早(もはや)、ウィーン菓子のザッハートルテを食してメタボに陥る余裕は無く、“康夫ちゃん”と私に友愛の情を注いでくれた畏兄・中上健次が唱えし“ユナイテッド・インディヴィジュアルズ”の気概を今こそ実行に移すべき。
 親子・恋人とて互いの全ては理解・一致し合えず。が、であればこそ、弱肉強食から切磋琢磨の共利共生社会実現に向け、自律した個々人が政権交代の1点でユナイト=連帯を改めて誓う結党10周年の宴に祝福。
 一昨日の盛宴に於ける僕の挨拶です。願わくは、呉越同舟“混成”議員諸氏の理解をも得られん事を。なあんてね。

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所詮、名誉白人として名を連ねるだけか

「THE G8 HYPOCR“EAT”ES」と皮肉満載な大見出しで、イギリスのミラー紙は洞爺湖サミットを報じました。食糧危機を解決する為に参集した筈(はず)にも拘(かかわ)らず、香草風味の乳飲み仔羊 黒トリュフ添えを主菜に頬張りながらHypocrite=偽善者振りを露呈した、と容赦無き論評です。
 気候、食料、燃料と項目毎(ごと)の縦割り会合では解決し得ぬ地球全体の在り方を、鳥瞰図的に議論すべくトップが洞爺湖畔の頂に集う文字通りのサミットだ、と“縁語・掛詞”的に意気込んでた日本政府の面々は、悲憤慷慨(ひふんこうがい)改め意気消沈。小泉八雲=ラフカディオ・ハーンも真っ青な英国版・韻の踏み方であります。
 加えて、新参者のニコラ・サルコジ大統領が、中国・インド・ブラジル・メキシコ・南アフリカの5ヶ国も加わったG13へのヴァージョン・アップを提唱するに至り、アジアで唯一の「先進国」を自任するニッポンの外務省は問題先送りの防戦体制を敷きました。
 が、北朝鮮を巡っての六ヶ国協議でも、蚊帳の外に置かれ続けたのが島国ニッポンです。米英仏独伊日のG6で1975年に発足し、爾来35年。カナダ、ロシアも加わりG8に拡大しようとも、唯一の黄色人種国家ニッポンは“名誉白人”として名前を連ねるに過ぎません。EU代表も加わっての記念撮影の光景を眺める度、痛感します。「一人前」に扱われるのは、国際貢献と称して奉加帳に書き込む金額のみです。
 チベット人権侵害問題を抱える中国は「先進国」たり得ず、と島国根性で難色を示した所で早晩、拡大は既定事実です。ならば、“逆転の発想”でG6創業メンバーの日本は、イスラム圏からトルコも加わったG14とすれば白人社会の“不吉な数字13”をも超越し得る、と以下の戦略的提案こそ行うべきです。
 トルコからの移民を肉体労働者として酷使しながら、EU加盟を求めるトルコを問題先送りする欧州にとっても、イスラム教徒が主体の新疆ウイグル自治区を抱える中国にとっても、更には階層社会を隠蔽し続けるインド、ブラジル、南アにとっても、トルコが加わったG14は、二枚舌、三枚舌な大言壮語だけでは先送り不可能な土俵へと、日本主導で引き込む戦略たり得ます。
 然(しか)もトルコは誰もが認める親日国。加えて、黄色・黒色・白色の面々が並んだ記念撮影は、創業者の1員たるニッポンを名誉白人以上の地位へと引き上げます。ニャのに、どうして島国の害・無能省は拡大サミットに抵抗し続けるのでしょう?

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人事と予算は切符切りにあらず

 如何(いか)なる組織に於(お)いても、マネジメントを司る者には人事と予算の権限が賦与されています。それは基本なのです。
 無論、読者諸姉諸兄の勤務する組織の責任者が、首を傾(かし)げざるを得ない情実人事や新規事業に“現(うつつ)を抜かす”場合も起こり得ましょう。が、斯(か)くなる状況が続けば、市場=消費者と株主がそっぽを向き、経営者も企業も淘汰されていきます。であればこそ、人事と予算の権限がマネジメントに賦与されているのです。
 翻って政治ならぬ、官僚統治の「官治」が横行し続けるのは、人事も予算も永田町ではなく霞が関で作成・決定されるからです。閣議も国会も、追認しているに過ぎません。仮令(たとえ)、幾つかの人事と予算に物言いが付こうとも所詮、速度違反取り締まりで幾台かが切符を切られるのと同じスケープゴート的アリバイ作りでしかありません。
 行政職8000人のマネジメントを司っていた知事時代、人事を活性化すべく部長、課長級に留(とど)まらず、課長補佐級に至る職員と年間600人余り、面談を続けました。配属希望部署を具体的に有する若手、中堅職員、更には新規部署創設時の庁内公募面接も含めれば、その総数は年間1000人に達します。
 従来は知事との蜜月関係を保っていた労働組合からは、如何なる根拠を以(もっ)てか、「直接面談は信頼関係を損ねる」と糾弾され続けました。が、僅(わず)か2名の部長・副知事歴任者が40有余年に亘(わた)って知事を務め、上を向いて歩く一部の“平目”(ひらめ)職員のみが栄達を遂げる閉鎖的翼賛体制に陥っていた庁内の空気を打破するには、知事でなく県民を向いた“一隅を照らす”仕事を行う、有為なれど不遇な職員の登用が、現場主義・直接対話を掲げて就任した任命権者として不可欠と考えたのです。
 併せて、執行権者として予算編成に心血を注ぎました。最初に着手したのは、公共事業予算は単位100万円で予算書に記載されるのに対し、福祉・教育等の予算は単位1000円である“官尊民卑”思考を打破するべく、全(すべ)ての予算書を単位1円としたのです。
 桁(けた)数が多過ぎて印刷し切れない、と財政改革チームが音を上げると、良い意味での朝令暮改。即ち億・万・千の漢字と数字を併用した予算書へと改善し、より視覚的に血税の執行に携わる公僕としての覚悟を醸成しました。人事と予算に関し、稿を次週も重ねます。

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長い物に巻かれる意気地の無さよ

国土交通省中部地方整備局は、南アルプスに源流を発する三峰川上流で事業化していた戸草ダムの建設断念を、天竜川水系河川整備計画素案に盛り込みました。
本体工事こそ未着手なれど、過去20年間で用地買収や工事用道路等へ約100億円を投じた事業の中止は、同整備局にとって初めての「脱ダム」転換となります。
「直轄事業」なる符丁の下に国が実施する各種の公共事業でも、地元自治体には費用負担が生じるのです。治水としての洪水対策、利水としての工業用水・発電等の多目的ダムに当たる戸草ダムの場合、総事業費1000億円の約1割を長野県が拠出する計画でした。
が、9つの県営ダム計画を中止し、ダムに拠らない治水と利水を目指して2001年2月に発した「『脱ダム』宣言」から3ヶ月後、ガラス張り知事室で県企業局長は僕に、具体的試算に基づく進言を行いました。戸草ダムの利水事業から撤退すべきです、と。工業用水利用量は減少し、電力会社への売電事業も黒字化は困難で採算が取れないと述べた「彼」こそは、驚く勿(なか)れ、“名刺折り曲げ事件”の当事者でした。
知事に就任した以上は、我々と共に県民益を創出すべく侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を行うチームの一員なんだから、名刺交換なんて儀礼的行為は省きましょうよ。斯(か)くなる積極的意思表示だったにも拘(かかわ)らず、折り曲げる瞬間の映像が報じられて誤解された彼は、面従腹背の県庁幹部が大半だった中で、数少なき「脱ダム」の理解者でもあったのです。
 爾来(じらい)7年、県の事業撤退を切っ掛けに中断へと追い込まれていた戸草ダム計画の中止を、国交省も公文書化したのです。それは、補助金や交付税に象徴される中央・地方の上下関係も、直轄負担金を人質に取れば、主導権を逆転し得るのだ、と物語る地方主権の好例ではありますまいか。
 翻って、近畿地方整備局の諮問機関たる淀川水系流域委員会が「脱ダム」すべしと意見書を提出したにも拘らず、当該4ダム計画は予定通りに推進する、と冬柴鐵三大臣が過日、胸を張ったのは何故でしょう?
驚く勿れ、「維新」と称して福祉・教育予算を大幅削減する大阪府知事の橋下徹氏は、元鳥取県知事の畏兄・片山善博氏も慨嘆するが如く、件(くだん)のダム計画の直轄負担金を拒否するどころか満額回答を黙認しているのです。「強きを助け、長い物には巻かれる」意気地の無さ。老獪(ろうかい)なる自由民主党が彼を支持する理由が、お判(わか)りでしょ!

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「公」と「私」の原義を知ってるか

 「私」の禾偏(のぎへん)は、禾穀(かこく)類=小麦を意味します。対して、旁(つくり)のムは肘鉄を意味する象形文字。即ち、丹精込めて栽培した小麦を、夜陰に乗じて盗みに来る輩には肘鉄を食らわせるぞ!自身の所有であると宣言する。それが「私」の原義です。
 では、「公」は?肘鉄を人が包み込んでいるのです。が、閉じた脚ではなくハ、と上部が開いている点が肝要。臭い物には蓋(ふた)、と隠蔽するのでなく、“自分さえ良ければ構わない”、こうした偏狭な意識を人間の体温で溶解させる。それが「公」の原義なのです。
 人間、食うや食わずでは隣人愛を説く余裕も生まれません。然(さ)りとて、腹8分目どころか腹12分目に至っても猶(なお)、独り占めを画策するのは独占禁止法違反。腹6分目を達成したら、残りは周囲と分かち合う。それが、「公共」なのです。
 にも拘(かかわ)らず、“神の見えざる手”をも有するのはCEOの自分だと、大言壮語する19世紀的心智の経営者が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する昨今です。
 のみならず、政治ならぬ官治のニッポンでは下水道を扱う官庁も、驚く勿(なか)れ、縦割り行政で細分化されているのです。一般的な都市下水道は国交省、農業集落排水と呼ばれる農山漁村の下水は農林水産省、屎尿(しにょう)と生活排水の合併処理浄化槽は環境省。公ならぬ私の縄張り争いです。
 而(しこう)して、敷設時には費用の7割を国が負担するものの、人口や地勢に関係なく全国一律の配管を強いる下水道は、地元自治体が維持管理費を全額負担。造るは良い良い、お後が怖い、賄い切れぬ財政破綻の自治体が続出しています。中小規模自治体は寧(むし)ろ、実情に応じた規格で敷設可能で維持修繕も適価で可能な合併処理浄化槽を、超少子高齢社会のニッポンでは積極的に導入すべきなのです。
 僕も顧問に加わって、上水道も含めた水行政の一元化と公共の所有物たる「水」を統合的に再構築する「水管理基本法」の制定を目指して全国の市民が集う「水制度改革国民会議」が6月3日に発足しました。
 河川の水利権見直しも急務です。何故って、一部=私の農業者や漁業者の「慣行水利権」は、驚く勿れ、明治29年から一度も見直されぬ儘(まま)に今日へと至り、水田面積は昭和30年代の半分となった現在も、使われぬ水利権は既得権益として返上されず、その為、高く不味(まず)い水を飲まされる不要無用なダム建設計画も未だ撤回されずにいるからです。公とは公共改め私益事業では無いのです。

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「自動車絶望工場」から35年のこの現実

 
関東自動車工業株式会社の最大株主は、トヨタ自動車株式会社。その出資比率は50%を超えています。因(ちな)みに大株主第2位に名前を連ねる信託銀行の出資比率は4%以下に留(とど)まります。
「私たちは、トヨタグループの中核を担う開発・生産拠点として、乗用車を中心としたトヨタ車の開発・生産準備・生産を行っています。」とホームページの最上段で謳(うた)う件(くだん)の会社で、秋葉原無差別殺人事件の容疑者は勤務していました。
 奇しくも犯人と同じ青森県出身の鎌田慧氏が、「ある季節工の手記」なる副題を冠し、トヨタ自動車本社工場での半年間の勤務経験を踏まえて1973年に上梓したルポルタージュ作品「自動車絶望工場」から、35年が経過しています。
 一昨年来、キヤノン株式会社の「偽装派遣」が耳目を集める中、「製造業の構内業務請負を行う」と会社沿革に記す1981年設立の日研総業株式会社の派遣社員として東富士工場の塗装工程に配属されていた彼にとっても、ある種の「絶望工場」だったのでしょうか?
 が、だからといって、「職場への嫌悪感が事件の背景に」(「朝日新聞」)と早くも30歳前後で年収1千万円台に到達する新聞社・TV局の正社員の皆々様が、安全地帯に自らの身を置いた儘(まま)、“書き割り”的な解説を行った所で何らの解決にも至らず、況(ま)して、殺人が免罪される筈(はず)もありません。
 「国民に深く謝罪する。しかし米国産牛肉は安全だ」と5月22日の対国民談話で大言壮語な失言をした大統領に対し、海の向こうの大韓民国では連日、全土で数十万人もの人々が、李明博政権に抗議する“ろうそく集会”に参加しています。
 大学生や子供連れ家族に留まらず、ろうそくを片手に白い仮面を被って静かに抗議する集会には、驚く勿(なか)れ、小中高校生も多数参加し、彼らや彼女らは反・李明博サイトに「嘘吐(つ)き政府」と書き込んでいるのです。
「教師に集会を監視させ、主導する学生を調査させ、参加した学生に退学をちらつかせ脅す」「政府の対応は副作用を引き起こし」、「『大統領は嫌なヤツ』というムードが高まった」とジャーナリストのコ・ジョエル氏は記しています。
 翻って不感症なニッポンでは、三百代言宰相・小泉純一郎こそ諸悪の根源とPL法適用を求めるどころか逆に、未だ善男善女が嬌声を上げ、若者も「殺人予告」に対する傍観者的コメントを書き込むのみです。いやはや、去勢されてますなぁ。

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おいおい、冗談も休憩休憩にせよ

 嘗(かつ)て、“交通戦争”と呼ばれし往時には年間1万人を超えていた交通事故死亡者は昨年、5743人へと減少しています。他方、先進7ヶ国(G7)の中で最も自殺率が高い日本では1998年以来、年間3万人以上もの国民が自ら命を絶っているのです。当時の国家予算の2倍以上もの戦費を投じた日清戦争に於(お)ける戦病死者1万3千余名を遙(はる)かに上回る数値を更新し続けています。
 にも拘(かかわ)らず、何ら実効性の伴わぬ抽象的な文言が羅列された「自殺対策基本法」を2006年に施行しただけに留まる政府は逆に、自殺抑止対策とは程遠き、「都道府県別自殺率ランキング」の作成には税金を投じる本末転倒振りです。
 しかも、霞が関の情報お貸し下げギルドたる日本特有の護送船団・記者クラブに加盟するマスメディア各社は、「自殺の連鎖」を防ぐべくWHO=世界保健機関が発した「報道のガイドライン」に唾するが如く、大々的に47都道府県別一覧表を報じて、自殺増進に寄与する有り様です。
「(自殺者が3万人を超えようとも)何も悲観する事はない。頑張って欲しい」と実に三百代言な口上を首相在任時に発した稀代の香具師(やし)・小泉純一郎の治世改め痴世の間に齎(もたら)された、殺伐ニッポンを透写しています。
 本紙の盟友「週刊現代」誌に拠(よ)れば、「財政再建と徹底した政府の無駄遣い排除」を、件(くだん)の宰相経験者は近頃、力説しているそうな。おいおい、冗談も休憩休憩にして頂きたい。総額1000兆円に達する日本の借金の4分の1、250兆円は、僅か5年半の彼の痴世で“創出”されたのです。
 政策シンクタンク「チームニッポン」提供で毎週土曜22時からBS11デジタルで放送の30分番組「にっぽんサイコー!」の冒頭に登場する「日本の借金時計」が如実に示す様に、1週間で1兆2千億円もの借金が増加しています。それは奇しくも、日本を代表する総合食品産業・味の素の連結売上高と同額。
“なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ”構造改革なる羊頭狗肉な社会破壊の元凶者こそ、後期高齢者医療制度を始めとする奇っ怪ニッポンの製造者責任を問うべくPL法に基づき、国会で証人喚問すべきではありますまいか。にも拘らず、税金で生活しながらオペラとゴルフ三昧な御仁を赦(ゆる)し続けるお人好しなニッポンも、奇っ怪そのもの。

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安全地帯に身を置く臆病者たちよ

「民主主義の根幹たる選挙制度を否定する凶悪重大事件」。長崎地方裁判所の松尾嘉倫裁判長が5月26日に言い渡した判決には、「違和感」を禁じ得ません。
 殺害相手が長崎市長だから、殺害時期が選挙期間だから、「民主主義」と「選挙制度」を否定する「言論封殺」は許し難い、との“三段論法”に、僕は違和感を抱くのです。然(しか)るに、論説委員が物する新聞各紙の社説も総じて、同様の心智で断罪しています。
 如何(いか)なる殺人も正当化される筈(はず)はなく、と同時に、如何なる殺人にも優劣の差など有り得ません。それは所与の公理なのです。とするならば、図らずも判決も社説も、人間には貴賎上下が存在する、との選民意識に裁判所や新聞社が無自覚にも立脚する深層構造を露呈しています。
 翌27日、渋谷区の自宅で姉をバラバラ殺人した弟に対し、東京地方裁判所は懲役7年を言い渡しました。「尊属殺」に対する法定刑が死刑・無期懲役に限定されているのは憲法違反、との司法判断を最高裁判所が下し、1995年の刑法改正で当該規定が削除されたるが故の“軽刑”です。
“ノーブレス・オブリージュ”に言及する迄もなく、「覚悟」を持ち合わせぬ人物が、政治家や言論人を名乗るべきではありません。たかが作家、たかが知事、たかが議員の職歴を有する僕の、それは哲学です。 
 にも拘(かかわ)らず、哀(かな)しい哉(かな)、自尊心のみ肥大化した凡百の政治家や言論人は、安全地帯に身を置いた上で権限や発言を行使する臆病者=カワードだったりするのです。
 繰り返しますが、長崎市長殺人は免罪される筈もない行為です。が、「選挙民の選挙権の行使を著しく妨害し」、「民主主義の根幹を揺るがす犯行」と断罪する判決文には、違和感を覚えるのです。一体全体、日本の「民主主義」は斯(か)くも崇高で、日本の「選挙制度」は斯くも清潔な代物、と断言し得るのですか、と。更には、日本の「言論機関」は斯くも完璧な代物、と断言し得るのですか、と。
 長い物に巻かれる弱虫な権威主義の面々が、夜郎自大な強がりを述べているに過ぎないのではあるまいか。だとすれば、強きを助け・弱きを挫(くじ)くニッポン談合社会に生きる市井の臣は、救われませんですなぁ。

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サンダーバードの精神に国境はない

「地震・津波等の天変地異、内戦や飢餓等に直面する地域での救助活動や医療支援、住宅再建へ駆け付ける、富国強兵とは対極の『国際救援隊』を創設し、“生活の安全保障”という経世済民の気概を抱いた新しいリーダーシップ、ソフトパワーの貢献で世界から信頼を得る国家を、アメリカとアジアの間に位置する太平洋の島国・日本は目指すべきなのです」。
 昨夏の参議院議員選挙に際し、「新しい日本宣言。」に記した内容です。阪神・淡路大震災発生4日後に50ccバイクで現地へ入り、半年近くに亘(わた)って避難所やテント村、仮設住宅を回った僕の体験に基づく哲学です。
 出来る事を出来る人が出来る場所で出来る限り。汗を流す者も、智恵を出す者も、金を出す者も、その営為に優劣の差は無いのです。FAXで連載原稿を送信可能ならば、東京を離れてヴォランティア活動を続行し得た僕に、であればこそ、数多くの知己が協力を申し出てくれたのです。
 野菜ジュースを手渡す事から始め、寒風吹き荒(すさ)ぶ被災地の子供に靴下を、家族も自宅も失った女性を元気付けるべく1本の口紅を、と行動した僕の体験は、山国で知事を務めし時分に隣県で発生した中越地震でも活かされました。例えば、ペットが居るので避難所に移れず半壊家屋に留まる被災者の下へと、御用聞きの精神で1軒毎に尋ねる独自の活動を、延べ2千人近い派遣した県職員が実行したのです。
 太鼓を叩いてテレビ局や新聞社が告知する各社別の募金も、最終的には「共同募金会」へと一元化され、必要な現場に必要な支援が到達する迄に時間を要しがちな「現実」を痛感していた僕は、 長野県独自の募金も開始。信用して下さった全国の方々から1億円余りの募金を頂戴し、有効に活用する中で、結露に悩む避難所生活者に除湿器を1台づつ寄贈しました。
 とまれ、20日夕刻、元麻布の中華人民共和国大使館、北品川のミャンマー連邦大使館を訪問した僕は、孔鉉佑公使、ラー・ミィン大使に弔意を表すると共に、各100万円を手渡しました。イデオロギーや国境を超えて、「サンダーバード」の精神を日出ずる国が率先実践してこそ、名実共に「信じられる日本」たり得るのです。松下電工中興の祖たる今は亡き畏兄・三好俊夫会長が大震災時、同様の諌言(かんげん)を述べていたのを想起しました。

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「損して得する」公理こそ肝要だ

 ジョージ・W・ブッシュちゃんが年初に発表した減税政策は、総額15兆円。因(ちな)みに日本の経済規模はアメリカの約3分の1。5兆円規模の減税に当たります。
 不況時には減税を敢行する。ジョン・メイナード・ケインズの公理に基づく今回の施策は、高額所得層に留(とど)まらず、低額所得層にも及びます。
 それは、一人ひとりの市民を信ずる民主主義に基づく減税でもあるのです。即ち、可処分所得の増大は一般消費の増大を促すのですから。
 1ヶ月前を想起してみましょう。公共交通機関が衰弱した地域では今や、一家に1台ならぬ1人1台の保有状況。1リッター25円の減税は、40リッターを給油すると1000円分の可処分所得を生み出しました。
 エッチな野口英世も積もれば山となり、月末には家族で食事に出掛けよう、と心理的財布も拡大します。春物のブラウスを愛妻に買い求める余裕も生まれます。それらは、租庸調の如くに不透明・不特定財源として国庫に徴収されていた3月末迄とは異なり、地域経済に確実に寄与したのです。
 アメリカでは州税は州法で規定され、税目、課税ベース、税率の何(いず)れも州政府が自由に設定可能です。1990年代の10年間に、行政努力も無い儘(まま)に増税を実施した上位10州、敢(あ)えて減税を敢行した上位10州の各種数値を全米50州平均と比較した、ケイトー研究所の調査結果は象徴的です。
 無論、個人所得1000ドル当たりの税収増加は、減税実施の上位10州では50州平均を下回っています。が、個人減税のみならず新規産業進出に対する積極的減税も功を奏して、雇用の伸び率も個人所得の伸び率も、更には一般消費の金額も、その何れもが50州平均を大きく上回ります。
 他方、増税上位10州は、税収増加こそ50州平均を上回っているものの、雇用も所得も消費も下回っています。“損して得する”の公理こそが、景気浮揚策に求められているのです。
 とするならば、「財政再建」と称して増税を企む与謝野馨氏や麻生太郎氏、1000兆円を超える借金財税国家にも拘(かかわ)らず、50兆円の“埋蔵金”に他力本願する中川秀直氏、その何れもが本質を捉えていません。二項対立的イデオロギーから抜け切れぬ日本共産党や社会民主党が唱和する減税とは凡(およ)そ異なる文脈に於いて、消費者の希望に根ざした税制改革のヒントが、アメリカの減税策には存在するのです。

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経済のけの字もわきまえぬ島国野郎よ

「税制抜本改革」なる羊頭狗肉な惹句(じゃっく)の下に、消費税率引き上げ、即ち「増税」を今秋に断行してこそ責任政党・自由民主党の面目躍如、と唱和する面々は、いやはや、経済のけの字も弁(わきま)えぬ夜郎自大な島国野郎に他なりません。
 碩学(せきがく)ジョン・メイナード・ケインズを引用する迄もなく、不況時には減税を敢行し、雇用を創出する公共投資を行う。その公理は、21世紀の今も生き続けているのです。にも拘(かかわ)らず、日出ずる国ニッポンでは、相も変わらぬ旧来型の公共事業=道路建設に拘泥しているのですから、投資効果が生まれる筈も有りません。
 人が人のお世話をして初めて成り立つ福祉・医療・教育・環境に傾注投資してこそ、超少子・超高齢社会に於ける新しい雇用を創出し得ると捉えるべきです。
 縦(よ)しんば、直ぐには構造転換が儘(まま)ならぬ全国52万社の土木建設業に従事する、その家族を含めれば優に2千万人を超える人々の生計を考えるなら、新規道路の建設計画ではなく、電線地中化や歩道整備も含めた既存道路の維持修繕こそを充実させ、併せて、従来は孫請け、ひ孫請けに甘んじていた面々が直接参加可能なB to B型入札の徹底で、元請けと呼ばれるゼネラルコントラクター=ゼネコンの「中抜き」を断つ事です。
 が、想像力や洞察力に欠けた“偏差値坊や”が集う官僚組織やマスメディアは、今や絶滅寸前な希少動物と化した自由民主党に肩を貸すかの如く、「歳入欠陥」を防ぐ為にも道路特定財源の暫定税率分「再議決」は必須だと甲走(かんばし)り続けました。
 呵々(かか)。先(ま)ずは、奇っ怪ニッポンの「歳出欠陥」を是正する事こそが急務でしょうに。財政破綻国家ニッポンの“借金時計”は僅か1週間で、1兆1500億円も借金が増大し続けて、それは日本を代表する総合食品企業・味の素の連結売上高と同じ額なのです。
 その一方で、6千億ドルにも達する政府保有の米国債は、1ドル=115円の昨秋時点では70兆円だったのが、ドル安の今春にはニャンと7兆円近い為替差損を生じています。ユーロを始めとする多数の外国債でリスクヘッジする智恵すら抱かぬ儘、「歳出欠陥」に加えて「為替差損」を生み出してもノー・プロブレームな士族ならぬ官族の垂れ流しです。
 これらを改めぬ儘、仮に消費税率を10%に倍増したなら、民間消費は2.7%減少、国内総生産(GDP)も1.9%減少する、と三菱総合研究所は予測しています。詰まりは、マイナス成長に陥るのです。「消費税率の引き上げは政府への資金移転を意味し、経済活動の縮小を齎(もたら)す」との警告は、経済学のイロハです。
 ニャのに、偽装派遣・偽装請負で“勇名”を馳せたキヤノン株式会社の御手洗冨士夫氏は、「消費税率10%を実現せねば、日本に安定した未来は訪れず」と日本経済団体連合会の会長として19世紀の経営者かと聞き紛う御発言を大言壮語する始末。いやはや、「暗黒な未来」の誤植では?

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長い物に巻かれても所詮は裏切られるだけ

「山口の活性化に全力」とポスターに刷り込んだ自由民主党公認候補は、「耐震偽装」が発覚した際の国土交通省住宅局長。無論、その履歴は徹底して隠蔽され、出馬表明直前の3月上旬まで務めし内閣官房地域力活性化統合事務局長の肩書を、殊更に強調しました。
 が、好事魔多し。対抗馬の応援で2回、鳩山由紀夫氏や菅直人氏、小沢一郎氏と岩国、柳井、光等の各市に入った僕が演説で、以下の事実を暴露してしまったのです。
皆さん、産業再生機構の地方版として内閣府が設立準備を進めている「地域力再生機構」。名前だけ聞けば、期待を抱くでしょ。冗談じゃぁない。エイプリルフール4月1日の記事を御覧になりましたか。再生支援事業の目玉案件はナント、経営危機に陥っている新銀行東京なんですよ。商店街や町工場が元気を取り戻すのとは正反対。強きを助け弱きを挫(くじ)くって寸法だ。その事務局長だった人物が「山口の活性化に全力」と叫んでる。信じられますか、と。
政権与党を批判するのは簡単です。が、そうは言っても長い物に巻かれておいた方が無難だから、と考える向きが半数近くは世間に存在していて、この手の人々は欠かさず投票所へと足を運ぶのです。斯(か)くなる善男善女に、長い物に巻かれようとしても所詮は裏切られるだけ、と気付いて貰う必要が有ります。
 山口県の道路舗装率は全国4位の93%。にも拘(かかわ)らず、土木建設業に従事する周囲の御友人が、もっと公共事業費を増やして欲しい、と愚痴っているのは何故でしょう?
6割近くの費用を国が負担してくれる県道や市道の建設とは異なり、維持修繕費用は全額地元負担。にも拘らず、山口県を含む大半の県では、東京や大阪に本社を構えるゼネコン系列の鋪道会社が元請けで、地域の人々を雇用する地元企業は孫請け、ひ孫請けに甘んじているのです。
 地元企業が直接受注可能な入札制度改革を推進した僕の経験を踏まえて、中央搾取型から地域密着型へと公共事業を転換し得るのは、羊頭狗肉な「地域力再生機構」設立の責任者だった御仁では断じてない、とトドメを刺しました。
 が、馬耳東風な政権与党の面々は敗北後も、25円増税を是が非でも復活せねば、と19世紀の帝国主義者の如き時代錯誤な言説に固執し、強行再議決に走っています。いやはや、中央搾取の利権政治から地域還元の幸福政治へと大転換せねば、日本に未来は訪れません。


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先手必勝の先例を 【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」4月28日号】

 揮発油税等の暫定税率が失効し、ガソリン1リットル当たり25円「減税」が4月1日から実現しました。その後、参議院では16日の本会議で、道路特定財源を10年間維持する道路整備費財源特例法改正案の趣旨説明が行われ、財政金融委員会に付託、審議する運びとなりました。
 自民、公明の両党は、衆議院では国土交通委員会で審議したのに、民主党が委員長を握る財金委での審議は恣意的だと騒いでいます。が、前例踏襲のオツムでは解決不能なのが、参院で与野党逆転した現在の政治。財政に関わる法案なのですから財金委で話し合う新たなルールを設定したまで。江田五月参院議長も、民主的ルールの多数決で議院運営委員会が付託先を決定した話、と取り合いませんでした。
 寧ろ問題なのは、以下の恣意的「対策」です。暫定税率問題を巡って政府与党は、ガソリンスタンドの経営悪化に対応すべく、数十億円の税金を全国石油協会に投入して基金を創設し、特別利子補給制度を開始すると述べているのです。
 ちょっと、待ってください。今回の25円は「減税」分。元々、税金として国庫に納付されていた25円です。石油会社や販売会社の利益が削られた訳ではありません。なのに、どうして、数十億円もの税金を全国石油協会に投入するのでしょう?
繰り返しますが、今回の減税で利益が減少した訳ではないのです。仮に経営難のガソリンスタンドが有れば、全国8ヶ所に位置する経済産業省の経済産業局と各都道府県の商工部門が連携して、経営改善の指導・支援を行うのが筋です。
 おっと、謎が解けてきました。全国石油協会は長年、自民党に多額の献金を行ってきた団体だったのです。夜陰に乗じて、税金から“キックバック”を画策しているのかも知れません。
 供給側の都合ではなく、消費側の希望に根ざして、より良き社会を実現していくのが、政治です。であればこそ、野党は今回、不透明・不特定財源として遊行費にも“流用”していた、羊頭狗肉な道路特定財源の暫定税率分を減税し、25円を消費者に還元したのです。
 公共交通機関が衰退している地域に暮らす世帯にとって、ガソリン代が家計に占める割合は、都会とは比較にならぬ程に高いのです。一家に1台ならぬ1人1台の自動車通勤だからです。
 今回の減税で、家族で食事に出掛ける余裕も生まれました。春の新作ブラウスが欲しいわ、と愛する妻にせがまれても笑顔で応える余裕も少し生まれました。何れの出費も、地域経済が元気を確実に取り戻す効果を創出します。
中央搾取の利権政治から地域還元の福祉政治へと大転換する切っ掛けが、今回の25円減税なのです。にも拘らず、行政の無駄も省かぬ儘、「何も決められない政治の責任は野党にある」と自民党の大島理森国対委員長は、天に唾する発言を繰り返しています。
それは福田康夫首相も同様です。「何時まで下げているんですか?」と明後日ならぬ一昨日の方角に向かって愚痴り、「物価は上がるものなんです」と聴衆の前で大言壮語する迷走振りです。更に大島氏は、「参院の意思を早く示せ」と挑発も行う始末です。
暫定税率復活に反対する世論は明白。ならば、与党が再議決をする前に、参院で野党が法案を否決する“先手必勝”を敢行してこそ、国民の意思を反映する参院の面目躍如というものではないでしょうか。これまた、新しい先例の誕生です。


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流れる川は壊すな、「直せ」!

 食糧自給率向上の命題を抱えるとは言え、日本に於(お)ける水田の面積は昭和30年代から半減しています。即ち、農業用水として河川から実際に取水している分量も、許可されている水利権の半分程度と看做(みな)すのが妥当でしょう。
 驚く勿(なか)れ、こうした慣行水利権は明治29年から、一度も見直しが実施されていないのです。“眠った”水利権は、農業用水に限りません。技術進歩に伴って、工業用水の利用量も減少を続けています。
 川を流れる水は、一部の人々の既得権益に非ず、皆で分かち合う公共物なのです。斯(か)くなる考えに基づき、不要分の水利権を返還した企業や農家には減税措置を講じ、上水道向けに“転用”したなら、ダムを新設する必要性も解消します。
 国土交通省近畿地方整備局の諮問機関・淀川水系流域委員会は昨22日、「脱ダム」を求める意見書を提出しました。滋賀県大津市の大戸川ダム、京都府宇治市の天ヶ瀬ダム、三重県伊賀市の川上ダム、滋賀県余呉町の丹生ダム、以上4基の「ダム建設の『実施』を淀川水系河川整備計画に位置付ける事は適切ではない」との。
 40年後には現在の3分の1へと人口が激減する日本は、道路もダムもハコモノも、造り続けて財政と国土を壊すのではなく、直し始めて福祉と自然を創る哲学へと大転換すべきなのです。
 総工費1230億円を投じても猶(なお) 、上水道を伊賀市に安定供給する上で川上ダムは必要不可欠、と国交省は高言します。が、近接する既存の青蓮寺ダムに“眠る”9万トンもの大阪市が保有する水利権の一部でも伊賀市に譲渡したなら、一気に問題は解決するのです。
 にも拘(かかわ)らず、周囲の宦官に操られる元MBS=毎日放送アナウンサーの大阪市長は、70kmも離れた山中の水利権を、仮に有償であろうと譲渡出来ない、と腹話術人形を決め込んでいます。
 今回の「『脱ダム』意見書」は、画期的です。が、巨大な利権製造装置を是が非でも死守したい守旧派は、建設中止を決断するどころか、「再検討」を逆手に取って、調査費等を更に浪費し続け、問題先送りを決め込むでしょう。何せ近時は、治水効果も未知数な「穴あきダム」などという本末転倒なハコモノ行政をも提案し始めたのですから。
 いやはや、永田町のリーダーが交代しなくては、中央搾取型の利権政治から地域還元型の福祉政治へと転換するのは至難の業。8つのダム計画中止を国交省に認めさせた僕の実感です。

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福田&舛添コンビは何もわかっちゃいない

75歳以上の1人当たり医療費は、75歳未満と比べて4倍も高い。厚生労働省の大本営発表です。
が、1症例当たりの医療費は、心疾患や脳血管疾患では寧(むし)ろ低いのです。畏友・川渕孝一東京医科歯科大学大学院教授の調査結果に拠(よ)れば。
「長寿医療制度」と羊頭狗肉な名称変更を、施行当日に泥縄対応した福田&舛添コンビは、川渕氏が指摘する以下の2点を拳拳服膺(けんけんふくよう)すべきです。
「要医療」と「要介護」の線引きは極めて難しく、故に後期高齢者医療制度と介護保険制度を合体した、即ち医療から介護まで一貫して提供する「地域包括ケア」の保険制度を導入すべき。
 治療中心から予防中心の医療へと切り替えねば、対象人口が今後6年間で24%も増加する「後期高齢者」医療は、1人月額平均1万円の負担増を強いる今回の制度導入を以てしても早晩破綻する。
 僕が知事を務めた山国は嘗(かつ)て、塩分摂取過多な食生活でした。議論好きで知られる彼らは、炬燵(こたつ)を囲んで漬物を貪り、清酒を呷(あお)り、口角泡を飛ばして自説に固執する、些(いささ)か唯我独尊で岩波・朝日的権威主義を尊ぶ“県民性”です。
 甲論乙駁(こうろんおつばく)な議論の途中で生理現象を催し、往時は戸外に設けられていた厠(かわや)へと向かうや、脳卒中を起こして雪の中で永遠の眠りに就いてしまう。斯(か)くなる昇天の頻度が高かったのです。
 佐久総合病院や諏訪中央病院に象徴される“農村医学”の現場で勤務する医療者は、保健師と共に集落を回り、減塩運動を展開しました。
 それまでは直接、冷や奴に醤油を掛けていた人々に、必ず小皿に注いで、少し浸すだけで食しなさい、と食生活改善運動を始めたのです。
減塩の総菜を1品、食卓に並べなさい、と繰り返しても人々が従わないのを見て、塩を一切使わない料理のコンテストを開催しました。
 と同時に早期発見・早期治療の、詰まりは医療と福祉と介護をシームレス=継ぎ目の無い形で提供する「地域包括ケア」を70年代から試み、全国屈指の長寿でありながら、最も医療費が低い実績を齎(もたら)すに至ったのです。
 それは、改革ならぬ破壊と破滅を止めないと大言壮語した小泉純一郎なる三百代言な厚生族議員が導入した、高齢者切り捨て・保険会社&製薬会社厚遇政策とは対極に位置する経世済民な運動だったのです。

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「民主内紛に喝」児戯に等しい“アパルトヘイト原理主義”

 違うでしょ、と昨夜から今朝に掛けての「報道」に、思わず慨嘆したくなりました。「日銀人事・民主党内事情・・『戦闘モード』で不同意/『反小沢』の動き表面化も」と見出しを打った共同通信の記事は象徴的です。「渡辺博史前財務官の副総裁起用案に不同意を決めたのは、福田政権を徹底的に追い詰めようという『戦闘モード』に入った小沢一郎代表の意向を尊重せざるを得なかったという事情が有る」「小沢氏に距離を置くグループを含め渡辺氏容認論も広がっていただけに、これを切っ掛けに秋の代表選に向けて『反小沢』の動きが表面化する可能性も否定出来ない」
 呵々(かか)。時計の針を戻してみれば、財務省出身者は×、と「出自」で諾否を決する“アパルトヘイト原理主義”を蛮声(ばんせい)したのは、「反小沢」の旗頭・仙谷由人氏です。「枝野幸男、前原誠司ら党内の中堅・若手議員の後見人的ポジション」を自任する彼は、国会同意人事検討小委員会の委員長。「財政と金融の分離」を楯に、元財務事務次官・武藤敏郎氏の総裁就任は罷(まか)り成らん、と“狼煙(のろし)”を上げたのです。
 無論、その“深意”は、「出自」ならぬ「資質」の観点から武藤氏の容認も有り得る、と当初は考えていた小沢氏に対する狼煙に他なりません。周囲も認める“真意”です。斯(か)くなる事情も熟知した上で小沢氏は、万機公論に決してこそ民主党、と唱和する反小沢勢力が掲げる「天下り禁止」「財金分離」の「原理原則」に従ったのです。
 にも拘(かかわ)らず、実は日和見(ひよりみ)主義でもあった彼らは、実質5回目の人事提示をも拒否するのは如何(いかが)か、と大義名分にも成り得ぬ情念的理由で突如、「天下り容認」「財金合体」を大呼し始めます。その深意にして真意は、「日銀人事を政争の具に使っている」との批判が小沢氏に向けられるのを狙った確信的愉快犯の“心意”だったのです。
 詰まり、「政争の具」に利用し続けたのは当初から、仙谷氏率いる民主党内の反乱分子だったのであり、財務省出身者に拘り続けた政府与党こそが、武藤氏を始めとする有為な人物を貶(おとし)める不幸を生み出したのです。
 にも拘らず、民主党内の反乱分子は児戯に等しい、と嘲弄する記事も出稿せず、「小沢氏意向に右往左往」と相も変わらぬステロタイプ=画一的解説を繰り広げる島国ニッポンの「報道」は、いやはやです。

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帝国主義時代の支配者と変わらないよ

 思うに宰相・福田康夫は、正直な人です。「今日、混乱しましたか? それほどでもなかったという話も聞いているんですよ」と1日夜、首相官邸で記者団に答えているのですから。
「ガソリン価格の値下げが長続きして貰いたくない。一刻も早く25円値上げさせて頂きたい」と19世紀の経営者かと聞き紛う発言を繰り返す官房長官・町村信孝と比べたなら、一際(ひときわ)に。
 それにしても、全ての全国紙が「混乱を避けるべく道路特定財源の暫定税率部分を維持せよ」と社説で唱和し続けたのも、いやはや、まったくな「民意との乖離(かいり)」でした。「日経ビジネス」の調査でも、76%もの読者が暫定税率の廃止を望んでいたというのにね。
「値下げスタンド前は深夜に長蛇の渋滞車列。近隣住民は安眠妨害と困惑」なあんて“4月馬鹿”の朝刊紙面で「混乱」を煽った“護送船団”記者クラブのマッチポンプ振りも、官房長官と争う“オツム”です。連中の理屈を演繹(えんえき)したなら、バーゲンセールで駐車場待ち大渋滞の百貨店や郊外SCも国賊扱いしなくちゃいけなくなります。
 問題とすべきは、夜陰に乗じて、「給油所支援の利子補給」と称する不透明な“特定財源”を編み出した自民党の旧態依然な発想と体質です。
「ガソリン値下がりで収益が悪化した」「給油所の資金繰りを支援する」「対策の原資として数十億円を社団法人の全国石油協会に交付」。「全国石油協会を通じて実施する」「利子補給や債務保証枠の拡大を通じて、ガソリン値下げに伴う混乱の拡大を防ぐ」と31日付「日本経済新聞」は第1面で、政府与党の動きを報じています。
 それって、多額の政治献金を上納して下さる有り難き石油業界への“キックバック”を税金で、って話でしょ。現場の混乱を防ぐ為なら、既に野党が参院で提出していた、3月中の仕入れ分を4月1日から暫定税率抜きの価格で販売した場合に、その税額の差額を還付する「ガソリンスタンド対策法案」を可決するだけで事足りたのです。
「値下がりで収益が悪化した給油所」「支援へ利子補給」と胸を張るけど、その25円分は給油所自体の減収ではなく、納税分でしょうに。いやはや、消費者に対しては冷酷で、取り巻きの既得権益者にのみ甘い顔をする政府与党は、帝国主義時代の支配者と変わりません。

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いまだOS転換できぬ与党 【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」3月31日号】

 この原稿がお手元に届くのは3月31日。揮発油税の暫定税率に関して、何らかの結論が出され、私の考えとは異なる“着地点”に不時着しているかもしれません。が、実業の世界に携わる経済界のビジネスリーダーも数多く定期購読する「日経ビジネス」3月3日号に掲載の読者世論調査では76%もの人々が、「道路特定財源の使途に対するチェックが不十分で無駄が多い」と廃止を望んでいます。
 民意は明らか。にもかかわらず、政府・与党にとどまらず、全国知事会も「安値のガソリンスタンドに人が殺到しパニックになる」と、“そのまんま自民党”“そのまんま国交省”な発言を繰り返しているのです。現職知事だった時分に議論となっていたなら、私だけは廃止を主張していたでしょうに、いやはや。
 実は、パニックなど起こりようもないのです。新党日本が参院で統一会派を組む民主党は2月末に「道路特定財源制度改革関連3法案」を提出しています。3月末に期限切れとなる揮発油税の暫定税率以外の“日切れ税率”継続を認める法案です。オフショア市場の利子非課税措置をはじめ経済に影響を与える税率を継続させ、道路特定財源問題と切り離したのです。
 加えて3月21日には「ガソリンスタンド対策法案」も提出しました。揮発油税は製油所の出荷時に課税されます。3月末までに全国のスタンドに納品された分は暫定税率の課税対象。4月1日の午前0時以降に販売する場合も論理上、暫定税率を上乗せした価格で購入してもらうことになります。そこで、現場での混乱を防ぐべく、暫定税率分なしの価格で販売可能とし、税額の差額をスタンドの還付する内容です。供給側の都合ではなく、消費者と現場で働く者の視点に立っての思いやりです。
 ボールは福田康夫首相側に投げられているのです。31日の23時59分までに「対策法案」を衆参両院で可決するだけで、混乱は防げるのです。
 暫定税率が切れると地方自治体の税収が激減し、歳入不足の激震に見舞われる、と恐怖をあおる発言を繰り返す政府高官こそ、おおかみ少年です。“なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ改革”で強行された「三位一体の改革」なる羊頭狗肉(くにく)な施策を振り返れば、今回の暫定税率はノー・プロブレムと得心していただけるでしょう。
 「構造改革」の美名とは裏腹に、わずか5年間で250兆円も借金を増大させた小泉内閣は、地方交付税を毎年9500億円も削減していったのです。とりわけ2003年度の地方交付税は、02年度よりも1兆5000億円近くも激減。しかも、総務省と財務省から各自治体に通達されたのは、当初予算の審議を行う2月議会直前の1月末でした。福祉・医療・教育・農業・商業とすべての領域に影響を与える大パニックです。なのに、“小泉マジック”に酔いしれていた大半の首長や議員は「この詐欺師め」と拳を振り上げるどころか、倒錯したSMの世界のごとく交付税額を組み替えた予算案を提出、可決したのです。
 今回の地方減収分は往時よりも少ない金額の9000億円。しかも、影響は道路に限定されています。暫定税率を死守せねばと、息巻く政府・与党と自治体長は、国破れて道残る日本を目指しているのでしょうか?

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そのまんま自民党な全国”痴痔”会

 
削減されたら地方財政は大混乱、と全国痴痔、改め知事会は祝日に当たる20日に臨時会議を開催し、道路特定財源の暫定税率分を死守せよ、と緊急声明を発表しました。“そのまんま自民党”“そのまんま国交省”な時代錯誤です。
“25円還元”を煽る野党こそポピュリズム=大衆迎合だ、と息巻く政府与党は、以下の事実も知った上で猶(なお)、民意は自民党に在り、と胸を張り続けるのでしょうか?
 「日経ビジネス」の読者調査では76%もの定期購読者が、「道路特定財源の使途に対するチェックが不十分で無駄が多い」と廃止を望んでいます。
「パニック」など起こり得る筈も有りません。悪名高き道路特定財源の暫定税率分は年間2兆6千億円。その内、地方分は9000億円に「過ぎません」。敢(あ)えて「過ぎない」と断言する理由を、知事時代の実体験を踏まえてお話ししましょう。
 財政赤字を僅か5年間で250兆円と3割増も悪化させた“なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ内閣”は、その一方で「三位一体」なる羊頭狗肉な惹句を掲げ、地方交付税を毎年1兆円近くも削減し続けたのです。
 取り分け、平成15年度の地方交付税は、前年度より1兆5千億円近くも激減。しかも、総務省と財務省から各自治体に削減額が通達されたのは、驚く勿(なか)れ、当初予算の審議を行う2月議会直前の1月末でした。
 地方交付税の使途は、福祉・医療・教育・農業・商業と行政全般に及び、影響ならぬ被害は甚大です。にも拘(かかわ)らず“三百代言宰相”に陶酔していた全国自治体の首長と議員は、怒りの拳を振り上げるどころか逆に、「あ〜ん、痛みを伴う改革って素敵〜ぃ」と徹夜作業で組み換え提出した当初予算を可決したのです。
 繰り返しますが、今回の地方減収分は遙(はる)かに少ない9000億円。而(しか)も、影響は道路に限定されています。なのに、長い物に巻かれる体質の知事会は、「安値のガソリンスタンドに人々が殺到してパニックになる」と責任を野党に押し付け、元売り最大手の新日本石油も、3月31日迄に仕入れた在庫は25円高で販売せよ、と系列給油所に支持する始末です。
 呵々。斯(か)くなる事態を防ぐべく既に野党は準備万端、25円安で販売した在庫分に関して差額を還付する混乱防止法案を21日に提出しているのです。責任は偏(ひとえ)に、件(くだん)の法案すら採決しない、脳死状態に陥った政府与党に帰するのです。

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「この国のかたち」より「在り方」を問え

「この国のかたち」ではなく、「この国の在り方」が問われているのです。東京23区で一番住民が多い世田谷区と同じ80万人もの人口が1年間に減少する超少子高齢国家。他方で、1時間に66億円、1週間で1兆2千億円近くも借金が増加する財政破綻国家。因(ちな)みに1兆2000億円は、日本最大の製薬会社で世界有数の優良企業、武田薬品工業の全世界に於(お)ける連結売上総額と同等です。
 奇しくもハングルで国家を意味する「ナラ」に都を定めた日本は、嘗(かつ)ては大陸や半島から、鎖国を解いた明治以降は欧州や米国から、数多くを学んできました。が、歴史上に類を見ない人口減少社会へと突入した日本には最早(もはや)、プロトタイプ=お手本となる国家が存在しないのです。即ち、お手本=かたちを模倣するのでなく、自分自身で歴史を切り開き、お手本=在り方を創出する役割が求められています。
 にも拘(かかわ)らず、財政出動か構造改革か、の不毛な二項対立から未だ脱却し得ぬのが、奇っ怪ニッポンの惨状です。
 ジョン・メイナード・ケインズを紐解く迄もなく、不況時には政府支出とマネーサプライ=通貨供給量の増加、即ち拡張的な財政・金融政策が、逆に好況時には政府支出とマネーサプライの抑制、緊縮的な財政・金融政策が肝要です。
 然(さ)りとて、旧来型の公共事業に財政出動した所で、失われた10年の再来に過ぎず、産業構造の転換も図らぬ儘(まま)に弱肉強食の競争原理が跳梁跋扈しても、経世済民の社会は齎(もたら)されません。切磋琢磨の共存哲学こそが求められているのです。
 であればこそ、ケインズも既に往時、移民が居住するロンドン市東部は未だ下水道も敷設されぬではないかと語り、富国強兵の陰で置き去りにされていた斯(か)くなる時空の充実を図る事こそが、新しい公共事業の在り方だ、と説いたのです。
 翻って、「構造改革」なる羊頭狗肉を掲げて、僅か5年間で250兆円も国家の借金を増大させ、官僚統治の政治ならぬ官治の増長を放置し続け、日本の社会を荒廃させた小泉純一郎一派は、その反省もない儘に今度は、小選挙区制から中選挙区制に戻せば日本は良くなる、などと嘯(うそぶ)き始めました。呵々。選挙の制度ではなく、政治の在り方が問われているというのに、懲りない面々です。

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結果オーライな居直りが横行する

「科学技術」と訳されているテクノロジーの原義とは実は、テクネ=芸術とロジア=学問の合体なのです。単なる手先の技術に非(あら)ず。考える葦(あし)たる人類が創出する芸術的工芸を意味します。
 加えて、日本では「自動」と一般的には訳されているオートも本来、ギリシア語で自己を意味します。オートポイエーシスと呼ばれる生命システムは、自己で制作する、詰まりは予知能力を伴う自己制御なのです。
 他律的でなく自律的であってこそ人類は、真のテクノロジーを生み出す考える葦たり得る。斯(か)くなる基本認識を共有する社会だったなら、数多(あまた)の船舶が行き交う夜明け前の東京湾を航行するイージス艦も、衝突を回避し得ていた筈です。
 即ち、機械任せな自動操舵(そうだ)でなく手動操舵であってこそ、予知能力を伴う自己制御の「オート」なのだ、と。換言すれば、仮に手動操舵で進航しようとも、目・耳・鼻・舌・皮膚の五官を研ぎ澄ませていなくては、他律的な自動操舵と何ら変わらぬ事態に陥ります。
 同義と思われていた法令遵守とコンプライアンスを、今や似て非なる概念と認識すべき理由も、この点に在ります。前者は単なるマニュアル。後者は倫理観です。
 過去3年間に限っても1500万個に上る「弁当偽装」を常態化させていたにも拘(かかわ)らず、「(偽装に)法的問題は無いと思う」と11日の会見で建守猛社長が公言、と報じられたJR東海子会社「ジェイアール東海パッセンジャーズ」の理屈は、象徴的事例でしょう。
「新鮮さを消費者にアピールする為」「消費期限の自主基準を改訂」。「時間帯によっては工場の生産能力を超える需要が発生。この為、製造ラインに余裕が有る時間に作り置きし、偽装した消費期限のラベルを貼る」事態は「社内規定違反」だが、「具体的な健康被害の申告」も「違法性」も無かったから「問題は無い」と弁明するのです。
 この企業に限らず、自らを律する倫理が欠落した事象が相次いでいます。法律に触れなければ咎められない。法律さえ守っていれば許される、と言わんばかりに。が、その法律自体を造り出したのは、凡(およ)そ想像力から程遠き官僚組織なのです。
 であればこそ、単なる目先の法律を超えた自己制御が肝要。なのに、結果オーライな居直りが跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する社会は、いやはやです。

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通貨の番人は出自より資質を


 日本銀行総裁の後任人事を巡る甲論乙駁(こうろんおつばく)は、オープン(公開)・フェア(公正)・ロジカル(論理的)の何(いず)れとも程遠い日本社会を象徴する不毛な舌戦に過ぎません。凡(およ)そ本質的でないのです。
 件(くだん)の後任人事が財政・金融分離の原則に反するか否か、の議論の根拠が、候補者の“出自”に終始しているのですから笑止千万です。議論されるべきは“出自”でなく、“資質”の筈です。
 即ち、旧大蔵省なる財政部門で事務次官を務めし人物だから、“通貨の番人”たる日銀総裁には不適格、との論拠を演繹したなら、霞が関の官僚出身者は永田町の国会議員には不適格って話になります。何故って既に17世紀に、立法・行政・司法の三権分立が確立されているのですから。
 更に厳密解釈すれば、田中康夫に象徴される行政機関の首長経験者が立法機関の国会議員に転身するのも不適格となるのです。
“出自”で制限を加えるのは、アパルトヘイトと同根です。繰り返しますが、大切なのは、件の人物の“資質”です。
 地位が人を育てる場合も有れば、地位が人を堕する場合も有るのです。貧すれば鈍する人物も居れば、富すれば鈍する人物も居るのです。
 それは“通貨の番人”に就任した歴代の人物とて例外ではなく、中央銀行たる日本銀行総裁に任命されるや程なく、公私混同の極みが問題視された市中銀行の頭取出身者も存在します。
 今回、候補者として囁かれる大蔵官僚出身者も、次善の策として浮上してきた日本銀行プロパーの人物も、英国の「エコノミスト」誌で世界最悪の中央銀行総裁、と酷評された御仁の元で副総裁を務めた人物です。
 肝要なのは、的確な認識・迅速な決断・明確な責任を併せ持った哲学と覚悟の人物か否か、なのです。
 世界の市場から愛想を尽かされ続けた日本の金融政策の責任を総裁と共に負う“共同正犯”2人の何れを選ぶか、だなんて、日本は斯(か)くも人材難なのでしょうか?
 況(ま)して、市井に生きる大半の人々にとっては、日銀総裁人事が政局化したところで景気が回復する訳でもなく、所詮は永田町の論理に過ぎません。財務省アパルトヘイト論を振り翳(かざ)す野党も、経済界が推挙しているからと他力本願な理由を掲げる与党も、ズレまくっているのです。

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隠ぺい、冤罪、閣僚失格 【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」3月3日号】

 海上自衛隊のイージス艦衝突事故で、石破茂防衛相が自分のところへ連絡が入るまでに1時間半もかかったことについて「なぜこんなにかかったのか」などと、まるで人ごとのような発言をしていますが、石破氏は民間に例えれば社長の立場。社員が不祥事を起こしたり、組織として上げるべき情報を上げてこなかったりしたら、それはすべてトップの責任なのです。
 防衛相就任からすでに6カ月がたち、かつて防衛庁時代も長官を務めたこともある。もっと言えば、自由民主党は50年以上も政権を運営する中で、何らリーダーシップを発揮してこなかった。海上幕僚長の更迭で済まされる話ではないはずです。
 社会保険庁による年金記録の不備問題も根本は同じ。職員がちゃんと働かなかったり、不祥事や失態を隠したりしてきた原因は、それを政府、与党が許してきたからにほかなりません。
 緊急・重大事案が発生時には、第1報が陸海空幕僚長から防衛相に直接入るように通達を出したと言いますが、もはやそんな次元の話ではありません。第3管区海上保安本部への事故連絡も発生から約20分が経過してから。隠ぺい体質と批判されても仕方がないでしょう。
 それ以前に、大中小の船舶が行き交う東京湾で、夜明け前に自動操舵(そうだ)だった。手動操舵というマニュアルすら策定してなかった。これだけで論外。しかも艦長はようとして姿を現さず。キャプテンとして失格。海の男の風上にも置けません。
 一流といわれる料理店では、責任者が還暦を過ぎても現場に立ち、盛り付けにはじまり、料理とは何か、接客とは、サービス業とはどうあるべきかを店の人間に厳しく指導するからこそ、そこで働く人間も育つわけです。「人さまに喜んでいただいてナンボ」と、嗅覚(きゅうかく)という勘所を養成しているわけです。
 鳩山邦夫法相が鹿児島の選挙違反事件の無罪について「冤罪(えんざい)と呼ぶべきではない」と発言したのも言語道断。
 冤罪の被害に遭った中山信一さんらとは何度も会って話を聞いていますが、中山さんは金も酒も配っていない。それどころか、わずか20所帯のその集落で会合すら開いていない。冤罪以上にタチの悪い捜査権力によるでっち上げです。捜査の過程で、親族の名前を書いて踏ませる「踏み字」で自白を強要さえしている。検察に、そんな捜査をやるべきではないと言うならいざしらず…。鳩山法相は、きちんと取り調べの際の音声や様子を任意聴取の段階から全て記録する可視化≠早急に図るべきです。
 国会に石破防衛相の問責決議案を出そうという動きがありますが、鳩山法相の責任についても追及していくべきでしょう。「友人の友人がアルカイダ」といった“前科”も多いのですから。
 政治家は「冷酷さ」と「冷徹さ」の違いを認識すべきです。政治家は有権者や暮らしている人のためには、冷徹でなければいけません。小沢一郎代表以外の大半の野党幹部は、自民党との大連立には反対を表明していたはず。政府、与党に何の遠慮が要るでしょう。“永田町ムラ”の甘チャン政治では、まっとうに働き暮らす人々は蚊帳の外に留め置かれたままです。


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オタッキー大臣以下、春眠暁を覚えず

 一部の好事家の間では支持されてきたオタッキーな軍事評論家・石破茂防衛大臣の辞任が、不可避な情勢です。
 イージス艦と漁船の衝突直前に当直士官だった航海長をヘリコプターで密かに、新宿区市谷本村町に位置する防衛省へと移送し、増田耕平防衛事務次官、斎藤隆統合幕僚長、吉川栄治海上幕僚長と共に大臣室で事情聴取していたのですから。
 海の警察に当たる海上保安庁に、「けが人を運ぶ」と“虚偽の報告”を行っていただけでなく、社会に対しても石破氏は、航海長からの聴取内容は海上幕僚本部を通じて報告を受けた、と“虚偽の説明”をしています。
 有事に直面してこそ、的確な判断・迅速な行動・明確な責任を沈着冷静に行い得るか否かが、リーダーには問われます。にも拘(かかわ)らず、オタッキー大臣は事故当日の会見で、自分への連絡が発生から1時間半後だった、と気色ばみました。
 なっとらんのは部下だ、と居直ったのです。呵々。2度目の大臣就任から既に半年も経つではありませんか。自らの統率能力が欠如している、と認めるが如き戯(たわけ)けた発言です。「弛(たる)んでいた、の一言に尽きる」と述べた政界渡り鳥の小池百合子・元防衛大臣も、厚顔無恥の極みです。
 自由民主党は50年以上に亘(わた)って、権力機構のの頂点に君臨し続けてきたのです。部下が弛んででいたのも、伝達が機能しなかったのも、自民党が真のリーダーたり得ていなかった証左に他なりません。
 福田康夫総理大臣が事故を知ったのは2時間後です。その30分前に一報を得たオタッキー大臣は何故、お聞き及びとは存じますが、と首相公邸に連絡を入れなかったのでしょう? 彼は内閣の一員なのです。シビ
リアン・コントロールの最高責任者への連絡手段も把握していなかったとしたら、失格です。
 春眠暁を覚えず状態だった艦長も論外。然(さ)れど、赤・緑何(いず)れの灯火が見えたか否か、の微小な事象に終始するマスメディアも同類です。
 昼夜を問わず、数多くの船舶が行き交う東京湾では、事故を防ぐべく手動操舵を義務付ける。斯(か)くも当たり前な「最初の一歩」すら防衛庁時代から徹底していなかった歴代自民党政権の、想像力の欠如が原因なのです。彼らは元々、政権担当能力を持ち合わせていなかった、と痛感させる今回の悲劇です。

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輸入販売元を報じないのはなぜ!?

 中国“猛毒”餃子が耳目を集めています。その大半は、日本たばこ産業なる旧大蔵省・現財務省の天下り官僚が君臨してきた企業グループが生産を依頼し、販路を拡大してきた商品です。
 が、その官僚的体質を反映してか、初期対応は極めて鈍く、「食の安全性に関するJTとの現状認識の違いを痛感」と日清食品の安藤宏基社長に冷凍食品事業の統合契約を解消される始末です。
 にも拘(かかわ)らず、新聞・TVの“護送船団”記者クラブの面々は、中毒症状に陥った消費者が購入したスーパーマーケット店名は大々的に報じる一方で、その輸入販売元たるJTの名前を積極的に報じようとはしません。
 いやはや、即売販路を牛耳るキヨスクやコンビニの経営姿勢を批評する記事掲載に及び腰なのと同様、莫大なる広告費用をタバコ宣伝に投じてくれる“長い物”に巻かれる談合体質そのものではありませんか。
 けれども、危ないのは中国製産品だけでしょうか? 山国の知事を務めし時に、日本の農業を牛耳る巨大な組織が規定する化学合成農薬の撒布回数に驚愕した僕は、以下の事実を読者諸兄にお伝えせねばなりません。
 全国の大半の農作者は、件の巨大な組織を通じて化学合成農薬、化学肥料を購入します。その耕作面積、並びに検品作業を行う地元の共撰場に例年出荷している収穫量に応じて、農薬も肥料も配給されてくるのです。
 例えば、ミニトマト。僅か2ヶ月間の促成栽培期間に化学合成農薬をニャンと50回も撒布せよ、と規定されています。
 一体全体、繊細なトマトの外皮から果肉の部分に如何ほどの農薬が浸潤していくのでありましょう! けれども、撒布を拒んだなら、地域の異端児扱いされ、共撰場に運び込め
なくなります。
 知事時代の後半に「レズザン50」(less than 50)と銘打って、既存の慣行基準の半分以下に撒布を留めた農作者に報償する制度を創設した所、余計な話だ、と既得権益に安住する皆々様から猛反発を食らいました。
 消費者側の希望ではなく、供給側の都合で農業政策が続く限り、アトピーに留まらず、未来の子供の健康は真っ暗だぞぉ。

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政官業学の権益カルテットにご用心

 HIV感染数は、年間494万件に上る献血で僅(わず)か102件、0.002%に過ぎず、と舛添要一厚生労働大臣は抗弁しました。1月31日の参議院予算委員会に於(お)ける僕の質疑に対して。
 如何(いか)にも霞が関官僚が編み出しそうな詭弁(きべん)です。何故なら、10万人に2人の陽性反応。即ち全国民が献血したなら2400人が陽性反応。薬害肝炎訴訟原告201人の10倍以上に当たります。
 因(ちな)みに、去年1年間で新たに報告されたHIV感染者は1048人。献血を通じて判明した事例が1割を占めるのです。
 深刻なのは、性的接触でHIV感染後も2週間余りはウィンドウ期間と呼ばれ、その間に検査を行っても陽性反応が示されない現実です。B型、C型肝炎に至っては3ヶ月近くも陰性反応。
 詰まりは既に陽性なれど陰性反応に留(とど)まる汚染献血が、日本赤十字社の血液センターを通じて全国津々浦々の医療機関で、この瞬間も輸血され続けているのです。実際、輸血を通じてのHIV感染事例も発生しています。
 防御し切れぬのでしょうか? 否、プリオン以外の全ての細菌=バクテリア、病原体=ヴィールスを撲滅可能な「不活化」と呼ばれる措置を欧州では以前から導入。米国でも1月11日に全面導入を決定し、アジアでもシンガポール、マレーシア、タイ、更には日本のODAで経済を復興するヴェトナムも導入済み。
 にも拘(かかわ)らず厚生労働省と日本赤十字社、更にはミドリ十字改め田辺三菱製薬、御用学者で構成される政官業学の既得権益カルテットは、5年前からアリバイ作りの「検討」を続けるのみです。
 後ろ向きな答弁に終始する舛添氏に愛想を尽かし、駄目元で福田氏に発言を求めると、豈図(あにはか)らんや、「時間を掛けてはいけない。早急に結論を出すべく厚生労働省に督促する」と、異例の“決断”を下しました。
 漸(ようや)く光明を見出せた、と全国の医療関係者から僕の下へとメールが殺到しています。不活化の導入に留まらず、旧態依然な血液法の改正、更には自己血の成分分離を可能とする医療ネットワークの確立も急務です。
 が、当事者たる厚生労働省や日本赤十字社は、果たして「決断」し得るでしょうか?
今国会で更に厳しく問い質(ただ)す覚悟です。

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公務員天国に義憤を抱け


 1月31日に参議院予算委員会で45分間、質疑に立ちました。血液医療、地方財政、森林整備、道路行政、税制改革の5項目を福田康夫首相、舛添要一厚生労働大臣、増田寛也総務大臣に質し、NHKでTV生中継されました。
 今や福祉の党改め土建の党に宗旨替えしたかと見紛う程に、政官業の既得権益者の擁護に終始する冬柴鐵三国土交通大臣が、質問者の僕が求めてもいないのに答弁席で弁明し始める想定外の展開も含め、新党日本のHPで視聴可能です。
 翌日の朝刊では、岩手県の起債残高=借金を1兆4千億円と知事在任の12年間で2倍にしたにも拘(かかわ)らず“改革派”を自任し続ける増田氏との「対決」と写真入りで報じられ、同じく僅(わず)か5年間で250兆円も日本の借金を膨張させた戦犯コンビを「なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ構造改革」と僕が命名した件(くだり)も紹介されました。
 けれどもTV放映を通じて取り分け、日本全国の真っ当に働き・学び・暮らす方々に伝えたかったのは、退職手当債と称する摩訶不思議な公務員天国振りに義憤を抱こう、というメッセージでもありました。
 にゃんと、定年退職する地方公務員に退職金を支払う原資が足りない、との名目で平成19年度に41道府県が総額3302億円もの退職手当債を起債しているのです。政令指定都市を含めると、発行総額は5900億円にも達します。
 驚く勿(なか)れ、退職手当債の発行を昨年度から10年間に亘(わた)って総務省は許可しているのです。平均1人当たり2835万円もの退職金を満額支給し続けるべく。
 共に“改革派”を高言する堂本暁子知事の千葉県は200億円、上田清司知事の埼玉県も159億円。何(いず)れも僅か1年間の、而(しか)も退職金支給の為の起債額です。
 背に腹は代えられない、と基礎年金の支給開始年齢を引き上げ、給付水準を引き下げる一方で、親方日の丸の皆様の老後は満額保証。その借金は全(すべ)て、全国津々浦々の善男善女が負担するのです。にも拘らず、自由民主党から日本共産党に至るまで、背後に既得権益者を抱える既存政党は黙して語らずです。
 脱しがらみ・脱なれ合いを掲げる田中康夫の新党日本しか予算委員会で質問出来ないとは、いやはや、奇っ怪ニッポンは沈没不可避ですなぁ。

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労使交渉かと見紛う浅ましき25円の攻防戦よ

「暫定」を34年間も放置し続けて猶(なお)、今後10年間も「暫定」を堅持し続けねば日本は衰弱する、と政府与党の面々は唱和しています。
 だったら、正々堂々と「恒久」税率として今国会に提出すべきだったのではありますまいか? 実際、安全保障に関しては恒久法を制定せねば、と施政方針演説で言明して
いるのですから。
 而(しか)も、道路特定財源の暫定税率に関する「日切れ法案」の審議自体が始まる前に、暫定税率の期限それ自体を延長する法案を提出する姑息な手段に打って出ました。
 衆議院で3分の2を占める与党が民意なのだ、と数の論理を持ち出しています。東京都知事を始めとする地方自治体の首長や議員も大半が、暫定堅持を唱和します。
 けれども、各種世論調査では逆に、国民の3分の2以上が暫定税率の廃止を望んでいるのです。即(すなわ)ち、与野党間のねじれが原因なのではなく、民意とねじれている日本の代議制の在り方こそが問題なのです。だから、特定の支持政党が無い、と答える国民が半数を超えているのです。
 日本の面積が膨張している訳もなく、逆に人口は1年間に世田谷区と同じ80万人づつ減少しています。面積当たりの道路密度は既に、アメリカの3倍、イギリスやフランスの2倍に達しているのです。日本道路協会も認める現実です。
 漫然と造り続けるのでなく、直し始める政策へと転換が必要です。にも拘(かかわ)らず、新たな市町村道の建設には5割以上の補助金を手渡す一方で、維持・修繕は自治体が自前で行うべし、と奇っ怪ニッポンそのものです。
 道路だけでなく橋梁や隧道(ずいどう)の点検や補修も滞れば、アメリカの橋梁落下と同じ悲劇が続出しかねません。今こそ、直し始める分野へと公共事業の在り方を転換すべき。それこそは、直(す)ぐには構造転換出来ない各地域の土木建設業者が担当可能。疲弊した地域経済の活性化にも役立ちます。
 なのに、与野党共に、労使交渉かと見紛う25円の攻防戦に終始しています。福田内閣は環境内閣だと自画自賛するのなら、道路建設に代わって低床式のLRT=次世代型路面電車を全国の市街地に導入し、高齢者が運転する自動車事故を減少させる、ってな“夢を感じさせる提案”を、少なくとも出して頂戴よ。

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求められるのは発想の転換 
【週刊会員情報誌「Kyodo Weekly」2月4日号】

 34年間も「暫定」を放置し続けた上に、さらに今後10年間は「暫定」を堅持し続けねば、と自らの発言に疑問も抱かずに唱和する皆さまのオツムの中を、CTやMRIで検査してみたいですね。そんなに必要不可欠な税金なら、政府与党は「恒久」税率として今国会に提出すべきでしょ。安全保障は恒久法を制定せねば、と施政方針演説で語ってるんですから。
 にもかかわらず「暫定」なのは、当の本人たちも後ろめたいんでしょうね。与党が3分の2を占める衆院で再議に掛けてでも、などと数の論理を持ち出す。でも、各種世論調査では国民の3分の2以上が廃止を望んでいる。国会と国民の間で「3分の2」に関して、明らかに乖離(かいり)が生じてるんですね。
だから、特定の支持政党がない、と答える国民が5割を超えているんです。「真に必要な道路」と情緒的な言葉が繰り返されていますが、冷静に考えてみれば、日本の面積は増える訳じゃない。逆に、1年間に世田谷区と同じ80万人ずつ減少、面積当たりの道路密度は既に、アメリカの3倍、イギリスやフランスの2倍に日本は達している、と日本道路協会も認めている。
 戦後62年を経て、すべての分野において日本は、漫然と造り続けるのでなく、直し始めねばならぬ局面に差し掛かっているのです。50歳を過ぎて弱くなった骨や歯を大切にするのと同じです。なのに政府は、新たな市町村道の建設には5割以上の補助金を手渡す一方で、維持・補修は自治体が自前でどうぞ、と予算措置を講じていない。財政難を理由に、道路だけでなく橋梁や隧道(ずいどう)の点検や修繕も怠れば、アメリカの悲劇と同じ事態に陥りかねません。新党日本は従来から、こうした維持・補修へと公共事業費を振り向けるべき、と提唱してきました。こうした作業こそ、直ぐには構造転換出来ない地域の土木建設業者が担当可能。地域経済の活性化にも役立つのです。
 なのに、人口減少社会における公共事業の在り方を議論すべき与野党とも、労使交渉と同じ次元の25円の攻防戦に終始しています。ガソリンが120円台に下がると自動車の利用が増えて地球温暖化が進み、北海道洞爺湖サミットの開催国として恥ずかしい、などと息巻く北海道選出の官房長官にいたっては、寒冷地の人々の苦しみも判らぬあなたこそ恥ずかしいでしょ。福田内閣は環境内閣だ、と胸を張るのなら、「温暖化と高齢化に対応すべく、超低床式のLRT(次世代型路面電車)を市街地に積極的に導入しよう」と提案したはいかがか。
 首相のおひざ元の群馬県で8000億円も投じて建設予定の八ツ場ダム計画を中止するくらいの決断もほしいですね。日本は国土の7割が森林なのに、林野庁の予算は4000億円にも満たない。しかも、間伐をはじめとする森林整備に投じているのはわずか400億円。巨大なダム1個の建設費用の20分の1にすぎないのですよ。戦後に造林されたスギやヒノキの人工林は、その半分以上が間伐も行われぬまま、荒れ果てています。地球温暖化を防ぐ上でも、これこそは急務なのに、不要不急の公共事業体質な日本の政治を、既存政党は誰も変えられないでいます。新党日本は今年も奮闘します。


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断つことを決める−それが「決断」

「決断」なる単語の由来を御存知ですか? 中国最古の王朝・夏(か)(紀元前2070〜1600)の始祖である禹(う)は、黄河治水の祖でもありました。
 大陸を貫く悠久の河は、時には荒れ狂い、人命を奪い、田畑を壊します。氾濫の被害を防ぐべく、如何(いか)に堤防を高くしようとも、或(ある)いは河道内に堰堤(えんてい)=ダムを設けようとも、凄まじい勢いで濁流は堤防や堰堤を乗り越え、どころか水圧で決壊させていくのです。
 川の中だけに水を押し留(とど)められないならば、発想を転換しよう。そう考えた禹は、人家が周囲に存在しない箇所の堤防を敢えて撤去しました。後に武田信玄が考案したとされる霞堤(かすみてい)、若(も)しくは引き堤と呼ばれる構造の原型です。
 堤防が無い場所で、濁流は田畑へと流れ込みます。恰(あたか)も、列車がスイッチバックするかの様に。その年、農作物は全滅します。けれども、チベットの麓の青海省を源流とする水中に含まれていた様々な成分が肥料となって、翌年は大豊作となるのです。
 断つ事を決める。それが「決断」と表記するに至った由来です。闇雲に断つのではなく、最も被害が少ない箇所を的確に見極めた上で、決めるのです。決断する気概を持ち合わせてこそ初めて、リーダーはリーダーたり得るのです。
 翻って、日本の宰相はリーダーたり得ているでしょうか? 「司法や行政の枠内では如何(いかん)ともし難い」と薬害肝炎問題でも責任回避の発言に終始し、無責任だと批判が相次ぐと、議員立法という名の“丸投げ”に逃げ込みました。
 事勿(なか)れ主義の官僚とは異なり、行政の最高責任者たる宰相とは、「決断」して初めて指導者と呼び得るのです。その彼は、「井戸を掘るなら、水が湧くまで掘れ」との言葉で施政方針演説を締め括(くく)りました。
 呵々(かか)。掘り続けても湧いてこない箇所に税金を投じ続ける公共事業に象徴されるハコモノ行政を戦後62年間も続けてきたからこそ、世界一の借金国に陥ったのではありますまいか。
 自身のイニシャルに相応(ふさわ)しくKY改めFY(雰囲気が読めない)な宰相としての“名声”を確立しつつある福田康夫なる人物は果たして、掘っても湧いてこなかったなら、別の場所を掘る決断をなし得るでしょうか?

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福田FY宰相に逆転の発想など無理

 ニューヨーク株式市場が急落し、2年2ヶ月振りに日経平均も1万4千円を割り込み、波乱の年明けだ、と記者“護送船団”クラブの面々は危機感を煽(あお)ります。
 が、看過し得ぬ状況は既に昨年末に露呈しているのです。消費者物価指数は過去10年間で最も高い伸び率を記録しました。価格変動の大きい生鮮食品を除いた上での指数が、です。
有効求人倍率は2年振りに1倍を切り、フリーター等の非正規雇用者を除いた正社員雇用に限定すれば、0.63の倍率に留(とど)まります。而(しこう)して、企業倒産件数は1年間に1万件を超えています。
 1994年には世界第1位だった国民1人当たりの国内総生産(名目GDP)は今や、OECD(経済協力開発機構)30ヶ国中18位へと転落しました。
 にも拘(かかわ)らず、日本銀行は「経済・物価情勢の展望」最新版でも、「日本経済は緩やかに拡大」と大本営発表を行い続け、KY改め雰囲気が読めないFYな福田康夫宰相は年末のインタヴューで、「公務員いじめをしているような世の中ではいけない」と場違いな発言を繰り返し、消費税を含む増税は不可避、と政府与党が高言する始末です。
 東京都内で最も多くの人々が暮らす世田谷区と同じ80万人もの人口が1年間に減少していく超少子高齢社会のニッポンでは、三菱総合研究所が看破するが如く、仮に消費税を10%にしたなら民間消費は2.7%、GDPも1.9%減少するのです。
 詰まりは、実質成長率ですら2%を切り続ける今の日本で、行政の無駄も省かぬ儘(まま)に増税を強行したなら、マイナス成長。どころか、消費減退・景気失速・通貨暴落・ハイパーインフレと、悪夢の展開です。
 過去10年間、敢(あ)えて減税を敢行した上位10州では、税収の伸び率こそ50州平均を下回ったものの、企業の投資が増え、雇用の拡大と個人所得の増大、更には人口の増加が齎(もたら)され、結果として個人消費も拡大しました。安易な増税を行った上位10州は例外なく、50州平均を下回り、景気が低迷しています。
 共和党・民主党を問わず、積極的な減税政策がアメリカで打ち出されるのは、理由有っての事なのです。逆転の発想を日本も取り入れぬ限り、明るい未来は訪れません。

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禁煙化こそ真の欧米化

 アーノルド・シュワルツェネッガー氏が知事を務めるカリフォルニア州では、職場や飲食店等の公共空間に加えて、18歳未満の子供が同乗する自家用車内での喫煙も禁止されました。
 斯(か)くなる動きは「禁煙原理主義」のアメリカに留(とど)まらず、ヨーロッパでも広がっています。
 パブを含めて4年前に禁止したアイルランドを嚆矢(こうし)として、イギリス、スウェーデン等のアングロサクソン、ゲルマン系に留まらずラテン系の国々でも、イタリア、スペイン、ポルトガルと相次ぎ、遂にフランスでも職場や公共施設に加えてカフェやレストラン、更にディスコやカジノでも、この1月1日から全面禁煙となりました。
 ワインと並んでフランス映画の“脇役”として欠かせぬ存在だったタバコは、受難の時代を迎えています。
 東京都内のタクシーが禁煙化した7日夜、渡辺真理嬢と共にTBSラジオ「アクセス」で1時間40分に亘(わた)って、「日本でもレストラン等の飲食店を禁煙化すべきだと思いますか?」とのテーマで、電話を下さった聴取者と“バトルトーク”を繰り広げました。
 リスナーの反応は、禁煙にすべき56%・そうは思わない37%。夕方の新橋駅前でのアンケートでは44%・52%。
 先進国を自任する自国内では禁煙化しながら、アジアやアフリカを始めとする発展途上国ではタバコを売りまくる多国籍企業を牛耳る“欧米”のダブルスタンダードは如何(いかが)なものか、と揶揄(やゆ)するのは簡単です。
 が、航空機内の全面禁煙が未実施だった往時、座席自体は禁煙席を選択した上で、一服したくなった時にだけ喫煙席へと移動してくる搭乗客が少なくなかった事実、即(すなわ)ち、愛煙家とて他人が吐き出す煙を吸いたくはないのだ、との公理を知る元祖“客室乗務員評論家”の僕としては、以下の“初夢”を実現したい衝動に駆られます。
“手取り足取り”の内政干渉を常日頃から、ハワイに続く51番目の州としての日本に行って下さる兄貴分のアメリカに、「禁煙化を徹底してこそ、真の“欧米化”が可能」と2008年度の「年次改革要望書」に書き込んで頂くのも一興では、と。
 とまれ、食後の一服ならば兎も角(ともかく)、鮨屋のカウンターに着くなり傍若無人にタバコを吸い出す発展途上人のマナー向上は急務ですなぁ。

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